俺の名前は佐古大和。 事務所で何やら、異様な空気を放ちながら素振りをする上杉の姉貴を見守る舎弟だ。
上杉 玲
196, 197...
佐古大和
上杉の姉貴!?
佐古大和
どうしたんです?、そんなもの取り出して...
上杉 玲
198,199...
上杉 玲
200...
上杉 玲
ん。佐古か。
佐古大和
姉貴、それ、普段とは違う刀ですよね!?
佐古大和
なんか高級そう…
上杉 玲
ああ。これは、中世から伝わるものでね。
上杉 玲
イタリアにいた頃から、大切に持っていたものだよ。
佐古大和
まさか、それで戦う気じゃ…
上杉 玲
そのまさかだよ。
上杉 玲
忘れたのか? 私はこれでも、かつてイタリアの裏社会を震撼させたドン・ウエスギ。
佐古大和
しかし姉貴…
上杉 玲
ああ、わかっている。
上杉 玲
今のままでは、気持ちに迷いが出る恐れがあると、
上杉 玲
高砂の兄貴も言っていたからな。
上杉 玲
私は過去にすがる気はない。
上杉 玲
女の姿になった今、今度はただの一人の剣士として、
上杉 玲
1からやり直すつもりだよ。
佐古大和
そう、ですか…
上杉 玲
先日、瓜田が麻生と衝突したな。
上杉 玲
この戦争で、たくさんの負傷者を出した京極組に、
上杉 玲
これ以上 武闘派戦力が欠けてはいけないだろう?
佐古大和
はい。
上杉 玲
しかもとある半グレのトップが、戒炎の幹部に昇格したらしいな。
上杉 玲
また厄介が増える。
上杉 玲
しかしあの男、元羅威刃の誰かに似ているな…。
上杉 玲
赤色の混じった黒髪…
上杉 玲
まあ、他人のそら似かもしれんが。
佐古大和
たしかに、髪型はなんとなく似てますね!
上杉 玲
ともかく、これで我妻の思惑も分かった。
上杉 玲
ふふふ…
佐古大和
(姉貴!?)
上杉 玲
やっぱり、あの男は愛など微塵もわかっていやしない。
上杉 玲
かくまでに 組織を拡大したいのならば…
上杉 玲
私は奴の女が言っていたことが正しいと、証明せねばな。
"いつか刺されて、死んじゃう"
姉貴はいつもと違う声でそう言って、意味ありげな笑みを浮かべると、エメラルドグリーンの瞳を鋭く光らせながら洋刀をギラつかせた。
佐古大和
(久しぶりに見た、上杉の姉貴の狂気…)
佐古大和
(守若の兄貴に、匹敵するレベルだ…)
つづく






