夢の中で起きた出来事はただの夢の中のこと。
だから__今の私には、関係ない。
過去を夢の中で繰り返すなんて、そんなことあるわけない。
答えが出た気がした。
私の胸の中でも引っ掛かっていたものが、スッとなくなるのを感じた。
けれど私はまだ気づいていなかった。
過去が変わっていっていることに。
___物語が、動き出していたことに。
4月10日
今日は各委員会をきめた。
保健室から帰ってくるとくじ引きが終わっていた。
俺がいない間にくじをするなんて田畑せんせーひどい……。
しかも残ってた二枚が、委員長と副委員長なんて橫暴だ!
先生の悪意を感じる!
こういうくじ運だけは人一倍いい俺は……まさかの学級委員長になってしまった……。
ちなみに女子の副委員長は竹中っていう子だ。
廊下で少し話をしたけど優しそうな子だった。
……ちょっと可愛かったしラッキー。
これなら一学期の間頑張れそうかな。
なるべく迷惑かれないように俺も頑張ろう。
机に置いた日記帳を見つめる。
最後に日記を読んだあの日から、一週間が経とうとしていた。
あの日…目が覚めて日記帳の中身が変わっていることに気付いた私は、これからこの日記帳を開けないでいた。
美空
日記の中身が、夢で見た内容に変わっている。
そして、それに合わせて現実の記憶も変わっていってた。
__私の記憶以外
美空
自分に自身に問いかけるけれど……本当は、とっくに気持ちなんて決まっていた。
日記帳が怖い、気持ち悪い__そんなことよりも、もう一度翔太に会える。
それしか考えられなかった。
これがあれば、もしかしたらあの頃より上手に翔太と過ごせるんじゃないだようか。
これがあれば、もしかしたら__別れない未来があるんじゃないか。
美空
何度同じことを考えたかわからない。
結論はいつだって同じところにたどり着く。
なのに……今日もまた日記帳を開くことができないまま、わたしは眠りについた。
コメント
12件
うわぁー続きが気になるわぁー