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駅前の小さなパンケーキ屋は、夕方でもほのかに甘い香りで包まれていた。
カウンター席に並んで座ると、優斗はメニューを両手で持って、真剣な顔で眺めている。
優斗
小声でつぶやく様子が、どう見ても可愛い。
つい口元が緩んでしまう。
真央
優斗
真央
優斗
注文を終えると、窓の外はもう暗くなり始めていた。
ふと、優斗の横顔を見つめる。
街灯の光が瞳に反射して、やけにきれいだった。
パンケーキが届くと、優斗はフォークを手に、ぱくっと一口食べる。
優斗
そう言って、ふわっと笑う
その瞬間、胸の奥に溜めてきた想いが、堰を切ったようにあふれ出しそうになる。
真央
優斗
真央
真央
優斗
優斗は、フォークを皿に置いて、少しだけ俯いた。
耳が赤くなっているのが、隠しきれていない。
優斗
小さな声だけど、その言葉は確かに俺の胸に落ちた。
―これは、もう一歩、踏み込んでいいってことなのか。
店内の甘い匂いより、優斗の存在のほうがずっと甘く感じられた。