俺は鏡を眼前に据えた。
そこには俺を嘲笑う糞ッ垂レが映っていて、
俺は言い様のない怒りを覚えた。
俺は鏡をソッと睨みつけて、
秀三
と囁いた。
あの時、殺してもいいと呟いた女を想起する。
今日の号外ではあの女が絞殺されたことが取り上げられていた。
…大衆の前で
その犯人が俺だと
大声で叫んでみたい…。
俺は鏡を凝視した。
見る内に歪見切ってしまった俺の等身大を見下した。
そして空間に女の声が充満し始めし始め……。
俺は死んでしまう気になって、
外へ、外へと突っ走った。
扉の向こうには人が沢山いるだろう。
鏡なんてものは無いだろう。
忌々しい声も聞こえなくなるだろうと…。
外は丁度真昼間で、人々が新聞を持って騒ぎ立てていた。
秀三
コメント
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どうせまたすぐに辞めてしまう