創
あっあったあった、これだ!
1冊の本を手に取る。
その本の題名は “はじまりの花”
創
おばあちゃんおじいちゃん!!お邪魔しますっ!!
一花
あらいらっしゃい
龍二
よく来たなぁ。さ、ゆっくりしてけ。
創
おじいちゃんありがと!
創
早速だけどおばあちゃん、小説書いてきたの。
創
また推敲して!!
今回のは自信あるから!
今回のは自信あるから!
龍二
おおっ。ならじいちゃんも読んでみたいなぁ…
創
おじいちゃんに見せるのはおばあちゃんがこれなら!って言ったときだよ!
創
おじいちゃん、おばあちゃんの小説オタクでしょ?ちゃんとしたのじゃないと見せられないよ〜
一花
だそうですよ、龍二さん。
龍二
可愛い孫に言われちゃなぁ…
龍二
仕方ない、我慢しよう
一花
ふふふっ
一花
それじゃあ見せてみなさい。
創
う、うん!
一花
長い沈黙が部屋に響く。
創
ど、どう…?
一花
うーん…
一花
前回私が言ったことはちゃんと書けてるね。
一花
けどそこを意識しすぎて創のいい所が隠れちゃってる。
創
私のいい所?
創
それ、何?!
龍二
創のいい所はやっぱり元気がある所じゃないのか?
創
元気…
一花
そう、創の小説には元気があるの。
一花
色に溢れてて光が眩しい。そんな小説。
一花
けど、今回のはそれがあまり見えないの。無理して雨を降らせてる。そういう風に受け取れる。
龍二
小説の雰囲気に言葉を合わせるのは大事な事だけどなぁ…
龍二
合わせすぎても良くないんだ。
創
やっぱり小説難しいいい!!!
ドサリと畳に寝転がる
一花
そう言いなさんな。
一花
お茶にしましょう。今日は創が来る日だから創の好きなシュークリーム用意してるのよ。
創
えっほんと!?
龍二
おじいちゃんが買ってきてたんだぞー!
創
やったぁっ!!!
創
おじいちゃん大好きっ!
ぎゅっと抱きつく。
龍二
お、おおっ
龍二
………創も大きくなったな…
創
太ったって事〜?!?!
一花
創は太ってなんかないよ。
一花
ほら、食べなさいっ
創
美味しそっっ!いっただきまぁすっ!!!
一花
創は美味しそうに食べますね、龍二さん。
龍二
ほんとだな。お腹が減ってくる。
創
ほひいひゃんもはへふ?
一花
こらっ口に入れたまま喋らないの。
創
んんっく
創
ごめんなさい笑
おじいちゃんも食べる?って言いたかったんだ。
おじいちゃんも食べる?って言いたかったんだ。
創
もう食べちゃったけど。
龍二
その気持ちだけで嬉しいよ