つづき
霧川 莉緒
家を出てからクラウチングスタートの姿勢で公園まで全力疾走し、息切れしてゼェゼェと肩で息をしながらもかっちゃんに抱きつく。
なんで公園だって分かったかって?
愛の力s(((
安良城 夏恋
私を見た途端好きぴでも見つけたんかくらいに目をキラキラさせるかっちゃん。
もーかわいーんだから💕💕💕
さてさて本題はド清楚天然小悪魔美少女。
こやつのお話を聞きだすまで私は帰れぬのだ。
霧川 莉緒
霧川 莉緒
安良城 夏恋
そう言いながらかっちゃんが一歩横にズレるとあら不思議。
とてもとても可愛らしい天使のような美少女がひょこっと出てきた。
城宮 飛華
少し身を潜めて涙目になりながらこちらを見ている天使。
かわいすぎんだろ!!!
養いたい!!!((
霧川 莉緒
霧川 莉緒
城宮 飛華
あっちゃんは少しの間言い出せずにもじもじしていたが、やがて「あのね」というめっちゃかわちいお話の切り出し方をして話し始めた。
城宮 飛華
城宮 飛華
霧川 莉緒
あっちゃんの話を聞くと、つまり、
要約すると、最近妹ちゃんの帰りが遅かったり、あっちゃんに対しての態度が冷たくて困っている、とのことだった。
城宮 飛華
城宮 飛華
と、今にも泣き出しそうなシスコンのあっちゃんの目を見て、私は慌ててフォローをする。
霧川 莉緒
霧川 莉緒
果たしてこれをフォローと言うのだろうか。
ただただ可哀想な人を増やしてしまっただけではないのだろうか(
城宮 飛華
きょとんとした純粋な目で私を見つめるあっちゃん。
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
と、突然振られる小学生兄弟の中で唯一長女で高校生の可哀想なかっちゃん。
少しして「え、わた、私!?」みたいに目を見開いて自分を指さした。
安良城 夏恋
安良城 夏恋
安良城 夏恋
おっとまさかの励ましの言葉ではなく同類を増やしてしまった発言だった。
これは私の計算ミスだ。
計算できないけど。
城宮 飛華
城宮 飛華
城宮 飛華
このド清楚天使は一体何を理解してそんなに喜んでいるのだろうか。
安良城 夏恋
安良城 夏恋
そしてこの陽キャ天使は誰の何を見て天才と言っているのだろうか。
全くもって理解出来ないまま二人の天使とまた明日をした。
よく分かんないけどいい仕事したんだろうな、とかほざき散らしながら玄関のドアをがちゃりと開ける。
霧川 莉緒
霧川 莉緒
毎度お馴染みの言葉を発しながら玄関へ入ると、丁度階段を上がろうとしている莉紗と目が合った。
莉紗
莉紗
相変わらずの呆れ顔で可愛い妹に針を刺される私。
霧川 莉緒
莉紗
莉紗
私が悲しそうな声で言うと、目を逸らしながら褒めてくれる莉紗。
ツンデレなんだからぁ(
莉紗
霧川 莉緒
初めて知ったなぁ...
てか、なんでらんくんの誕生日...
霧川 莉緒
霧川 莉緒
莉紗
莉紗
莉紗は私の言葉を見事に無視してそそくさと二階へと上がって行った。
やっぱ勝たんしかツンデレ妹。
私もシスコンだった。
莉紗のご飯とか久しぶりー楽しみーとか思いながらリビングへ続く扉を開ける。
するとそこには、キッチンに佇んでいたであろうらんくんが居た。
霧川 莉緒
さっきからスマホ触りまくってたらんくんが手ブラでしかも一人!
仲良くなるチャンス!と思って元気いっぱい挨拶をした。
そして帰ってきたお返事は...
らん
「うん」
「うん」
たった二文字だけ。
それだけを零すと、らんくんは上へと上がって行ってしまった。
頭の中では沢山の疑問が浮かび上がった。
何故初対面なのにこんなに嫌われているのか。
帰り道のコンビニでアイス買ってこなかったから?
それともただただ私の顔がぶっさいく過ぎて直視出来ないとか?
ざっけんな私は一万年に一人の美少女やぞ。
(妹は十万年に一人です)
そんなことを考えていると、ある事を思い出した。
霧川 莉緒
霧川 莉緒
客観的に見れば雲の形が金平糖みたいだなーくらいどうでもいいこと。
でも私にとっては明日地球に隕石が落ちるくらいやばいことだった。
だってあんな天使の下着とかなんやらあったら私が何しでかすか分からない。
もしかしたらそのまま勢いに任せてすーはーしてしまうかもしれない。
流石にそんなことはしないよなとか思いながらリビングへ行こうと振り向くと、
こさめ
霧川 莉緒
丁度後ろにいたこさめくんとガチ恋距離で目が合った。
私はあまりの近さに恥ずかしさと驚きと恐怖と顔の良さにびびり散らかし、聞いたこともない声が出てきた。
その声にびびり散らしたこさめくんが素早く数歩後ろへ下がると、すぐさま駆け寄って顔を覗き込んだ。
こさめ
霧川 莉緒
霧川 莉緒
まさかこさめくんから話しかけてきてくれるなんて思ってもいなかった。
話しかけてくれるとしたらいるまくんからんくんくらいかなーとか思っていた。
返事くらいしかしてくれなかったけど。
こさめ
こさめ
こさめ
こさめくんは戸惑いながらも自分の服を掴み、必死にジェスチャーで何がしたいかを表現している。
服の端と端をパタパタさせているこさめくん。
服...パタパタ......
霧川 莉緒
私は数秒フリーズしたけど、ようやく何が言いたいかが分かった。
霧川 莉緒
そう言ってこさめくんを指さすと、それそれ!と言わんばかりにめちゃくちゃ頷かれた。
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
うおぉい最後いらねぇよ...
これ絶対前者だよ
後者だったら追い出すわふつーに。
こさめ
こさめくんがまるで消えてしまいそうな声でそう呟く。
まぁ、うん。
だろうね。
その後こさめくんが途切れ途切れに呟いた言葉をなんとか聞き出して内容にすると、
いるまくんが自分含め六人の服を一人で買いに行こうとしているらしい。
霧川 莉緒
霧川 莉緒
こさめ
こさめくんにいかにも関わりたくないと言わんばかりに顔を歪ませられた。
やっぱ怖がられてんじゃん!!
霧川 莉緒
霧川 莉緒
霧川 莉緒
果たしてこれはこの子に通用するのだろうか。
初対面で突然自分の兄貴と喧嘩した以前に、自分にガン飛ばした奴だぞ。
こさめ
霧川 莉緒
ちょっとは嫌がられたもののOKは貰ったのでひとまず安心した。
ついでにいるまくんに渡しておくようにとお金を押し付けると、申し訳なさそうにリビングを出た。
私は一息つくと冷蔵庫からご飯を取り出し、一人寂しく食べ始めた。
霧川 莉緒
霧川 莉緒
なんてぶつくさと咳きながら。
ふと六人の制服のことを思い出し、食べ終わったら取りに家を出ることにした。
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