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大嫌いなお母さん

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大嫌いなお母さん

1 - 大嫌いなお母さん

♥

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2018年08月26日

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バシっ

明美

痛い!

明美

やめてよ!やめてよお母さん!

お母さん

あ?お前が1時間遅く帰ってきたからだろ?

明美

ちがう!習い事が長引いたの!

バシっ

明美

っ…!

お母さん

うっせーな。あ?今度から1時間遅く帰ってきたら追い出すからな。

明美

はい…ごめんなさい…

お母さんは私を一人で育てている。

私が産まれる前、お父さんを事故で失ったらしい。

兄弟は誰もいない。

家族はお母さんだけだ。

アルコール依存性で、私を虐待している。

明美

お父さんに…会いたいよ…

明美

お父さん助けて…

お母さんと暮らしている日はいつも地獄でしかなかった。

次の日

麻里奈

明美ー!おはよ!

明美

麻里奈…おはよう…

麻里奈

…またなんかやられたの。

明美

…うん。

麻里奈

酷いお母さんだね。

明美

…うん。

麻里奈

でも私がいるから大丈夫だよ!

麻里奈

私がついてるから!

明美

麻里奈ありがとう…。

麻里奈

あ!そうだ!今日明美の誕生日だよね!

明美

…え?そうだっけ?

麻里奈

そうだよ!…まさか、覚えてないの…?

明美

うん…お母さんなんにも言ってくれないし…

麻里奈

そっか…

麻里奈

明美の誕生日として、今日どっか行かない?

明美

あ…ごめん。

明美

本当にごめん!お母さんにいわれてて…

麻里奈

…うん。知ってた。

麻里奈

じゃあね!

明美

あ…

お母さんのせいだ

友達と一緒に放課後映画行ったりカラオケ行ったりしたいのに

お母さんのせいだ。

お母さんのせいでなんの経験もできないんだ。

明美

……お母さんなんて…

明美

………

明美

ただいま…

お母さん

……

お母さん

なに。

明美

いや…ごめんなさい。

やっぱり気づいてない。

娘の誕生日くらい覚えといてよ。

お母さん

あー…お酒ないとイライラする…

お母さん

おい明美。

明美

はい。

お母さん

酒買ってこい。

明美

ええ!?

明美

むりだよ!未成年だもん!

バシっ

お母さん

買ってこいよ。酒。

お母さん

お前もう中学だろ?

明美

…痛い

お母さん

は?

明美

なんでもないです。

麻里奈

明美!お父さんがお酒かってくれたよ!!

明美

麻里奈…ありがとう!

麻里奈

また傷つくってんね。

麻里奈

殴られたの?

明美

うん…

明美

あ、もう行かないと…じゃあね。

麻里奈

あ、うん…

明美

ただいま…

お母さん

おっせーよ。酒よこせ。

明美

…どうぞ。

お母さん

はあ…あんた親への愛情ないわけ?

お母さん

ここまで育ててやってんのに。

明美

……

ああそうだ。親への愛情なんてあるわけない。

次の日

麻里奈

明美おはよ!

明美

おはよ〜

麻里奈

ねえねえ聞いた?今日の1時間目の図工の話!

明美

え?聞いてないけど

麻里奈

家族に感謝の気持ちを伝えるために、プレゼント作るんだって

明美

…え

明美

感謝の気持ち?

麻里奈

そう。

明美

感謝の気持ちか…

1時間目

明美

感謝の気持ちか…

明美

お母さんの喜びそうなのお酒くらいしかないな…

明美

でも…

明美

あああああきまんない!

明美

お母さんに感謝の気持ちなんて…

明美

……

放課後

明美

ただいま…!

お母さん

……

明美

あのね…!今日の図工でお母さんにプレゼント作ったの…!

明美

よかったら…

お母さん

は?なにこれ。全然必要ない

ビリっ

明美

……!

お母さん

私が必要としてんのは酒だけだ

明美

…あは

お母さん

明美?

明美

あははははははははは!!!

なんでだろう

涙は出ているのに…笑っている。

自分でもよくわからない

明美

ははははは…もう十分だよ!!!もうなにもないよ!

お母さん

明美…

明美

頑張ったのに…!!!

明美

頑張ったのに…!!!

私は家を飛び出し、麻里奈の家へ向かった。

そこから麻里奈の家に居候させてもらうことにした。

麻里奈とすごす日はとても楽しかった。

それから数年後。

明美

お母さんどうしてるかな…

プルルルル

明美

あ、陽子さんだ。

陽子

もしもし明美ちゃん?

陽子

陽子だよ。

明美

はい。お母さんの友達の…

陽子

そうだよ。

陽子

実はついさっき

明美

はい

陽子

お母さんがお亡くなりになられたわ。

明美

……え

私はなにがおきたのかよくわからなかった。

お母さんが死んだ?

あんなに自己中心的なお母さんが

しんだ…?

病院

明美

お母さん…?

陽子

あ…明美ちゃん…

お母さんは眠っていた。

いや正しくは、もう亡くなっている。

明美

お母さん?

何にも思わなかった。

悲しい?嬉しい?そんな感情どこにもなかった。

陽子

明美ちゃん…あのね

陽子

お母さんは暴力的だったでしょう

陽子

とても酷かったでしょう。

明美

……

陽子

でもね。この写真を見て

陽子

明美

…え

陽子

これ、明美ちゃんが中学生のころお母さんにあげた手紙でしょう

陽子

セロハンテープなんてベタなな直し方だけど

陽子

これ、お母さんすごい自慢してた。

明美

お母さんが…!?

陽子

「これ娘がくれたのよ」って

陽子

「私の宝物」って。

その言葉を聞いた瞬間、大粒の涙が溢れた。

あの時我慢していれば

あのとき家出しなければ

お母さんを助けられたのかもしれないのに。

なのに…私は…

お母さん

これ娘がくれたのよ!

お母さん

私の宝物

頭の中でお母さんのセリフがよぎる。

お母さんが作るご飯の味を思い出す。

お母さんが作ってくれた洋服を思い出す。

小学生のころいじめられていた私を助けてくれたのも

お母さんだった。

お母さんが学校にきて先生に訴えた。

なのでいじめはなくなった。

これら全てが…お母さんの愛情だったんだ…

明美

最後くらい笑ってほしかったよ…

明美

最後くらい…

私はお母さんを抱きしめた。

冷たくて動かないお母さんを

明美

ありがとう…お母さんありがとう…!

一瞬だけお母さんに暖かい体温が流れた

数年後

雄大

お母さんお母さん!はい!お手紙だよ!

明美

あら〜ありがとう!お母さんのお宝にするね!

雄大

えへへ〜

雄大

あ!そうだ!僕のおばあちゃんってどんな人だったの?

明美

雄大のおばあちゃんは

明美

とても愛情があって、いい人だったよ!

これは私の友達の話を再現したものです。

感動したら♡お願いします!

♡たくさんありがとうございます!

麻里奈

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