あ ゆ *
あ ゆ *
2年3組クラスメイト
クラスメイト
鈴木先生
クラスメイト
クラスメイト
鈴木先生
実習期間も折り返しを過ぎ テスト前日のある日。
いつもと違う姿で教室へと入った 私にクラスメイトの皆は驚きの反応を 見せつつこの場の話題は一気にそれへと移り代わった。
想像よりも好評のこの髪型。 生徒達は嬉しい言葉を かけてくれているけどやっぱり 1番気になるのはあの人の反応で。
鈴木先生
そう思って辺りを見渡すも 彼は今日は来ていない様子。 振り絞った勇気も空振りに 終わったようだ。
クラスメイト
クラスメイト
鈴木先生
生徒に認められたような気がして嬉しくて思わず顔を赤く染めてしまった。 こんなん言われたら 誰だって嬉しいでしょ?
そう、私は恋をしている。
2年3組の担任 赤城ゆあん先生に。
ゆあん
ゆあん
鈴木先生
初めて出会った時彼の全てに惹かれた。
柔らかい表情に、その優しい声に。
全身が音を立てて震えたように 一瞬で恋に堕ちた。
ちょろいと思われるかもしれないけど これでも私は今まで人を好きになった ことなんてほとんど無かった。 だからこそ運命的な出会いだと思った。
鈴木先生
だけど実習期間は2週間限り。 自分なりにアタックもしてみたつもり だけどもちろんそう簡単に 叶わなかった。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
そしてそれは、彼がいたから。
三組の生徒縁龍じゃぱぱくん。 彼もゆあん先生に想いを寄せている 様子で完全なライバル関係。
それでも最初は軽く考えていた。 あの2人は教師と生徒だし 男同士だし、なんて。 ……まあ今思えば最低な考えだけど。
じゃぱぱ
じゃぱぱ
鈴木先生
だけど後に縁龍くんの本気を知って そしてその想い続ける健気さを知って。
負けてないと思っていた この気持ちの大きさも対抗する目の前の手強い壁に飲まれそうになった。
私以上に毎日アタックしに いっていて純粋で綺麗な想いを 向けている縁龍くんと ……なにより、赤城先生の。
楽しそうに話している2人の表情を 見ている中で何となく察したんだ。
あぁ、私には付け入る隙が無いなって。
それでも諦めたくなくて 必死に入ろうとした。 彼の視界に入りたくて もっと彼のことを知りたくて。
その焦りと余裕の無さのせいで縁龍くんに当たってしまった事すらあった。
そして2人の関係を見ていて もう認めなければならなくなってきた という頃テスト後の教室内で 聞こえてきた「付き合った」の一言に 全て察したんだ。
あぁ、遂に結ばれちゃったんだなって。
もう足掻くことすら出来なくなったけど この頃にはもう吹っ切れていたから 大きな悲しみも襲ってこなかった。
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
鈴木先生
赤城先生が縁龍くんたちを連れて 教室を出て数秒この場の話題は それで持ち切り状態。
あの2人バレそうになってるじゃない。 隠すの下手ねほんと、笑
……まあ最後くらい 手を貸してあげようかしら。
鈴木先生
クラスメイト
クラスメイト
鈴木先生
クラスメイト
鈴木先生
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
やっぱバレバレなんじゃん笑 まあ確かにあれで隠せると 思ってるのが凄いか。
鈴木先生
クラスメイト
鈴木先生
あの人達が戻ってくるより前にこの場の 意識を逸らすことが出来た。 …………本当感謝して貰わないと。
……仲凄まじいまさに ''リア充''の2人を想像して やっぱ嘘言っとけば良かったかな、笑 なんて今更後悔したけど笑
…そういえばこの髪型の感想も 聞けてないしな、笑
結局、何も勝てなかったや。
鈴木先生
鈴木先生
じゃぱぱ
この学校を去る前に 1番最後に会うのは赤城先生…… ではなくライバルだった縁龍くん。
縁龍くんにだけは 最後に伝えたいことがあった。
鈴木先生
じゃぱぱ
鈴木先生
じゃぱぱ
じゃぱぱ
鈴木先生
私から話を切り出そうとすると それより先に彼はそう真剣な眼差しで 言い切った。
叶わない、……いや、敵わない。
こりゃあ、ダメだな笑
鈴木先生
じゃぱぱ
鈴木先生
じゃぱぱ
鈴木先生
鈴木先生
じゃぱぱ
鈴木先生
そして私はそう言った後 自分の髪に手をかけて 止めていたものを外した。
じゃぱぱ
鈴木先生
じゃぱぱ
そう私は髪の毛を本当に切った のではなくショートに… 見せかけるように結んでいただけ。 容姿を先生のタイプに変えたら 振り向いてくれるかななんて思って やって見たのだけれど全然ダメだった。
そして同時に気付かされた バッサリ切る勇気が無かったという 自分の臆病さに。
私のこの気持ちは十分本気のつもり だったけど縁龍くんに比べたら到底本気とは言えなかったみたい。 そして一方の縁龍くんはそれ以上の ''もの''(気持ち)を持っていた。
まあ…切る決意ができなかった 理由に1つもう半ば諦めていた というのも正しい。
悔しいけど赤城先生は あなたを想っているようにしか 見えなかったから。
放課後に赤城先生の相談を 受けたあの時廊下にいた縁龍くんに 気付いて直ぐに出ていった彼。 きっとあの時の悩みの原因は縁龍くんでそれも恋によるものだったんだろうな。
そしてそれは少し前から心のどこかで 分かっていた、気付いてたんだ。
私じゃあどう頑張っても 叶わないって事も。
鈴木先生
じゃぱぱ
鈴木先生
じゃぱぱ
鈴木先生
鈴木先生
じゃぱぱ
鈴木先生
じゃぱぱ
鈴木先生
じゃぱぱ
じゃぱぱ
鈴木先生
じゃぱぱ
鈴木先生
……私がもし彼よりも前に出会えて いたら何が変わっていたかな。
否、きっと変わっていなかった。
だって私の運命は赤城先生… あなただったけど 彼の運命は私ではなかったから。
そしてそんな彼の''運命''は今目の前に いる純粋な涙を流している男の子。
…………やっぱり敵わないや。
鼻の奥に感じた痛みを誤魔化しながら 縁龍くんに言った。
鈴木先生
じゃぱぱ
鈴木先生
優しい人には優しい人が集まる。
まさにこういうことか笑
今思えばまさに綺麗な当て馬だったな笑 縁龍くんに意地悪 しちゃったりしてたし。 漫画の展開ってやつ?笑
……まあ結ばれたなら 許してもらえるかな。
今日くらいは音楽でも聴きながら 浸ろうかなぁなんて思いながら 正門に向かおうとした。
ゆあん
鈴木先生
ゆあん
鈴木先生
縁龍くんと別れそのまま帰ろう とした矢先背後から会うつもりの なかった彼の声が聞こえてきて 反射的に心臓が跳ねた。
…………もう本当に会うつもり、 無かったんだけどな笑
鈴木先生
ゆあん
ゆあん
ゆあん
鈴木先生
最後に赤城先生の口から まさか聞けると思っていなかった そして聞くつもりのなかった言葉を 貰えて再び心臓が大きく動き出すのを 感じる。
……ほんと、遅いですよ先生笑
こんなん、 諦められなくなっちゃうじゃん。
鈴木先生
いっその事最後に想いだけでも伝えようかななんて思ったところで辞めた。 ……タイミング良く生徒の子が私を 呼んでくれたおかげで我に戻れたから。
無意識に溢れそうになった想いと 涙を必死で抑え笑顔で伝えたかったことだけを口にしてその場を去った。
鈴木先生
長いようで短かった怒涛の2週間を終え家のソファにおもむろに寝っ転がる。
鈴木先生
鈴木先生
この実習期間で随分と 仲良くなった朝倉先生。 今日は付き合ってもらおうかと 電話帳を開き「朝倉」の文字を追うと すぐ側には好きでたまらなかった 彼の名前も。
最後まで呼べることなんて なかったけどこんな思いするなら 下の名前で登録しとけば良かった笑
この連絡先と想いを清々しく 消せる日が来たらいいな。 ……今はまだ、出来ないや。
鈴木先生
気持ちを切り替えるように 電話をかけて朝倉先生を呼び出し 朝まで思い浸るように聞いてもらって いたのはここだけの話。
番外編:〜fin〜
あ ゆ *
あ ゆ *
あ ゆ *
あ ゆ *
あ ゆ *
コメント
9件
鈴木先生めちゃくちゃ優しい〜、 番外編なのにめちゃくちゃ内容濃くてびっくりしました!!😂 投稿、いつまでも待ってますし、もちろん飛んで行きますので!自分のペースでこれからも頑張ってください!!👊
あゆさんお疲れ様でした♡今週楽しみに毎日読んでおりました。 鈴木先生切ないですね…!でもストンと心に落ちてきました! まだ結ばれると思ってなかったので笑 今週は!?な展開でしたが非常に嬉しかったです♡
わぁぁあ!!!やっぱ鈴木先生いいひとですよね!?わかってました!けどこんな場面があったなんてと思いました、、本当に良い先生だったしじゃっぴに強い口調してしまったのも申し訳なく思っててなんか、、悲しくなりました。ゆあん先生とじゃっぴが1番好きですけど、ゆあん先生と鈴木先生だったらどうなっていたんだろうとか勝手に妄想してます笑笑 毎日投稿お疲れ様でした!!とても楽しく見れてました✨️