要
なぁ。
要
人はなぜ、恐怖心があると思う?
彼女は、真剣な顔をしていた。
そして、彼女はベランダに出た。
要
それはな、
要
その先が未知だからだ。
要
お前は堪えきれるか?
要
どうなるかわからないことを、1人で出来るか?
要
怖くないか?
彼女は両手を抱える。 とても悲しそうに。
要
私はな、とても怖いぞ。
要
何をするにも、
人間は1人だ。
人間は1人だ。
要
他人などあてにならない。
要
けど、それでも期待してしまうのは
要
私がバカのせいか?
要
お前にわかるか?
要
自分は無力なのに、他人といたい。
要
けど、誰からも必要とされない。この悲しさが。
要
人々の背負っている重さは、同じ類いのものでも、その負担は違う。
要
ある先生がいっていた。
要
お前にも、他人と同じ脳があるんだから出来る。と。
要
仮にそうだとしよう。
要
けど、その先生に、私の何がわかる?
要
授業を受けてるだけの、無能のこの私に。
彼女は、外を見上げる。
そこには、白いものが空から降ってきた。
要
なぁ。
要
雪はなぜ白いと思う?
雪が白い理由。
わからない。
要
それはな、
要
私は危険じゃない。
要
そう自重してるからさ。
要
けど、触ってしまうと、一瞬で溶けてしまう。
要
見るだけなら、それは絶景なのに。
要
禁句なんだろうな。
要
触るのは。
要
綺麗なものを長く触るのを許してくれやしない。
要
悲しくないか?
要
綺麗なものと触れ合う事が出来ない。
要
私はな、それなんだよ。
要
触れると、皆は冷たく、逃げてしまう。
要
そして、触れられると、怖くて逃げてしまう。
要
どうだ?似てないか?
彼女は、外に手を出す。
要
ほら、な…。
要
溶けるだろう?
要
お前も触ってみろ。
要
冷たくていいぞ。
僕は、彼女の隣にいき、 外に手を出す。
ひんやりだ。
要
雪って、クーデレではないか?
要
見るだけでは綺麗だが、触ると冷たく、一瞬で消えてしまうのだから。
要
……人間も、そうなんだろうな。
要
友情は一瞬で切れる。
悪い所は目についてしまう。
悪い所は目についてしまう。
要
だが、一瞬で切れる友情など、私はいらんよ。
要
自分が哀れになるだけだ。
要
お前はどう思ってるか…。
要
……………。
要
話しすぎたな。
要
私もお喋りになったようだ。
要
年寄りの話だと思ってくれ。
要
……私は、必死にあがいてみようと思う。
要
自らを正すために。
要
……………その時は、
要
やっと自分が好きになれるんじゃないか?
要
自分が嫌いなほど、つまらない人生はない。
要
まず一歩目は、それなんじゃないか?
要
自分を好きになれない人間が、他人を愛せるか?
要
無理だろうな。
要
いつか自分に絶望する。
要
出来ないことをしないことだな。
要
今日はアニメでも見て寝たらどうだ?
要
アニメは支えになるぞ。失った大切なことを教えてくれる。
要
じゃ、またな。
要
また会えるといいのだが。
そう言い残し、 彼女はベランダを飛び降りた。
けど、下には誰もいなかった。
彼女は何者だったのだろうか。