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夜は3年前と同じ匂いがする
湿ったアスファルト
錆びた鉄
そして、
消えない血の気配
緑川 jp
囁いた声は誰にも届かない
今回の出張は仕事なんかじゃない
失敗の後始末だ
これは
三年前
俺は正しい判断をしたつもりだった
敵対組織は急速に勢力を伸ばし 街の均衡を壊しかけていた。
放っておけば、被害は広がる
だから俺は、潰すと決めた
それだけなら、よくある話だった
問題は
俺が最後まで確認しなかったこと
作戦は完璧だった
情報
人員配置
逃げ道
全部完璧だった
でも……
一つだけ足りなかった
「生き残りの可能性」を
想定する覚悟
三年前、俺がボスになる前だ
この頃の組織は
ボスが1番偉く
その下に俺とたっつんが居た
BOSS
その報告を聞いた瞬間、
俺は安堵してしまった
終わった、と
それが全ての始まりだった
黄島 tt
黄島 tt
黄島 tt
この頃のたっつんは相変わらずで
今と変わらない
優しさと
可愛らしさがあった
そして
誰よりも周りを見ていた
黄島 tt
黄島 tt
緑川 jp
緑川 jp
緑川 jp
黄島 tt
俺は笑って答えた
緑川 jp
緑川 jp
嘘じゃなかった。
慢心だった
その時
たっつんが何も言わずに 安心した顔を見せたのを
今でも鮮明に覚えている
信じてくれたんだ。
俺を。
それだけじゃない
たっつんは俺をボスに推薦してくれた
BOSS
黄島 tt
BOSS
ボスは俺よりもたっつんを気に入ってて
たっつんをボスにしようとしてた
嫉妬とか
憎しみとか
全然なかった
“たっつんだから”
むしろ
緑川 jp
緑川 jp
たっつんに任せたかった
BOSS
黄島 tt
黄島 tt
BOSS
BOSS
BOSS
緑川 jp
緑川 jp
緑川 jp
頭の良さも
性格も
愛嬌も
俺はたっつんに敵わない
黄島 tt
黄島 tt
黄島 tt
黄島 tt
緑川 jp
緑川 jp
最悪な出会いだったと思う
高校の昼休み。
購買で買ったパンを持って教室に戻る途中 角を曲がった瞬間――
緑川 jp
ぶつかった
正確に言うと、全部落とした
緑川 jp
床に散らばるパン
俺の昼飯……全滅した、、、
黄島 tt
黄島 tt
そう言って慌てて拾い始めたのが
後に相棒になる男だった。
髪は少し跳ねてて
制服は着崩してて
でもやたらと動きが早い。
緑川 jp
黄島 tt
二人同時に言って、同時に止まる。
……なんだこいつ。
黄島 tt
緑川 jp
黄島 tt
黄島 tt
黄島 tt
そう言って笑った顔が、やけに明るかった
それが、たっつんだった
結局、一緒に購買に戻った
黄島 tt
緑川 jp
緑川 jp
黄島 tt
黄島 tt
緑川 jp
黄島 tt
緑川 jp
なんだろう。。
初対面なのに、妙に話しやすい
黄島 tt
黄島 tt
パンを選びながら、たっつんが言った
黄島 tt
手が止まった
緑川 jp
黄島 tt
悪意の無い声だった
見抜かれた、というより
気づかれてしまった
という感じ
黄島 tt
黄島 tt
そう言って 肩をすくめた
黄島 tt
その言葉を
俺は何故か、今でも覚えている
緑川 jp
黄島 tt
黄島 tt
黄島 tt
緑川 jp
緑川 jp
緑川 jp
黄島 tt
黄島 tt
緑川 jp
緑川 jp
ほんとに
優しすぎるよ
お前は
だからこそ
お前には頼めない
生き残りはいた。
しかも 俺が“いないと思い込んだ場所”に。
逃げ延びた連中は
復讐ではなく、執着を選んだ
狙いは、街でも、組でもない
――俺個人。
だがそれを知った時には もう遅かった。
水面下で
静かに
毒のように広がっていた。
あの夜、俺が最後まで確認していれば
たっつんの違和感を ちゃんと拾っていれば
誰も、、、
傷つかなかった
たっつんはいつも笑っていた
黄島 tt
黄島 tt
誰かの前に立って
黄島 tt
MOB
黄島 tt
黄島 tt
誰かの代わりに怒って
黄島 tt
黄島 tt
黄島 tt
黄島 tt
誰かの代わりに泣かないようにしていた。
だから
俺は思った
この人だけは 俺の過去に巻き込んじゃいけない
相棒だから。
信頼してるから。
……誰よりも、大切だから。
緑川 jp
それは、嘘じゃない
でも、本音はもっと身勝手だ
――失いたくなかった
だから今回も一人で来た
たっつんを置いてきた
嘘をついて
最低だと分かってる
相棒失格だとも思う
それでも。
緑川 jp
全部。
俺一人で、片をつける
ふと、頭に浮かぶ。
たっつんが、怒る顔。 困ったように笑う顔。 「アホやな」って言う声。
緑川 jp
誰にも聞こえないように、呟く
――でも、信じてる。
お前なら、分かってくれるって。
緑川 jp