テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
4,404
俺はあの後眠ってしまったらしい
朝起きた時に目に入ったのは天井じゃなく
あの男、
柔太朗の姿だった
山中柔太朗
椅子に座ってるはずなのに距離がおかしい
近い、近すぎる
俺は無意識に体をこわばらせた
山中柔太朗
優しく笑うその声はやっぱり優しかった
優しいはずなのに何故か安心できない
佐野勇斗
喉の奥が渇いてうまく声が出せない
山中柔太朗
あっさりと頷く
山中柔太朗
その言葉に引っかかる
不安定に”なるから”
まるで知ってるみたいな言い方
佐野勇斗
山中柔太朗
少しだけ笑いながら言う
山中柔太朗
…本当に?
胸の中に小さな違和感が残る
でもそれを確認する術がない
山中柔太朗
山中柔太朗
またそれだ
昨日も聞いた
佐野勇斗
思わず聞いてしまった
その人は目を細めてこう言った
山中柔太朗
静かな声
怒っているわけではないけど
周りの温度が下がった
佐野勇斗
慌てて言葉を探す
佐野勇斗
山中柔太朗
被せるように言われる
逃げ場が無くなる
山中柔太朗
その言葉は、正しいようで
でも、どこかで引っかかる
“本当に?”っていう、小さな棘
山中柔太朗
急に手を取られる
びくっと体が跳ねる
山中柔太朗
佐野勇斗
山中柔太朗
指を絡められる
…慣れない
佐野勇斗
山中柔太朗
山中柔太朗
そう言って、少しだけ強く手を握る
逃がさないみたいに
山中柔太朗
__また、それ
長い。
特別。
離れられない
同じ言葉が、何度も繰り返される
まるで、刷り込むみたいに
佐野勇斗
佐野勇斗
山中柔太朗
佐野勇斗
言ってから気づく
この話、ほとんど出てこない
“俺とお前”ばかりで
その人は、少しだけ目を細めた
山中柔太朗
軽く言われる
山中柔太朗
——重要じゃない?
山中柔太朗
即座に付け足される
違和感が強くなる
山中柔太朗
佐野勇斗
山中柔太朗
柔太朗は満足そうに笑った
山中柔太朗
優しい言葉
でも、その裏にあるものが、少し怖い
山中柔太朗
ふっと、声が落ちる
山中柔太朗
佐野勇斗
山中柔太朗
1歩距離が縮まる
山中柔太朗
山中柔太朗
耳元で低く囁かれる
山中柔太朗
山中柔太朗
知らない…。知らないよ
でも、否定できない
出来ないようにされている
佐野勇斗
山中柔太朗
俺は頭を撫でられる
恐怖を感じながらもどこかで安心している自分がいた
山中柔太朗
俺は手を引かれる
山中柔太朗
山中柔太朗
山中柔太朗
俺は握られた手を握り返した
山中柔太朗
振り返ったその笑顔は、 昨日よりもずっと自然で
—だからこそ、怖かった
山中柔太朗
佐野勇斗
病室のドアが閉まる直前
誰かの影が見えた気がしたけど
確認するまもなく勢いよくドアは閉められた
主
主
主
主
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!