この作品はいかがでしたか?
14,100
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この書物を読むにあたって いくつか "注意事項" がございます
〜1つ目〜 こちら、少々後味の悪い話となります 覚悟を決めてからタップをするように
〜2つ目〜 読み切るまで鏡は見ないこと
〜3つ目〜 作中の主人公は男目線ですが 是非、自分に置き換えてお読みください
〜4つ目〜 一度読み始めたら 必ず最後まで読み切ること
以上でございます
さぁ、準備は宜しいでしょうか?
おや? 何処へ行かれるのです?
物語はもう
始まっていますよ?
僕は今まで 人を愛したことが無かった
それなりに恋愛はしたけれど どれも長続きはしなかった
漫画の様な恋愛も ドラマの様な恋愛も
どれも面白くは無い ただのごっこ遊びにすぎなかった
そんな熱の籠らない人生を歩んでいた僕に 突然、光が射し込んだ
目の前に現れたのは紛れもなく 天使
純白のワンピースに身を包み 恥じらう頬はピンク色
短い髪も その肉体の健康さを際立たせていて とても良い
これが一目惚れと言うやつか
その日から僕は 君にズブズブと溺れていった
平日の昼間は気が滅入る
君に会えない 酷く退屈な時間が過ぎるだけ
決められたデスクに座り カタカタと無機質なキーを打ち込む
唯一気分が上がる時と言えば お昼の休憩時間だ
君が作ったお弁当を食べる
この時間だけが 君を感じられる大切な時間
今日はシンプルだって言っていたな...
白米、玉子焼き、マカロニサラダ ミートボール、プチトマト
うん、僕の好きな物ばかりだ
君が僕の為に作ったお弁当 もちろん沢山の愛が詰まっている
おかずを1つ、米粒を1つ 奥歯で噛み締める度に君の味がする様で
僕の心は満たされていく
あぁ、僕は君に生かされている そして君は
僕の中で生きている
定時退社じゃない時はすこぶる腹が立つ
僕は早く帰らなくてはならないとゆうのに
早く帰らなくちゃ... 早く、早く、君が待ってるあの部屋に
募る苛立ちを必死に抑えて 僕はなんとか職務をこなす
今日もつまらない日だった 君が居ない時間はつまらなくて仕方ない
僕は仕事を終え、真っ直ぐに家に帰った
「ただいま」と声を掛けても返事は無い
それもそのはず この部屋には僕と君しか居ないのだから
やっと、やっと会えたね 会いたかった...会いたかったよ
僕は急いで着替える こんな会社に縛られたスーツなど 嫌悪感を逆撫でするだけ
着替えを終えて真っ先に向かったのは 机の上のノートパソコン
カチカチと簡単な操作を行えば パッと画面は切り替わる
映し出されたのはある部屋に設置した カメラの映像
様々な角度から見えるようにしてある為 カメラの台数は計12台
至福だ
この時間の為に生きている
少し怯えた様な でも、僕に見られて喜んでいる様な
その表情が堪らない
今日は黄色のワンピース
細い君の体のラインがよく分かる
帰宅してカメラをチェックした時 君はいつも僕と同じ パソコンに向かっている
そんな偶然も、重なれば日課だ
きっと僕がカメラをチェックする タイミングを分かっているんだ
名残惜しいけど 僕も生きる為の行動をしなくてはならない
食事を摂り、入浴を済ませ いつでも就寝出来る状態をつくる
僕は再び椅子に座り ノートパソコンへと向かった
カメラの映像を巻き戻して 席を立っていた時の映像を再生する
どうやら君も食事等をしていた様だ
僕の弁当を作ってくれる君の 料理の腕は確かなものだ
毎日朝昼晩と自炊している君
今日の夕飯は和食だったのか... 先程済ませたはずなのに 腹の虫がキュルルと鳴いた
魚を解す箸さばきも 控えめに開く口も 咀嚼する所でさえ 君は美しくて可愛らしい
風呂を終えた君は 再び台所にその姿を現した
分かっている もちろん分かっているよ
僕の為に 明日のお弁当を作ってくれるんだね
鼻歌なんか歌っちゃって... 可愛いなぁ
君は空のお弁当箱を洗い そしてそのまま台所から離れてしまった
あ、あれ? いや...そんなはずは...
何故だ? 何故、君は僕のお弁当を作らない?
何で? 何で台所から離れたの?
何してるの? 何があったの?
何で? どうして? 理解できない
君は僕の為にある 僕は君の為にある
だから僕らだけで 今までやってきたんじゃないか
それなのに、何故君は 僕を裏切る様な真似をするの?
僕がいけないの? 僕のせいなの? 僕のどこが悪かったの?
ねぇ、教えてよ
画面に映る君は 僕の知っている君なのだろうか?
僕はギリギリと奥歯を噛み締め 画面の君を睨み付ける
不意に君が振り返った
あ...
ニコッと無邪気に笑う君は カメラに映るようにしてカレンダーを 指さした
そっか、そうだったんだ... 明日は土曜日なんだ
僕の仕事が無い日だ お弁当を必要としない日だ
だから君は台所から離れたんだ
僕がこうやって悲しむ事を 分かっていたから 君はわざわざ教えてくれたんだね
やっぱり
やっぱり僕には君しかいない 僕の全ては君にある
君でないとダメなんだ 君だからこんなにも愛しているんだ
僕の中は君でいっぱい 君の中も僕でいっぱい
今すぐ抱き締めてしまいたい 今すぐ喰らいつくしてしまいたい
僕らの間には誰も入れない
決して離れる事は無い
好きだ、大好き、好きだよ、好き 愛している、大好き、愛してる 大好き、大好き 好き、好き、好き、好き
僕はパタンとノートパソコンを閉じた
椅子から立ち上がり ゆっくりとした足取りで洗面台へと向かう
その前に立ち
そして
顔を上げた
あぁ...
凄く可愛いよ
ずっとずっと 好きだよ
愛しい君
(僕)
〜CLOSE〜
コメント
15件
あー、何となくわかりました。にしてもめちゃゾワッと来ました((((;゚Д゚)))))
すみません💦 読解力が足りなくて、分かりませんでした😭 カニバですか?
わぁ!! ゾワッとしました!! すごいです!