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クロッフル
百連の蹴りが撃する。
クロッフルは彼方の岩まで飛ばされた。
ブラウニー
オペラ
アップルパイ
異質。奇妙。あれほどイビツだった魔力が感じられない。
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
サヴァラン
アップルパイ
アップルパイ
サヴァラン
刹那、白く咲いた花。
白蓮華。
凍風を纏ったサヴァランの攻撃。
それは、その軌跡だった。
アップルパイ
アップルパイはなんとか、無意識の反射でそれを防いだ。
剣で受けたが、手の震えがある。
強かった。これまでの、どの攻撃よりも。
ブラウニー
ブラウニーは、攻撃自体は受けたものの、命に繋がるようなものは防いだ。
問題はオペラだった。
オペラ
オペラのは右手で、左肩のあたりを抑えている。
息が荒い。
オペラはそのまま膝をついた。
槍が落ちる。オペラはそれを拾わない。
オペラ
オペラの左腕がない。
オペラは、その抉れた断面に回復魔法をかけている。
しかし、血が止まらない。
止まらない。
止まらないのだ。
ブラウニー
ブラウニー
ブラウニー
ブラウニーの腕が震える。暴れる。
理性では抑えられない。暴れれしまうのだ。
それは恐怖。
これまでの決断は、ブラウニーも気づかないうちに自分一人でなく、オペラと二人でのものになっていた。
しかし、そのオペラが片腕を失い、戦えなくなった今。
ブラウニーは一人だった。
アップルパイ
アップルパイ
その声でやっと地面にピントが合う。
ああ、そうだ。ここは戦場。
下を向いている暇などない。
ブラウニー
ブラウニー
ブラウニー
ブラウニー
ブラウニー
深呼吸を一度。
目つきが変わる。
ブラウニー
ブラウニー
ブラウニー
オペラ
オペラ
ブラウニー
平民が魔法に手を染めることは禁じられている。
今でも、瞼の裏にはあの日の光景がある。
赤い光に誘われた大衆の波。
私はそこへ飛び込み、掻き分け、進む。
オペラ
何度も叫んだ。
板に張り付けられ、生きたまま焼かれた二人。
私の両親だった。
オペラ
オペラ
これは、両親が騎士団に連れていかれる前。
父が私に残した言葉だ。
「さいごまで抗え。」
オペラ
ブラウニーとアップルパイが走りだす。
サヴァランを倒すために。
加速するブラウニー。びゅんびゅんと加速する。
右に、左に。不規則に揺れる。
残像が二つ、三つ、四つ。増えていく。
サヴァランの攻撃が宙を突き刺す。外した。
ブラウニーは空を駆けていた。その攻撃のさらに上を。
風と稲妻が一閃する。
サヴァランまで一直線。
ブラウニー
ひしめく斧。防がれた。
しかし、ブラウニーは微笑む。
サヴァランの背後で影が動く。
サヴァラン
その影はアップルパイ。惜しい、あと一歩届かない。
これも防がれた。
サヴァランの腕がうねる。二人は押し返された。
ブラウニー
ブラウニー
『ギュルギュルギュルギュル』
裂ける腕。ブラウニーを襲う。
ブラウニー
ブラウニー
流そうとするも力不足。
横腹が抉れる。耳も一つ、千切れ飛んだ。
アップルパイ
アップルパイ
振り向くサヴァラン。攻撃がアップルパイへ集中する。
火、雷、氷。各腕ごとに纏っている属性が違う。
単純な属性相性では対処できない。
いや、そもそも……この数を捌くことは可能なのか。
不可能だ。
アップルパイ
直撃。
剣を振るより早く、サヴァランの攻撃が腹を貫いた。
アップルパイ
騎士団長
剣を交える二人。
衝撃が、空を――地を抉っていく。
互角。
しかし見えない。やつに勝つ道筋が。
そうだ。勝者はいつも圧倒的。
アップルパイ
アップルパイ
アップルパイ
アップルパイ
騎士団長
アップルパイ
アップルパイ
アップルパイ
二撃目が振るわれる。
傷だらけの身体、不十分な体勢、手もまだ震えている。
以前の私であれば、一度引いていたことだろう。諦めていたことだろう。
騎士団員
光の向こうで見守る、三百の兵士たち。
その全員が今、魂で念じていた――祈っていた。
騎士団員
戦士の勝利を。勝て……勝つのだと。
アップルパイ
アップルパイ
サヴァランは腕を一つに束ね、受ける。
しかし、なぜだ。押し返せない。
むしろ押されている。
なにも整っていない、不十分な一振りのはず。
だというのに、なぜこうも重たい。
サヴァラン
サヴァラン
サヴァランのように美しく――
勇者のように狂気で――
タルトタタンのように、強くなくていい。
私はこれでいい。
らしくあれ。
アップルパイ
アップルパイ
衝撃が発する。
地が重力に潰れていく。空間すら歪みつつある。
不器用に力んだ一振り。
不完全。どこまでも不完全。
だからこそッ。
咆哮。星が呻く振動。
アップルパイは剣を振る。連撃。
サヴァランを押している。今、圧倒している。
ブラウニー
ブラウニー
ブラウニー
オペラ
オペラ
オペラ
オペラ
戦況が動く。三人の意志が一点に重なる。
それだけではない。
この戦いを眺める三百の意志も、すべてがそこにあった。
アップルパイ
アップルパイ
「「「絶技」」」
ブラウニー
アップルパイ
オペラ
絶技とは、
魔力出力を限界まで高めて放つ技のことを言う。
身体的な負担の大きさや魔力出力が不安定になることなどから、
一般的には最後の決定打として使われる。
この盤面で、三人同時の絶技。
これが示すことは一つ。
ここでサヴァランを討てなければ、ほぼ確実に三人は死ぬ。