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彼女。

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彼女。

1 - 彼女。

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2019年06月09日

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なぁ。

人はなぜ、恐怖心があると思う?

彼女は、真剣な顔をしていた。

そして、彼女はベランダに出た。

それはな、

その先が未知だからだ。

お前は堪えきれるか?

どうなるかわからないことを、1人で出来るか?

怖くないか?

彼女は両手を抱える。 とても悲しそうに。

私はな、とても怖いぞ。

何をするにも、
人間は1人だ。

他人などあてにならない。

けど、それでも期待してしまうのは

私がバカのせいか?

お前にわかるか?

自分は無力なのに、他人といたい。

けど、誰からも必要とされない。この悲しさが。

人々の背負っている重さは、同じ類いのものでも、その負担は違う。

ある先生がいっていた。

お前にも、他人と同じ脳があるんだから出来る。と。

仮にそうだとしよう。

けど、その先生に、私の何がわかる?

授業を受けてるだけの、無能のこの私に。

彼女は、外を見上げる。

そこには、白いものが空から降ってきた。

なぁ。

雪はなぜ白いと思う?

雪が白い理由。

わからない。

それはな、

私は危険じゃない。

そう自重してるからさ。

けど、触ってしまうと、一瞬で溶けてしまう。

見るだけなら、それは絶景なのに。

禁句なんだろうな。

触るのは。

綺麗なものを長く触るのを許してくれやしない。

悲しくないか?

綺麗なものと触れ合う事が出来ない。

私はな、それなんだよ。

触れると、皆は冷たく、逃げてしまう。

そして、触れられると、怖くて逃げてしまう。

どうだ?似てないか?

彼女は、外に手を出す。

ほら、な…。

溶けるだろう?

お前も触ってみろ。

冷たくていいぞ。

僕は、彼女の隣にいき、 外に手を出す。

ひんやりだ。

雪って、クーデレではないか?

見るだけでは綺麗だが、触ると冷たく、一瞬で消えてしまうのだから。

……人間も、そうなんだろうな。

友情は一瞬で切れる。
悪い所は目についてしまう。

だが、一瞬で切れる友情など、私はいらんよ。

自分が哀れになるだけだ。

お前はどう思ってるか…。

……………。

話しすぎたな。

私もお喋りになったようだ。

年寄りの話だと思ってくれ。

……私は、必死にあがいてみようと思う。

自らを正すために。

……………その時は、

やっと自分が好きになれるんじゃないか?

自分が嫌いなほど、つまらない人生はない。

まず一歩目は、それなんじゃないか?

自分を好きになれない人間が、他人を愛せるか?

無理だろうな。

いつか自分に絶望する。

出来ないことをしないことだな。

今日はアニメでも見て寝たらどうだ?

アニメは支えになるぞ。失った大切なことを教えてくれる。

じゃ、またな。

また会えるといいのだが。

そう言い残し、 彼女はベランダを飛び降りた。

けど、下には誰もいなかった。

彼女は何者だったのだろうか。

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