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雫
雫
雫
雫
雫
雫
雫
血の色って何色だと思う?
赤色、紅色、緋色、深紅…
赤系統を答える人が大半だろう。
しかし、俺は血の色なんて黒一色にしか見えない
多分、生まれた時から血を見てきたせいで
色彩感覚がおかしくなったのだろう
俺の世界はモノクロだ
だから、赤などという色彩は遠い昔に置いてきたと言っても過言ではない
きっと、この世界の闇のように自身の瞳と心は煙に巻かれて
どこかへ消えていったのだろう。
そう思い今日もまた1人
人間を殺した。
全身が黒いその子の声は冷たい空気の中
街灯の灯りがちらちらとともる路地裏の奥でこっそりと響き渡った。
俺の手は相変わらず漆黒で染まっていて
それを見て少し安心する自分がそこにいた
その時の表情はいつまでも火傷のように 顔に染み付くことだろう。
空にはルビーみたいに光り輝く紅月があり
横顔をそっと照らしてるような気がした
明日も明後日も、そしてその次の日も
俺が人を殺し続けることをお月様は知っているのだろうか
たとえ知っていようと俺の意思が決して揺るぐことはない
なぜなら
俺は自分の目的のためならなんでもできる人間のふりをした
悪魔なのだから…
ピピピピ ピピピピ ピピピピ
テレビをつけるとちょうど昨日殺したであろう女の子についての事件が報道されていた。
翡翠
翡翠
なんて、思ってもみないことを呟きながら制服に着替える
校則通りの着方をした制服に長い黒髪を下ろす。傷を隠すためにニーハイを青白く細い足に被せている。
彼女の名前は『紅月翡翠』
艶やかで長い黒髪で
濃い紫色の瞳の
普通の高校生に見える
誰もが完璧だと思える この美貌とモデル並みのスタイル
そして何もかもを見透かしているような瞳
そのクールな瞳に惹かれる者も多いようだ
だが、そんな完璧な翡翠にも、 他者と深く関係を持たないという 欠点があった
翡翠には果たさなくてはいけない 使命がある
それは彼女自身も微かにしか覚えていない記憶の中に存在していた
雫
雫
雫
雫