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黒塗りのワゴンの車内。 『んで?梵天?だっけ。 長期雇用?しかも住み込みぃ?ダルゥゥゥ~。 どーせ社畜になるだけだろ。』 「それ本人達の前で言うなよ。 即スクラップだぞ。」 『そんなんで死ねるなら もう殺して貰った方がいいよ。 あ!ねぇ、私が悪態つけば 解雇してくれんのかな。』 「“死”と言う名のな。」 『は?意味わからん。 てかさ、梵天って 結構ヤバイのいるらしいじゃん? 何でアタシが必要なの?』 「お前の言うヤバイ奴は幹部と首領だ。 他は俺でも殺れる。」 『ほーう。 あ、そうそう、私にも考えがあるんだよね。 月給1000万とかほざいたら殺す。 月給いくらか聞いてないの?』 「どうやら試験があるらしいぞ。 そこでお前を見極めるんだとよ。 給料もそこで決まる。」 『は?それ言い出したの誰? 何目線で物を言ってんの、ソイツ。』 「まあ、相当ナメられてんのには違いねぇな。 あ、そういえばお前の性別教えてねぇな。」 『ハァー???よく雇ってもらえたな。 何て伝えたの?』 この女は、いや、この名を付けた人は 彼女が女だと知っているのだろうか。 そう、この女はベテランの殺し屋。 生まれた時から 暗殺技術もろもろを叩き込まれ、 今まで失敗などしたことがない。 今まで受けた100件以上の仕事の中で、 雇い主にも顔を見せない女の通称、それは、 「白薔薇の天使エンジェル。」 『ダッサ。その名前やめろっつってンだろ。 キショク悪ィ。何で天使が 下界にある花と一緒にされてンだよ。』 「俺が知るかァ。」 本人はお気に召さないようだが、 この界隈で”白薔薇の天使“ を知らない人はいない。 「噂になってる名前の方がいいだろ。 てか、殺し屋でフルネーム晒すバカいっかよ。」 『チッ.はいはい。もうすぐ着くよね。 化粧するか。』 「何、お前顔見せんの? めずらしいな。てか初めてじゃね? 雇い主達に顔見せんの。」 『住み込み長期雇用でしょ。 毎日顔隠すとかムリムリ。 でもこの隈見せる訳にもいかないし。』 ーーーーーーーーー 「着いたぞ。」 『あと口紅だけ。いつものマント? ちょうだい。』 「さっき隠さないって言ってたろ。」 『幹部だけな。 何で私がアンタでも殺れるような 下っ端に顔晒さなきゃいけないんだよ。』 「それもそうだな。」 車が停まったのは、 大きな倉庫だった。