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ファルマ

おはようメル

メル

おはようですファルマ

ファルマ

今からご飯作るけど何か食べたいのある?

メル

ファルマの作るご飯ならなんでもいいよ

ファルマ

そうなるといつも決まったものになるけど?

メル

それでもいい

ファルマ

変わり者だね君も

ファルマ

それじゃあ少し待っててね

白いカーテンから透き通る陽の光

その光は部屋で待つメルの秀美な顔を優しく照らす

少し開いた窓から冬の肌寒い風が吹き込む

その風にカーテンは揺れ、机上に置かれた何かの資料は空を舞う

舞った資料をメルは1つずつ拾い丁寧に揃え再び机上の上に戻す

開いていた窓を閉めるその時不意に目に入った写真を眺める

ファルマとメルが並んで微笑んでいるそんな仲睦まじいツーショットだ

幸せな写真なのにそれを見たメルは何故か涙が頬を伝う

ファルマ

ファルマ

おまたせ…

ファルマ

て、君はまたその写真を見て……

メル

すいません

メル

何故かあの写真が気になり

メル

それを見る度に涙が出るんです

ファルマ

ファルマ

やっぱりいい思い出だからかな

ファルマ

それだけ君の記憶に焼き付いてるんだよ

メル

そうですね

メル

きっとそうなんでしょうね

メル

自分が思っている以上に大切なものなんですね

ファルマ

さぁとりあえずご飯食べよっか

メル

そうですね

食事を終えて食器を片付けファルマは作業机に向かいなにかの資料とにらめっこを始める

メルはただその姿を眺めるだけ

時折本棚に手をかけて様々な本を見てみる

主に見られるのは機械系統の本だ

他にも心理学に人の体についてなど

様々なジャンルの本が並べてある

何となくファルマの作る資料の一部を手に取り内容を見てみる

ファルマはいわゆるクローンを作る研究をしているようだ

その研究はほとんど完成しているがあと一つが足りないらしい

それが何か明確に記載はされていない

複数の資料を参考に予想するとその最後のピースは”感情”であると言える

クローンを完全なものにする

つまり人間と比較にならないものを作る

それがファルマにとってのゴールであった

しかし疑問がいくつか残る

何故クローンを作ろうと思ったのか?

その経緯だけは分からない

分からないことは他にもある

ファルマの作ろうとしているクローン

そのクローンにも元となる人物がいる

それが愛しき人メル本人であった

近場の人間をわざわざクローンにする理由はあるのだろうか?

本人はすぐそばに居るのに

そんな疑問が浮かび上がるがそれを解く鍵は何も無い

予想することすら出来ないのだ

クローンを作る理由とその第1号がメルということ

限られた情報の中で紐解こうとしている時突如ファルマが苦しみだし倒れる

今までの思考していたものを全て捨てメルはファルマの元に駆け寄り状態を確認する

何が原因か分からないが胸を抑えていたのは確かだった

女性であるメルは何とかファルマを起き上がらせベッドにと案内し寝かせる

自分に何ができるか分からないけどとにかく今は彼のそばにいること

それしかメルにはできなかった

倒れてからどれくらい時が経ったのだろう

突然胸に激痛が走りその痛みに耐えられずその場に倒れ込み気を失った

そこまでしか覚えてはいない

そして今目を覚ました僕の視界にはメルが顔を覗き込んでいた

その顔は嬉しいそうででも何か不安もあったのか悲しそうな

そんな混沌とした感情が彼女の顔に現れていた

僕が生きていることに彼女は喜んでいる

けれどメルには申し訳ないが…

もう僕の命は長くはない

この限られた時間を僕は大切にしたい

僕が死ぬ前に彼女の笑顔を見たい

僕はまだ君の笑顔を見れてない

正確に言えば”あの時”以降君が笑うことは無くなった

だから君の笑顔を見るために僕は色んなことをしてきた

でもそれらは全て無駄に終わり君は……

メル

ファルマ起きて!

ファルマ

ファルマ

メ………ル?

メル

ファルマ!

ファルマ

おはよう……メル

ファルマ

僕はどのくらい……寝てた……のかな

メル

とても長い時間寝てた

メル

私はもう時を読むことすら忘れてただあなたの身をあんじてた

ファルマ

そっか…

メル

ファルマ元気ある?

ファルマ

うーん…

ファルマ

もう少し寝てたいかも

メル

分かった

メル

病み上がりはあまり動かない方がいいもんね

メル

そこでゆっくり休んでて

ファルマ

そうしようかな…

メルは涙ぐみながら笑顔でそう答えた

その反応にファルマは驚きを隠せなかった

ファルマ

ファルマ

もし…

ファルマ

もし僕に何かあった時

ファルマ

その時はあの机の上を物色するといいよ

ファルマ

君の心の支えになるものがあるはずさ

メル

そんな事言わないで

ファルマ

まぁもしもの話だよ

ファルマ

それじゃあおやすみメル

メル

うん…

それからファルマが起きることはなかった

それを知ったメルはファルマの言う通り彼の机の上を見てみる

するとそこにはある紙が置いていった

その紙には地下に行くとお友達に会えると

それだけ書かれていた

紙に書いてあるとおりメルは地下に向かう

その地下で見たものは数々のクローン

それも種類も沢山いた

その中で1番大きな培養液の中に入ったものの前に行き稼働停止する

すると中の液体は抜かれていき残ったのは1人の男の人のみ

その男の人は少しして立ち上がりケースを開けてメルの前に立つ

不思議とその男の人からは懐かしさを感じ

よく顔を見てみるとそこに居たのはファルマだった

けどファルマではなかった

ファルマ

こんにちは

ファルマ

とてもお綺麗な方ですね

メル

……

ファルマ

どうしたのですか?

メル

うぅん

メル

あなたその姿で寒くないの?

ファルマ

寒いに決まってるよ

ファルマ

なにか上着でもくれると嬉しいかな

メル

これ着るといいよ

そういい渡したのはファルマがよく着ていた服

直ぐにその服に着替えメルに笑顔で一言

【ありがとう】と伝える

その言葉に懐かしさを感じ自然と笑みがこぼれる

少し涙ぐみながら声も震えるが何とか力を出して言葉を返す

【どういたしまして】

ファルマ

君の笑顔は不思議だ

ファルマ

何故だが僕の心を満たしてくれる

ファルマ

不思議た人だね君は

メル

私も同じことを思ったの

メル

あなたからは懐かしさと心を満たしてくれる何かがあるの

メル

どうしてなんでしょうかね?

ファルマ

それは分からないよ

ファルマ

けどこのまま2人で生活していけば分かるかもね

メル

そうだといいね

2人は少し見つめあった後1階にと戻っていく

メルは見つけられなかったがこの地下にはある資料が置いてあった

それは【メル クローン計画】だった

若くして不治の病に侵されてその命を枯らしたメルを

何とかしてこの世に存在させようとした

そんな計画だった

しかしこれは失敗に終わっている

容姿も声も性格も全て寄せられたのに

心だけは作れなかった

どんなに頑張っても心だけは作れなかった

諦めたファルマは心無いメルの傀儡

空っぽのメルと共にずっと過ごすことにしたのだった

彼女をもう一度この世界に呼びたかった理由はひとつ

あの輝かしい笑顔を見たい それだけだった

至極単純な理由でそれでいて悲しい願い

けれど最期にそれは叶った

メルに心が生まれたのだ

それを確認した後ファルマは亡くなった

そして形を変えまた2人は出会い望んだ彼女の笑顔を見ることになる

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