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翌日
昨日の夜に 妖から治療を頼まれ
眠る時間が 少くなったからか
起きた時には 白來はまだ寝ていた
隣で眠る 白來の白い髪を撫でる
柔らかくて温かい
目を閉じて その感触に浸ってから
自身の羽織を白來に掛けた
雪
雪
呟いて
それから白來の白い頬に
掠めるだけの接吻を落とす
白來
雪の髪が頬に触れたか
くすぐったそうに 白來の耳が小さく動いた
寝間着である 簡易的な着流しから着替え
障子を開いたところで 1つの気配を感じる
雪
雪
前は気配だけで その正体が傷付いているかまで
ハッキリとわかったのだが
髪が短くなった今 そこまでは察知出来なかった
雪
雪
???
雪
雪
雪
雪
雪
???
雪
???
雪
???
雪
???
雪
???
???
途端、強まった気配と 向けられる敵意と妖力
雪
雪
雪
???
???
雪
???
途端ぐらり、と 視界が傾いた
雪
よろめいた雪の横をすり抜け 謎のモノが奥へ向かう
捕らえようとしたが
上手く動けず 壁に手を着いた
雪
一拍遅れて揺らぐ視界と
家で見る筈の無い 果てなく続く鳥居の景色に
掛けられたのが 幻影を見せる妖術であると理解する
雪
雪
なかなか解けないその妖術に 焦りを覚え
取り出した小刀で 浅く己の腕を傷付ける
雪
走る痛みに ギュッと目を閉じ
再び目を開けると
そこはもう 元の景色に戻っていた
雪
あの得体の知れないモノが 雪に尋ねたのは
他でもない白來の居場所だった
恐らくは ここに居るとわかった上で
雪にその問を投げたのだろう
嫌な予感に 元いた部屋へ踵を返した
???
振り向いたのは
???
眠る白來を横抱きにして 去ろうとするモノ
雪
???
???
雪
???
???
???
???
???
雪
???
???
???
雪
ハッと我に返り 去ろうとするモノに手を伸ばすが
僅かにその袂に届かない
白來を横抱きにしたモノは
あっという間に 視界から消えていった
雪
取り残されたのは
先程白來に掛けた 自分の羽織だけ
それを見て唇を噛んだ
目を開けるとそこには 見慣れない風景が拡がっていた
白來
どこか懐かしいそこは
どうやらかつて 住んでいた森だと認識する
白來
昨日は確か 夜遅くまで雪の手伝いをして
一緒に寝た筈だ
寝る前に撫でられた その手の感覚は
今も残っているくらいに
白來
???
白來
現れたその姿に 白來の瞳が円くなる
???
白來
白來
黒夜
黒夜
白來
黒夜
白來
白來
黒夜
白來
白來
黒夜
白來
黒夜
黒夜
黒夜
白來
黒夜
黒夜
白來
雪を想ったか その頬に紅がさした
黒夜
第14話【敵意と妖力】
続く