私は触れた人を消す──という能力を持っている
欲しいから手に入ったんじゃない
生まれつき…
欲しくもないのに、そんなの要らないのに
手に入ってしまったのだ
この能力のせいで、色んな人を犠牲にしてしまった
「ごめんなさい」
「ごめんなさい!!」
いつも罪悪感でいっぱいだった
どんなに謝ってもその人は返ってこない
私はそのせいで大切な人の命をいつも奪ってしまった。
だから私は──
優里
自分を消すことにした
優里
今までの償い?
優里
っていうのかな…
優里
まぁこれで全部償えるとは思ってないけど…
優里
私は皆より少し寿命を短くしただけ
いつかは皆消えちゃうんだから
優里
人生の楽しみを短くしただけ
優里
私はこの選択に後悔はしない
優里
優里
…フゥー…
優里
まぁこれで話は終わり
優里
!皆、今までありがとう
優里
それから…ごめんね
優里
そして…
優里
サヨナラ世界──
少女は胸の前で手を組んだ
そうするとみるみるうちに少女は──
少女は月明かりに照らされながら
透明になり、
消えてった──
〜END〜☽・:*