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不葉

外の……外?

銀木犀

ん〜

銀木犀

そんな感じ?

不葉

……行かない

銀木犀

不葉

…行ったら、怒られる

銀木犀

あ〜そのことね

銀木犀

メイドさんには許可取ったから大丈夫

不葉

えっ!?

銀木犀

ふふん

銀木犀

不葉の為ならそんなこと任せてよ!

銀木犀

たまには外に出た方がいいよ

銀木犀

植物は太陽の光の加護を得ないと

不葉

……分かった

不葉

行く……

不葉

…本当に、行ってもいいの?

銀木犀

……まぁ

銀木犀

未知の場所に行くのは怖いよね

銀木犀

…無理しなくてもいいよ

不葉

……ごめん

不葉

まだ…無理そう

銀木犀

行きたい時に行こう

銀木犀

それが一番だから

不葉

……分かった

不葉

また気が向いたら来て

銀木犀

うん

銀木犀

じゃ〜

銀木犀

また今度ね〜

不葉

……うん

不葉

(外の外…)

不葉

どんな世界なんだろ…

銀木犀

……まぁ

銀木犀

そりゃ無理だよな…

銀木犀

(…はぁ)

銀木犀

(……この世界、嫌いだ)

銀木犀

(あんな可愛い少年を…)

銀木犀

(誰が主犯だ……?)

 

神祖様…

 

不葉様は…!!

銀木犀

……相変わらず

 

……

 

そう…ですか

銀木犀

……今まで聞かなかったけど

銀木犀

君は何の花なの?

 

……月華と、申します

月華

その名の通り、月下美人という花を司っています

銀木犀

へぇ…

銀木犀

いい花だね

銀木犀

……というか

銀木犀

君はなんで私の意図に気がついたの?

銀木犀

わざわざ資料まで持ってきて

月華

…初めから

月華

神祖様は寿命を生贄に召喚された人だと思っていませんでした

月華

あの召喚と言うのは不葉様の身体を助けるためでしたから

月華

なのに召喚された

月華

それはつまり神祖様は自らこの世界に来られたということになります

月華

その方に賭けてみたくなりました

月華

なので初めから不葉様が見えるように少し位置をずらしていました

銀木犀

……なるほどね

月華

私は神祖様に信頼を寄せております

月華

なので必ず殺してくれると信じています

月華

この事件を引き起こした張本人を

銀木犀

なら…私も君に信頼がある証を上げよう

月華

……?

銀木犀

昔、この世界ではある花が消えたはずだ

銀木犀

あえて私は名前を言わないよ

月華

過去に失踪したある少年ですよね

月華

記憶にあります

銀木犀

お、よく知ってるね

銀木犀

あの後私の世界に来ていたんだよね

銀木犀

そして、私は彼のためにこの世界に来た

月華

……生きて、いるのですね

月華

良かった……

銀木犀

ここからが本題だ

銀木犀

今後絶対に行くあてがなくなることが確実に起こる

銀木犀

その時は彼を頼るといいよ

月華

……どういうことですか?

銀木犀

……まぁ

銀木犀

いずれ分かるよ

月華

まだ知らなくていいと?

銀木犀

そういう話になるね

銀木犀

これは、私なりの誠意だよ

月華

……しかと、受け止めました

 

メイド長様に呼ばれたけど…

 

一体何かしら…

月華

…遅かったですね

 

も、申し訳ありません

 

(めんどうくさい…)

 

(まぁ…仕事サボれるのはいいことだし)

 

(あのことさえバレなければどうでもいい)

月華

さて、今日あなただけを呼んだのは理由があります

月華

不葉様をご存知ですね?

 

……不葉"様"?

 

あの独房にいる忌み子のことでしょうか?

月華

黙りなさい

月華

召喚された神祖様は不葉様を保護して時期女王に推薦予定です

 

!?

 

な…何を言っているのでしょうか…?

 

だってあの忌み子は…!!

 

この世界で嫌われている「不滅」ですよ!?

 

それになぜ今更…!!

月華

神祖様は不葉様を短命から救いました

月華

故に「不滅」は本当に「不滅」となり

月華

この世界で最も高貴な存在へと変わりました

月華

言葉を慎みなさい

 

…っ

月華

さて、ここで問題となるのが不葉様をあの独房へと閉じ込めた人です

 

!?

月華

あそこに閉じ込めたことは元々重罪です

月華

何故ならば不葉様は先代女王様が残した最期の宝だったからです

月華

それすなわち

月華

先代女王様を侮辱したに等しい

 

……え、えぇ…

月華

あなたを呼んだ理由に戻るのですが

月華

あなたにはいつも買い物を頼んでいたはずですね

月華

外で不審に動くうちの城のものを見ませんでしたか?

 

……いえ

 

見てないですね

月華

……そうですか

月華

なら、帰って頂いて結構です

月華

時間を取らせてすいません

月華

仕事に戻ってください

 

……分かりました

 

…はぁ……?

 

不葉を…時期女王に……?

 

ありえない……

 

早く報告しなくては…

銀木犀

誰に?

 

!?

 

…神祖様?

銀木犀

誰に報告するの?

銀木犀

私にも教えてくれると嬉しいな〜

 

……いえ、お気になさらず

ダン、と鈍い音を発する

銀木犀

逃がすとでも?

銀木犀

刺されたい?

目の前に刀を見せて危機感を煽る

早く白状しろ、と意図を込めて

銀木犀

私、大切な人以外がどうにでもなろうと

銀木犀

どーでもいい吸血鬼なんだよね

にこっと笑ってみせる

怒る時は、笑顔が1番効果的

銀木犀

殺されないと思ったら大間違いだからね

 

……知らない

 

私は何も知らない!

 

だからここから解放しろ!

銀木犀

……はぁ

銀木犀

ざーんねん

銀木犀

そんなに自殺願望があったとは

首に刀を近づけて笑顔を消す

銀木犀

早く言ってくれれば良かったのに

刺した

自分の持つ「金木犀」と言う刀で

 

…こんなので死ぬわけないでしょ

銀木犀

さぁ?どうだか

正直この性能をハッキリと分かってない

だけど、何故か分かる

これも、「調停者」がくれた力だろう

この女の、生きる糧を吸い付くせと命令する

そうすると徐々に女が苦しみ出す

 

なっ…!?

 

なにこれ…!?

甘い香りが充満する

刺した所から

まるで鮮やかな赤を持った花が咲く

金木犀の花言葉を思い浮かべ

最期の別れとして送るのだ

銀木犀

「隠世」で、また

第5話・君にとって

枯れる前の夏、最期は優しい香りで

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