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何やら張り切って料理してくれていて 待っているといい匂いで充満する

柚華

(ぐう~)

リンドウ

お腹鳴ったな

柚華

///

柚華

久しぶり…お腹が鳴った

柚華

ふふ、恥ずかしいな

"ドカドカドカドカ"

おばちゃん

お待たせ、その前に

おばさんは寝ている柚華の前に立つと そこに 大きい食卓を置く

柚華

…!

おばちゃん

少し待ってな~

リンドウ

わあ…これを全て!

柚華

すごい…

おばちゃん

実はな、リン家で料理人してたんだ

リンドウ

!!

リンドウ

本当ですか

リンドウ

凛僮(リンドウ)と言います

おばちゃん

リンドウ…

おばちゃん

わしは、あんたのお父さんの頃の料理人だ

おばちゃん

確か、あんたやんちゃ坊主で障子破ったろ

リンドウ

はい…

おばちゃん

お父さんが頭を悩ませておった。だが…

おばちゃん

今は愛する女、守っていい男になったな~

リンドウ

それほどのことは何も//

リンドウ

おばさん、何か見通してます?

おばちゃん

見てれば分かるわい

おばちゃん

リン家のお坊ちゃんが惚れた女か…

柚華

…?

おばちゃん

白くて今にも消えしまいそうに儚い…

おばちゃん

お嬢ちゃん、「月下美人」みたいだね

おばちゃん

さあ、食べようか

「月下美人」

「月下美人」は夜に咲き一晩輝き続け 朝になるとしぼんでしまう その儚い運命が彼女に似てるって

俺が初めて彼女を見たときに そう思った

リンドウ

いただきます

柚華

いただきます

レン(付き人)

…いただきます

"もぐもぐ"

リンドウ

何か懐かしい味がする…

柚華

!?

柚華

辛い!! 何これ

レン(付き人)

それは確か朝鮮半島の伝統食であろう。名前はキ、キ…

おばちゃん

キムチ

リンドウ

柚華、口直しに沢庵

箸で沢庵を掴むと、ごはんの 上にのせる

柚華

(もぐもぐ)

柚華

美味しい…!

柚華

ありがとう、ドウ

リンドウ

///

レン(付き人)

レン(付き人)

柚華殿、甘いキムチであるぞ

レンはたっぷり箸で掴み ごはんの上にのせる

柚華

レン(付き人)

( ^▽^)

リンドウ

コラッ!

リンドウ

キムチに甘いのはない

柚華

おばちゃん

お嬢ちゃん、大丈夫かい?こういうときはねー…

そう言いながら おばさんは卵と海苔をご飯にかける

おばちゃん

これがうまい!食ってみな

柚華

柚華

(もぐもぐ)

柚華

…美味しい

柚華

とても懐かしい味です…!

彼女は目を輝かせ夢中で食べている 子供のような彼女もとても魅力的だ…

リンドウ

ごちそうさまでした

柚華

ごちそうさまでした

レン(付き人)

…さまでした

おばちゃん

まあ、綺麗に食べたわね

おばちゃん

特にお嬢ちゃん、いい食べっぷりだった

おばちゃん

お腹一杯かい?

柚華

はい、こんなに美味しいご飯は久しぶりでした!

おばちゃん

そう、またいつでも来なよ

柚華

柚華

はい、また来ます!

次など、ない。 だが、彼女はとびきりの笑顔で"来る" と言った

柚華

また来る時は、この3人がいいな

柚華

約束…だよ?

リンドウ

うん、そうしよう

俺は、それしか言えなかった

食事を終えてからというもの、レンは周りの偵察に行き

俺たちは縁側で空を眺めていた

柚華

…あの雲!

リンドウ

どこだ

リンドウ

ああ、あの変な形の

柚華

変じゃないよ~

柚華

なんか犬みたいに見える

リンドウ

そうか?

リンドウ

あれは猫だろう

柚華

んー耳が生えてるから一緒!

柚華

ふふふ

彼女はとても楽しそうで 見ていると隣に座っている俺まで 幸せになった。

リンドウ

そういえば、足は大丈夫か?

柚華

ほら、きれいでしょ?

柚華

おばさんのおかげで治ったみたい

見てみると、あの痛々しい傷が嘘のようになくなっていた これは普通ではあり得ない

おそらく、霧生の血がそうさせているのだろう

リンドウ

良かったな

柚華

うん

柚華

ドウ…気になってたんだけど…

リンドウ

ん?

柚華

何歳なの?

リンドウ

…気になるのか

リンドウ

柚華よりは年上だよ

柚華

そうなんだ

リンドウ

今年で21になる

柚華

わあ、お兄さんだね

リンドウ

そう言われると変な感じだな…

柚華

ふふ、そう?

柚華

柚華

何見てるの

リンドウ

柚華が楽しそうだなって

柚華

…私より雲を見てよ

リンドウ

ううん

リンドウ

柚華は見てても飽きないから

柚華

そう…///

リンドウ

……

気がつくと"トン"と肩が触れる 距離にいて

こっちを向かない彼女の顔に何気なく手を添える

柚華

なに?

リンドウ

こっち向いて

"ちゅっ"

柚華

あっ

柚華

頬っぺた///

リンドウ

こっち向いた

目が合って、自然に顔が近づく…

おばちゃん

…お楽しみのとこ、ごめんね

リンドウ

わっ…!

柚華

////

おばちゃん

( ^▽^)♡

リンドウ

////(いつも邪魔が…)

おばちゃん

これ梨の差し入れね、食べな

柚華

わあ

柚華

これが梨…

おばちゃん

坊っちゃん、食べさせてあげたら~

リンドウ

な"っ

リンドウ

言われなくてもします//

おばちゃん

するのね(笑)

おばちゃん

あと、うちはお風呂があってさ。焚いておくから後で入るといいよ

リンドウ

ありがとうございます

おばちゃん

じゃあ、邪魔者は消えるかね~

"ガラガラ"

リンドウ

とりあえず梨食べる?

柚華

うん

楊枝で梨をとると 彼女の口に持っていく

柚華

///

柚華

(もぐもぐ)

リンドウ

美味しい?

柚華

甘い…!

リンドウ

これも食べる?

柚華

うん!

柚華

でも、それで最後だから…

リンドウ

大丈夫、ほら食べて

柚華

お言葉に甘えて…

彼女は一口で食べ、よほど美味しかったのか美味しさに顔が緩んだ

柚華

幸せ~

リンドウ

いいなあ

リンドウ

やっぱり俺も食べたい

柚華

だってもうないよ?

リンドウ

あるよ

頬張って膨らんでる顔を向けると 口づけをする

柚華

…!

柚華

んん~//

鼻を掠める梨の香り 梨のみずみずしい甘い味… 美味しくて離したくないな…

"ちゅっ"

リンドウ

っは…

柚華

ドウ…///

唇を離すと、今までに見たことのないくらい真っ赤な顔をする

リンドウ

梨…美味しかったね

柚華

もう~~、ずるい!!

リンドウ

ごめん、柚華が可愛いからさ

柚華

っっっっもう!!

"ザッザッザッザ"

リンドウ

!!

リンドウ

おお、レンどこに行ってた

レン(付き人)

実は、狩りをしまして…

そう言うなり、後ろから引きずり 前に出す

リンドウ

!?

リンドウ

まさか…

レン(付き人)

はい、小鹿です

リンドウ

傷が1つしかない…一発で仕留めたのか

レン(付き人)

そうでございます

リンドウ

禁奈に来てから、約1ヶ月…ずっと肉を食べてこなかった

リンドウ

でかした、レン!

レン(付き人)

ありがたいお言葉

リンドウ

おばさーん

おばちゃん

大きい声で叫ぶんじゃないよ

おばちゃん

ん、それは…

レン(付き人)

小鹿だ

おばちゃん

小鹿!? そんな高級食材を…

柚華

どうしたんですか?っは…

柚華

鹿が死んでる…

リンドウ

これが今夜の夕食だ

柚華

ええ!! どうやって食べるの

おばちゃん

大丈夫だ、わしが美味しく調理したる!

おばちゃん

そこの坊っちゃんの付き人

レン(付き人)

はい

おばちゃん

狩りをするということは、裁けるんだな?

おばちゃん

手伝え

レン(付き人)

…分かった

おばちゃん

裁くのに時間がかかるからな、二人は風呂に入ってきな

おばちゃん

お嬢ちゃんには、着物用意したから

おばさんは、それだけ言うと レンと二人で小鹿を裁きに 行ってしまった

リンドウ

お風呂か…

リンドウ

柚華、まだ歩けないんだよね?

柚華

うん…

柚華

ずっと檻の中にいたから筋力が落ちちゃって…

リンドウ

おばさんは居ないし…

リンドウ

てことは…

リンドウ

一緒にお風呂///!?

柚華

ええっ///!!!

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