私は必死に彼に手を伸ばす
とある五条袈裟を着ている儚き青年
笑顔、なのか
彼は笑顔なのか
良かった
夢を見たい少女
でも声は届かない
ただ彼が私ごときに手を差し伸べて、
目は白いボヤで見えないけど、
多分優しく微笑んでいる
私ごときにか?
…
こんな、餓鬼に?
私はその手を掴みたい
でも、…無理だ
あのとある三つ編みの少女に向けている笑顔と一緒だ
私は、そんな
純粋無垢なあの子じゃない
彼は離れていくばかり
第一後ろ向きで歩いてるとか
すげーなと思ったよ
夢を見たい少女
とある五条袈裟を着ている儚き青年
私の見た目は小さくて小学5年生で髪がとっても長い、私の膝下ぐらいかな
そしてよく見る実験台の子が着る半袖に膝まである白いワンピース
身長は151か2なのでちょっと高い
夢を見たい少女
私はあの子じゃない
そう告げたら彼はどんな顔をする、?
悲しむだろうか
怒るだろうか
驚くだろうか
殺しにかかってくるだろうか
不思議な顔をするだろうか
泣くだろうか
笑うだろうか
アイツラみたいに、?
幼稚園の時の、アイツラみたいにか?
失敗を笑って、人のせいにして、
すぐ先生に言いつけて、ほぼ毎日泣き喚いている私を、
笑う、?
自分はそれが全くもって怖い
その時なんて図工の工作の時、間違えてほんとにさきっちょだけ切ってしまった、
あぁ、…母は取り乱して怒るだろうか、なにしてるの!!と
私を、家の外へ出して餓死させようとしてる母を想像して怖くなった
見せても取り乱しもしない家の外へだしたりもしない餓死もさせない
そんなの分かりきってるのに
母が、怖い
今も、その考えが残って、
普通は褒められるような事を、怖いと
認識してしまってからは
ずっとお前は家の子じゃ無いと言われてしまうかもしれない
そんな恐怖に陥った
でも彼は
とある五条袈裟を着ている儚き青年
優しく微笑みかける
夢を見たい少女
夢を見たい少女
彼がどうして教祖にでもなったのかは
嫌でもわかる
真面目過ぎた
優しすぎた
ただ、それだけの事
私は彼が羨ましい
自己肯定感があるな、
いやあるのかは知らんけど
強くて優しくて真面目で
かっこいいと思った
私にもあればー…とか
そんなふざけた綺麗事、
そんな馬鹿げた空想
いいなと
とある五条袈裟を着ている儚き青年
とある五条袈裟を着ている儚き青年
君が速いんだろう…
夢を見たい少女
とある五条袈裟を着ている儚き青年
そこで夢は途切れる
夢を見たい少女
夢を見たい少女
夢を見たい少女
夢を見たい少女
夢を見たい少女
夢を見たい少女
夢を見たい少女
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