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バラム

あの、先輩

琥珀(コハク)

おや、バラム君

後ろから声をかけてきたバラム君

椅子を回し彼の方を向けば 長髪に怖い雰囲気を纏って見下ろしている

琥珀(コハク)

お久しぶりですね。

バラム

お久しぶりです。

バラム

少々お時間頂いてもよろしいですか…?

そんなバラム君は マスク部分をかきながら 不安そうに聞いた

琥珀(コハク)

ええ、私も貴方と話したい事があったんです。

驚きつつも二つ返事で了承し 彼の後ろを着いて行った

魔歴準備室

バラム

………魔茶でいいですか?

琥珀(コハク)

わざわざいいですよ、ありがとうございます。

バラム

分かりました。

バラム

………

琥珀(コハク)

( どう…切り出そうかな… )

お元気でしたか? 暫く会えなくてごめんね?

いくら考えても違う気がして 言葉が喉を通ってくれない

呼び出したのは彼からだけど 私は彼に説明せず今日まで引きずった

話せるタイミングなら いくらでもあったと言うのに

琥珀(コハク)

……

琥珀(コハク)

あの、

バラム

先輩!

お互いの声が揃う

驚いて目を丸くしたと思えば すみません…と彼は後頭部をかいた

それがおかしくて 線を消したようにふはっと笑う

あんなに悩んでいたのが嘘のようだ

琥珀(コハク)

いえ、こちらこそ。

琥珀(コハク)

私の方から話してもいいですか?

バラム

! はい。

琥珀(コハク)

まずは心配をかけてしまいすみませんでした。

琥珀(コハク)

カルエゴ君から聞いてると思いますが、家系能力空間で過ごしていました。

琥珀(コハク)

貴方達の前から突然、その上長い間姿を眩ませてしまい申し訳ありません。

そう言って頭を下げる

バラム

顔を上げてください。

数秒に及ぶそれは、 彼の静かな声により終わりを告げた

バラム

僕もカルエゴ君も先輩を怒ってる訳じゃないんです。

バラム

先輩の言ってた通り、心配してただけなんです。

バラム

カルエゴ君も、勿論僕も。

バラム

けれど教えて欲しいです。

バラム

どうして貴方は''1年''ではなく、''18年''もの間行方を眩ませたのか。

琥珀(コハク)

……

ピリッとした空気が私達を襲い 時間を刻む音が響く

その間も私を真っ直ぐ射抜く彼の目は 細められて逸らす事はない

琥珀(コハク)

( 彼の雰囲気や噂よりこの目が嫌いだ。 )

琥珀(コハク)

( この目からは絶対逃げられないと分かるから。 )

琥珀(コハク)

( いっその事カルエゴ君のようにキレたりしてくれたら扱いやすいのに… )

琥珀(コハク)

……

琥珀(コハク)

申し訳ありませんが、お伝え出来ません。

バラム

!?

嫌いだからと言って これだけは話せなかった

今の魔界を生きる彼らには 不必要で私自身知られたくないから

琥珀(コハク)

時間を作って私を探していた事も知っています。

琥珀(コハク)

多大な迷惑と心配、そして苦労を重ねた事を知りながら、

琥珀(コハク)

それでも尚、これを伝える事は出来ません。

力強くそう言い切る

私の変わらぬ意志と覚悟が伝わるように

驚きと困惑の顔をしていたバラム君は 一つ瞬きを落とすと

ニコッと柔らかく笑う

バラム

分かりました。

バラム

そういう事ならもう僕達は聞かないようにします。

言い方に違和感を覚え首を傾げれば バラム君は右上に目を逸らした

琥珀(コハク)

………カルエゴ君もグルだったんですか?

バラム

えぇっと…そうですね…

琥珀(コハク)

はあああ…バラム君を使わず自分で聞きに来ればいいものを…

バラム

でも、先輩。

バラム

カルエゴ君が聞きに来てたらはぐらかしてますよね。

琥珀(コハク)

うっ…

図星を突かれ言葉に詰まる

バラム

ふふっ、先輩ってこうゆう時嘘付けないですよね

琥珀(コハク)

バラム

相手が僕だからってのもあるでしょうけど、

バラム

先輩は思った事を口にするので信用してます。

琥珀(コハク)

……

バラム

も、もちろん!尊敬もしてるんですよ!!

バラム

先輩は昔よく僕に

琥珀(コハク)

バラム君。

side : バラム

凛とした声が僕の名を乗せる

声の主である先輩を見れば 申し訳無さだけが汲み取れる表情で

弱くSDの顔をしていた

琥珀(コハク)

私は君が思っている程真っ直ぐな悪魔じゃない。

琥珀(コハク)

己の為なら大きな嘘を躊躇なく付くし、相手も選ばない。

琥珀(コハク)

今まではたまたま嘘を付く理由がなかっただけで

琥珀(コハク)

君やカルエゴ君相手でも自身の為に大きな嘘を付くよ。

彼女の言葉に嘘はなかった

家系能力を使わなくても分かる本心だ

たった1年見てきただけだけど やはり先輩は嘘が付けないと確信する

バラム

……

バラム

その時はその嘘を信じますよ、先輩。(((ニコッ

早々に終わらせた方がいい気がして でも気持ちは伝えたくてそう返した

先輩は驚いていたけれど 先程よりは表情を緩ませて言葉を紡ぐ

琥珀(コハク)

…………変な後輩。

バラム

ふふっそうですね

琥珀(コハク)

そう言えばバラム君も用があったんですよね?

バラム

あっ!そうでした!

バラム

イルマ君の力になる事があったら教えて欲しいなと思って…

琥珀(コハク)

イルマ様ですか?

琥珀(コハク)

急に何故…

バラム

え?イルマ君が人間だから…

琥珀(コハク)

は?

バラム

あれ、オペラ先輩から聞いて

琥珀(コハク)

バラム君、その話詳しく教えて下さいますよね?

バラム

は、はい…

その後話を聞いた先輩は ここに残るよう僕に指示を出し

準備室を出て行ったと思えば イルマ君を担いで戻ってきた

琥珀(コハク)

イルマ様何故人間だと話したんですか

琥珀(コハク)

そんなに食われたいんですか

イルマ

だ、だって…

琥珀(コハク)

だってもくそもねぇよ

イルマ

はい。

琥珀(コハク)

はあ…バラム君相手だったからよかったものの…

琥珀(コハク)

貴方は危機感が足りなさすぎる。もっと自分の事を(((ガミガミ

イルマ

すみません…

バラム

先輩、イルマ君も分かってると思うのでその辺に…

琥珀(コハク)

問題はバラム君にもありますよ。

バラム

へ、…

琥珀(コハク)

オペラに連絡して何故私にも連絡をくれないのですか

バラム

え、だって同じSDだしオペラ先輩から聞けるかと…

琥珀(コハク)

三傑の事務監視に教師の仕事、その上家事や屋敷の警備…その他諸々。

琥珀(コハク)

おかげで毎日寝不足ですよ。

琥珀(コハク)

そんなのでオペラと話す時間なんてあるわけないでしょう。

バラム

あ、はいすみません。

サリバン様のSDはもう一人居たようで…?

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コメント

4

ユーザー

まじで最高です!!!! なんか私、もうこの作品を本作として見てる感じがします( *´꒳`*)

ユーザー
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