TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

竈門炭治郎

カナヲ

見慣れた天井を見つめながら妻の名前を呼んだ

カナヲ

なぁに?炭治郎

1等幸せそうにニコリと笑いながらカナヲは答えた

竈門炭治郎

今日は何日だ?

今日が何日かなんて、分かりきった質問を

カナヲ

うん、今日は13日だよ

竈門炭治郎

そっかぁ…

雲取山は夏でも涼しかった。

竈門炭治郎

あれから、もう10年経ったんだなぁ

カナヲ

そうだねぇ

すみか

おとーさぁーん!

カナヲ

こらすみか、お父さんは今…

竈門炭治郎

いいよカナヲ。

すみか

お父さんあのねー?

すみか

善逸叔父さんがずっと泣いてるの

すみか

お父さんが連れていかれるって

竈門炭治郎

……

今朝、善逸に会った時。 善逸はずうっと泣いていた

耳のいい善逸は、きっと気付いたんだろう

すみか

ね、お父さんどこか行っちゃうの?

竈門炭治郎

すみか

もう動かすのも億劫だが、すみかの頭に手を置く

すみか

えへへ

人懐っこいすみかは頭を撫でられるのが大好きだ

叔父さん!

竈門炭治郎

……!

スパーン!と障子が開いて、見慣れた黒髪の少年が入ってきた

お父さんが最後くらい伊之助さんと話そうよって!伊之助さん呼びに行ったよ!

竈門炭治郎

……

こういう時の善逸は手回しが早い 恐らく半刻もしない内に 伊之助と、アオイさん、そして志乃ちゃんと一緒に来るだろう

竈門炭治郎

獪のお父さんは凄いなぁ

凄くないよ、いっつもお母さんにくっついてるんだよ?

竈門炭治郎

やる時はやる男だぞ、善逸は

我妻善逸

たんじろ、お加減いかが?

嗅ぎなれた匂いと共に善逸が入ってくる

竈門炭治郎

善逸。うん、今日は調子がいいよ

嘴平伊之助

権八郎!俺が来たぜ!

我妻善逸

しーーーーっ!

荒々しく伊之助が入ってくる

アオイ

炭治郎さん、ご無沙汰しています

その後ろからキビキビとした足取りでアオイさんが

志乃

…………こんにちは

アオイさんの足にピッタリとくっついているのは志乃ちゃん

我妻善逸

あれ、獪、禰豆子ちゃんは!?

お母さんは今厨にいる

我妻善逸

後で会いに行こーっと

竈門炭治郎

ふはっ……みんな変わらないなぁ

すみか

お父さん笑ってる〜

すみかもニコニコと笑う

カナヲ

…………

カナヲが何かを堪えるように笑う

竈門炭治郎

ごめんなぁカナヲ

カナヲ

謝らないでよ……

竈門炭治郎

善逸達も、ごめん

我妻善逸

謝るなよ!ま、まだ分かんないだろ!?

嘴平伊之助

親分より先に逝くなんて許さねえからな

アオイ

…………

アオイさんは黙って涙を流している

お父さん、なんでそんなに悲しそうなの?

我妻善逸

……

善逸は黙って獪の頭を撫でる

アオイ

ヒッ……ウッ……

志乃

お母さん?

しゃくりあげながら泣くアオイさんを心配したのか志乃はアオイさんを見上げた

カナヲ

たん、じ……

傍らに控えていたカナヲもついには泣き出してしまった

すみか

ねぇお父さん、なんでお母さん泣いてるの?

ポロポロと、自分の頬も涙が伝う

竈門炭治郎

なんでだろうなぁ

すみか

お父さんも泣いてる

伊之助に負けないくらいのスパーン!という音を立てて障子が開いた

禰豆子

皆さん、ご飯が出来ましたよ

禰豆子がふわりと笑う

禰豆子

食べましょ?

嘴平伊之助

飯!

我妻善逸

ありがとう禰豆子ちゃん!

善逸は禰豆子の意図を汲んだようだ

すみか

すみかも〜!

すみかが立ち上がって禰豆子の方に行った

アオイ

私も……

志乃

お母さん行くなら私もっ

我妻善逸

獪も、いっておいで

う、うん!

部屋の中が静まり返る

我妻善逸

炭治郎

竈門炭治郎

そうだ…多分、俺は今日……

嘴平伊之助

紋次郎生きろよ!居たんだろ生き残った奴は!

竈門炭治郎

ごめん伊之助……ごめん……

仲間として、友として、家族のような存在だった

我妻善逸

俺だってさ、分かってたよ。今日来た時……お前の音、凄い薄れてたし……

嘴平伊之助

……なんでお前なんだよ…なんで…

竈門炭治郎

うん…。

声が、どんどん出なくなってる 掠れて、乾いて

死にたくない、まだすみかも小さい 生きたい、まだ、大切な人達と

我妻善逸

う"ぅぅぅ……

ボロボロと涙を流す善逸と、意地でも泣くのを堪えてる伊之助

嘴平伊之助

安心しろ!ヲカナとすみこは俺が請け負う!
親分だからな!

我妻善逸

カナヲちゃんとすみかちゃんっ!

カナヲ

炭治郎、ここに運んでもいい?

竈門炭治郎

うん

ニコッと笑ってカナヲが厨に戻っていった

「いただきます」

禰豆子

美味しいね

アオイ

えぇ、とても

嘴平伊之助

うめぇ!うめぇ!

我妻善逸

うん…

カナヲ

うん、すっごい美味しい

竈門炭治郎

……ニコニコ

みんな美味しそうに食べてる

すみか

あー!獪君それすみかのー!

分かりづらい所に置いとくなよなー!

志乃

け、喧嘩はダメだよ……

託す子達も出来た

竈門炭治郎

…………

カナヲ

たんじろう?

眠い

禰豆子

お兄ちゃん?

地面に吸い込まれるみたいな眠気

我妻善逸

おい!炭治郎!

嘴平伊之助

炭治郎!

目を、開けていられない

アオイ

炭治郎さ……

「よく頑張ったね」

「それでこそ漢だ!」

「良くやった炭治郎。」

「………頑張ったな」

「良くやった!俺は君を誇りに思うぞ少年!」

「ありがとう竈門君。君に託して良かった」

「凄いわ炭治郎君!よくやったわね、おつかれさま!」

「竈門炭治郎、お前に感謝する。良くやった」

「ありがとなァ」

「やっぱすげぇよ、お前は。」

「炭治郎。お疲れ様。みんな待ってるよ」

「炭治郎。よく無惨を倒したね。ありがとう。」

「南無…今までよく頑張った」

俺は…やり遂げられたんだろうか

兄ちゃーん!

炭治郎、おかえり

お話聞かせて!

…ただいま!

禰豆子

お兄ちゃん……

カナヲ

たんじろ……炭治郎……!

我妻善逸

やだよぉ……

嘴平伊之助

……

すみか

お父さん……なに?なん……

…………死んじゃったの?

志乃

…………

禰豆子

…………

禰豆子

お兄ちゃん、お疲れ様。ありがとう

Fin

すみか>炭治郎の炭(すみ)、カナヲのカ 獪>獪岳の獪。禰豆子が名付けました 志乃>しのぶから抜粋

この作品はいかがでしたか?

4

コメント

24

ユーザー

うぇへへへへへへへ

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚