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ある日
収録現場。
スタッフさん
スタッフが声をかける。
橙
橙が応える前に、 桃が1歩、前に出た。
桃
声は丁寧で、柔らかい。
桃
場の空気が、一瞬止まる。
橙は、少し驚いて桃を見る。
橙
桃
桃は、橙を見ずに言う。
桃
それは守っているようで、 外に向けた独占だった。
橙は、胸の奥がざわついた。
最近の桃は、変だった。
笑う回数は減っている。 橙を優先する頻度が増えている。 でも、自分のことは一切言わない。
橙
夜、一緒に帰っている時。
橙
冗談めかしたつもりだった。
桃
橙
橙は、まっすぐ見る。
橙
橙
桃は、一瞬だけ目を伏せた。
桃
即答。
でも、その声は少し掠れていた。
その夜。
桃は、一人で天井を見ていた。
…いやだ
全部、いやだ
でも、その感情を外に出す方法を もう忘れてしまっていた。
言ったら、壊れる
言わなきゃ、自分が壊れる
どちらも地獄だった。
気づけば、涙が一滴落ちていた。
理由は、 分からない。
翌日。
橙
橙が、珍しく強い声で呼ぶ。
橙
逃げ場を与えない距離。
桃
橙
橙は、はっきり言う。
橙
その一言で 桃の中で張り詰めていたものが、 音を立てて崩れた。
桃
否定は、弱かった。
橙
橙は、そっと近づく。
橙
橙
桃の唇が震える。
桃
絞り出すような声。
桃
桃
視線を逸らす
桃
桃
桃
桃
橙は、静かに抱きしめた。
橙
耳元で、はっきり言う。
橙
橙
橙は、少し笑う。
橙
橙
少し照れた声で。
橙
桃は、息を吸ってから答える。
桃
橙
桃
桃
橙は、満足そうに頷いた。
橙
二人の距離は 独占を隠す関係から、 独占を共有する関係に変わった。