テラーノベル
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もう何度見た光景だろうか
もう何度続ければいいのだろうか
見慣れた黒くそびえ立つ生き物…SPに、歩を進める度に近くなる
最初、これを見て鳥肌が立ったのが不思議なくらいに____違う
こいつを見ると、違う感情が恐れを揉み消してしまうのだろう
こいつを…この生物を____。
許すものか…………。
こんなに安く、簡単に己の大切な人々を殺されたという怒り…憎しみは───
永遠に、消えることが無い。
タッタッタッ……
キキィーッ
赤ちゃん
土を止まる際に大量に巻き上げ、その中から自分の体より大きな斧を担いだミスター赤ちゃんが現れる
小さな北風が吹いて、赤ちゃんとSPを僅かに揺らす
赤ちゃん
赤ちゃん
SPは答えない
だが赤ちゃんは己のもつ斧に目を落として続ける
赤ちゃん
赤ちゃん
赤ちゃん
赤ちゃん
赤ちゃん
赤ちゃん
ブラック
赤ちゃん
ブラック
ブラック
ブラック
ブラック
ブラック
ブラック
ブラックは奥歯をギリッと噛み締めると、小刻みに震えながら、出せる限りの大声で叫ぶ
ブラック
はぁっ、叫んだ分息を吸い込んで。
ブラックの顔は、ほんの少しだけスッキリしていた
____今吐き出したのは皮肉や恨み、憎しみだと考えれば、辻褄は合う
……だが、どんなに響く事を言ったって。こいつは……言ったところで……
猫に小判だ
──────もう、仕方の無い事だ
赤ちゃん
ブラック
ブラック
ブラックがどこからともなく取り出したのは…………”ジャンプ台”
赤ちゃん
ブラック
肩に乗るためにピョコピョコ跳ねていた赤ちゃんの下に…素早く置かれたジャンプ台
目を丸くする暇もなく、赤ちゃんは思い切りそれを踏んで……
赤ちゃん
空高く飛び上がった。何メートルもあるSPの半分以上の高さへ……
ブラック
赤ちゃん
赤ちゃん
空中で身をよじり、体制を立て直すと、両手で斧を上へ構える
特大の斧を半円状に振り下ろした
赤ちゃん
ブオンッ!!
ガキィィン!!!
ブラック
聞き覚えのない鉄がぶつかり合う音に、ブラックは慌ててSPを見上げる
そこには、一部を鎌のような刃物に変化させたSPと、必死で斧を振り下ろす赤ちゃんがいた
ブラック
ブラック
ブラックは腰に付けたレーザーガンを取り出す
水色の光が輝き、光線となってSPの刃物の部分に飛んだ
狙いが少し甘かったからか、下の方に飛んでしまった
刹那
スッ
ガキン!!
ブラック
SPはもう一つ触手を生み出し、その先から盾を創り、ブラックの光線を防いだ
ブラック
ブラック
赤ちゃん
ブラック
刃物の攻防戦から退いた赤ちゃんが、上から降ってくる
真上から落ちてくる赤ちゃんを、嫌味を言いつつブラックはしっかり捕まえた
その後赤ちゃんがギャーギャー喚いて叫んだが、毒液を見せて黙らせていた
赤ちゃん
赤ちゃん
ブラック
ブラック
目と鼻の先に、SPの刃物の影が重なった
目の前が、真っ暗。 ギュッと、痛みを感じるくらい目を閉じた
ヒュンッ
──ガキィィィン!!
ブラック
銀さん
毎日聞いた彼の声。パッと目を開けると、目の前で銀髪が揺れた
そして、シールドと刃物の間から火花が弾けていた
赤ちゃん
銀さん
パチン。シールドが解除されると、弾みでものすごい空気が辺りに広がった
銀さんが舌打ち混じりに言った
銀さん
銀さん
ブラック
ブラックは顎に手を当てて腕組みをして考え込む
彼は急いで記憶を遡った
斧と、触手が変化した刃物がぶつかり…レーザーを放ったら二つ目の触手が変化した盾で弾かれ……
ブラック
何か、引っかかる。 レーザーを放ったら防がれた。自分はどこへ放っただろうか。
____”根元”だ
ブラック
ブラック
赤ちゃん
銀さん
ブラック
ブラック
銀さん
ブラック
ブラック
ブラック
ブラック
ブラック
赤ちゃん
赤ちゃんが顔をしかめる。だがブラックは表情一つ変えずに続ける
ブラック
ブラック
ブラックはイー、と「悪巧みしていますよ」的な感じで笑った
そして二人を両手で指差した。差された二人は自然と背筋が伸びる
ブラック
ブラック
ブラック
ブラック
銀さん
銀さん
赤ちゃん
ブラック
ブラックが一気に表情を暗くして、「恐れ」をまるっきり吐き出すような声で言った
ブラック
ブラック
銀さん
赤ちゃん
赤ちゃん
ポツンと、返した二人の声もからっきしだった
銀さんはふと不安になって、バレないようにブラックの顔を覗き込むと、ブラックは信じられないくらい辛い顔をしていた
____まるで「トラウマ」が蘇っている様な
銀さんも一瞬ブラックと同じ現象になったが、ほっぺをぶっ叩いて目を覚ました
銀さんは冷や汗を手に滲ませながら彼に向かって叫ぶ
銀さん
遠くで聞こえる二人の声。
これは…聞き耳を立てたんでしたっけ?
でも、不思議な事に上手く聞こえない。途切れ途切れとなって耳に入る
…ラ……ク……! ミ…ーブ…ッ…!!
ブラック!!大丈夫か!?
ブラック
ブラックはそこで目が覚めた。目の前には、冷や汗を垂らしている二人が。
明らかに驚いていると言うか、ホッとしてる感じだった
あぁ…そうか…私は……。
今……縛られていたのですね………
ブラック
ブラック
ブラック
赤ちゃん
銀さん
銀さん
ブラック
銀さんはほのかに笑う
あぁ…良かった───ブラックが…ブラックに………
瞳に光が戻ったから───
コメント
2件
次の敵厄介すぎる…でも流石ブラックやね!自信持ち前の武器、「天才」を使って弱点を理解したわ… やっぱりみんな、少しはあのことに縛られてたな…当然なんだけどね、大切な仲間が目の前で何人もやられてさ… 今度はすまない先生とブルー出てくるかな?2人は今どんな状況なんだろう
おお……次は強敵だね……でもブラックの作戦なら、あの3人なら絶対大丈夫……そうだよね!信じてる……信じてるから……!絶対、絶対勝ってね! ブラック、銀さん、赤ちゃん……これ以上の犠牲を……許すなよ!!