寒かった冬も終わり、春がやってきた
あともう何日かで新学年
クラス替えがあるから、少しドキドキしている今日この頃
私、浜口香織は 春休みのバドミントン部の練習のため体育館に足を運んでいた
ゆいな
私の親友永田ゆいなは、ふいに壁のボードを見上げた
ゆいなが言うように、今日は4月1日
香織
今日から高三?
なんて、今さらあらためて実感 したりして
ゆいな
思わずため息がでてしまう
世に言う受験生なのである
すっかり暗い気持ちになっていると…
ポンッ
香織
いきなり頭をポンッてされて、思わず変な声をあげてしまった
でも、分かってる いきなりこんなことをしてくるのは…
真二
いつも通りいい反応!
予想的中、バスケ部の練習を終えた真二が笑っていた
ゆいな
させないでよね!
香織
まったくもう
ゆいな
真二
真二
たんだよね
香織
ゆいな
真二は真面目な顔のまま、うなずいていたけれど…
真二
耐えきれなくなったように吹き出した
香織
ゆいな
真二
エイプリルフールだろ?
香織
香織
ゆいな
だからってウソつくって子どもか?
真二
香織
ゆいな
騙されないでよね!
真二
香織
ゆいな
ばっか言わないでよね
真二
なんだよ。失礼だな。
香織
のってほんとに楽しい)
香織
時間)
香織
ゆいなと同じクラスがいいな)
そんなことを思っていると…
秀樹
真二と同じ部活仲間の瀬川秀樹が やってきた
秀樹
ないで、何喋ってんの?
真二
香織
じゃなかったっけ
ゆいな
秀樹
秀樹
真二
アメリカに留学することに
なったんだ
一瞬その場がシンと静まり返ったけど
ゆいな
香織
私とゆいなは顔を見合わせて笑った
でも、真二は笑わずにうつむいている
秀樹
真二
転勤になって…だから俺も…
香織
秀樹
秀樹
なったら俺にも紹介してくれよな!
秀樹がしんみりとした空気を吹き飛ばそうと無理に明るく言った
私とゆいなは何も言葉を発することができない
すると…
真二
真二がおどけた声で言った
数秒間、沈黙が流れて…
秀樹
秀樹が目をまん丸くして真二を見る
真二
俺の演技力、どうよ?
ゆいな
香織
慌てて笑った)
香織
笑えない)
秀樹
半泣きになっていた秀樹は顔を真っ赤にして真二につかみかかった
ゆいな
香織
お腹を抱えて笑いだした)
香織
香織
香織
いる私は、心からホッとした)
その日の帰り道
秀樹
フールだし俺も真二みたいなウソ
つきてぇな
ゆいな
秀樹
ちゃった!
秀樹
かけて告白してさ
秀樹
ウソなんです〜」みたいなドッキリ
しない?
秀樹
ねぇ真ちゃん、面白そうじゃない?
香織
傷つくよ…?
香織
香織
ゆいな
だから、いつまでも片思いなんだよ
秀樹
秀樹
怒られるんだよ
秀樹
ちげーんだよ
真二
ウソ。
真二
全然違うんだよ
秀樹
秀樹
傷ついたんだからな!
秀樹
香織
真二
いい方法かもな
香織
香織
香織
香織
変な冗談を言ったりするけれど
誰かが本気で悲しむことはしない
真二なのに…)
香織
思ってるのに…)
ゆいな
真二
ゆいな
香織
と叩いた)
香織
に鞄をぶつける)
真二
香織
秀樹を叩きまくっている)
真二
秀樹
腹いせじゃ!
秀樹
電話しまくろうぜ、一緒に
ゆいな
ヤツらは置いていこ
香織
出す)
真二
秀樹
香織
追いついてきた)
ゆいな
香織
秀樹と左に曲がった)
香織
真二
香織
は同じ方向)
香織
帰るのが私のひそかな楽しみ
だった)
香織
しょうもない冗談が続いて、どう
してもいつものように笑えない)
香織
告白するなんて、そんなのイヤ)
真二
見た?チョーウケたよな
香織
ことが出来なかった)
真二
香織
誰も傷つけない」って言ってた
でしょ?
真二
香織
真二
香織
真二と離れ離れにになっちゃうの
かなって、ちょっと…ううん、凄く
ショックだった…
真二
もウソだろ?
香織
真二
て
真二
もいるぞ?
真二
真二
ウソがいいぞ
香織
香織
やっぱり真二には敵わないや
真二
香織
上手くなりたいなんて思わない
真二
真二
香織
顔を見ないで行ってしまった)
香織
香織
ちょうどバスが来てしまった)
香織
乗り込んだ)