あの時もそうだ。
勝手にいなくなった。
だから…会いに来たんだ…
どれだけ鬱陶しがられたって、 諦めないって覚悟して、 追いかけてきたんだ……
JUNGKOOK
V
JUNGKOOK
僕がそう叫んだのと同時くらいだった。
ドンッ!と大きな音が響いたのは。
それはテヒョニヒョンが壁を殴った音で、 僕はそこの光景に目を見開いた。
V
JUNGKOOK
V
……何を言ってるのテヒョニヒョン。
テヒョニヒョンに言われたことを、 忘れた?
僕、が…?
そんなはずないのに…
僕が……忘れられるわけないのにっ…。
僕の話なんて、 聞いてくれないってことも、 迷惑がられてることも、 嫌がられてることだって、 全部全部…。
分かっていて、 ここに来たんだよ。
テヒョニヒョンが、 僕のこと忘れるはずない。
だって僕は……
……テヒョニヒョンにとって世界で1番、 嫌いな“人“でしょ……?
不機嫌そうにさっていくテヒョニヒョンの背中を、 ただただ見つめながら立ち尽くす。
あの時と、 同じ光景だ。
V
七夕の短冊、 初詣の願いごと、 希代の流れ星……。
願うのは、 ずっと変わらず同じこと。
『大好きなテヒョニヒョンとずっと一緒にいられますように』
この願いはもう、 叶うことはない……?
______
テヒョニヒョンが去った後、 僕は1人で体育館裏にいた。
司会者
体育館の中からそんな声が聞こえ、 そろそろ戻ろうかな…と思い歩き出す。
出口から出てきた新入生に混じって、 1年の教室へ。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
せっかくテヒョニヒョンに会えたのに、 何も言えなかった。
けど、“仕方ない“。
こんなふうになるだろうと、 思っていなかったわけじゃない。
無視されるだろうな……って覚悟はしていたんだ。
話せただけ、 まだ…よかったほう。
自分にそう言い聞かせるも、 思わず泣きたくなって下唇を噛みしめる。
JUNGKOOK
1度だけ頬をパチンっと叩き、 活をいれる。
俯いていた顔を上げると、 【1年3組】 という教室札が目に入り、 僕は教室に入った。
僕の席は…一番後ろだ。
J-HOPE
突然、 背後からそんな声が聞こえる。
JUNGKOOK
自分じゃないと思って席につくと、 叫んだ張本人が僕のもとに駆け寄ってきた。
J-HOPE
JUNGKOOK
目の前で僕をじっと見つめる、 見るからにパワー溢れる男の人。
そして、 その横で呆れたように男の人を見つめる……ボーイッシュな男の人?かな?
僕はその勢いに圧倒されながらも、 どうして声をかけられたのか分からなくて首をかしげる。
J-HOPE
じーっと見つめられて、 あわあわする僕。
SUGA
JUNGKOOK
J-HOPE
友達に注意され、 頬をポリポリかきながらニコッと微笑んだ。
JUNGKOOK
僕も自然と笑顔になって、 微笑み返す。
すると、 目の前の2人が驚いたように目を見開いた。
何をそんなに驚いてるんだろう…?
不思議に思っていると、 肩をポンッと叩かれる。
J-HOPE
SUGA
まるで漫才のようなテンポのいいツッコミに、 思わず笑ってしまう。
JUNGKOOK
J-HOPE
SUGA
「疲れるだろ?」と言いながら、 心底呆れたような表情をする ユンギさんと呼ばれる男の人。
僕は笑顔で左右に首を振って、 えへへっと笑った。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
どちらかというと、 僕はあまり感情を表に出せないタイプだから、 とても憧れる。
きっとこんな男の人が隣にいてくれたら、 女の子も幸せになれると思うなぁ。
と、 そんな事を思っていると、 突然、 ホソクさんに抱きつかれた。
それはそれは、 力いっぱいギューッと。
J-HOPE
SUGA
SUGA
SUGA
「仲良くなれそう」とつけ足し、 ふわっと柔らかい表情を浮かべるユンギさん。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
さっそく友達ができて、 僕は嬉しくて頬が緩むのを抑えられない。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
J-HOPE
JUNGKOOK
かっこいいという表現とは、 ほど遠い気がするけど……。
言われて悪い気はしない。
それにグクっていう名前が、 僕は気に入っていた。
お父さんとお母さんが僕に残してくれた、 唯一のもの。
……って、 これじゃあ、 まるでどっちも亡くなったみたいな言い方。
…2人のことを考えるのは、 やめよう。
J-HOPE
ホソクは少し離れた黒板に貼られている座席表を指さしながら言った。
席順は、 名前の順のようで、 ホソクが廊下側の一番後ろ、 その隣が僕、 その前の席がユンギという座り。
JUNGKOOK
そんな偶然に感謝して、 3人で席に座った。
JUNGKOOK
J-HOPE
SUGA
はぁ……と、 ため息をつくユンギに「誰がガキだ!」と突っかかるホソク。
JUNGKOOK
そんなに長く一緒の友達がいることが、 僕にとってはすごく羨ましくて、 2人の話に耳を傾ける。
何度か引越しを繰り返していたので、 友達ができてもすぐにお別れ。
仲良くなった矢先に離れることになって、 すごく悲しかったのを覚えてる。
SUGA
J-HOPE
SUGA
J-HOPE
ガタッと音を立てながら椅子から立ち上がり、 ホソクがユンギを指さした。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
僕はその話に食いつき、 じーっとユンギを見つめる。
ユンギはバツが悪そうか顔をしたあと、 頬を赤らめてゆっくりと口を開いた。
SUGA
J-HOPE
JUNGKOOK
JUNGKOOK
SUGA
JUNGKOOK
誰かにこの話をするの初めてで、 なんだか恥ずかしくなった僕は視線を逸らすように俯く。
同じ境遇にいる人と初めて出会って、 親近感が湧いた。
思わず言ってしまったけれど、 僕とユンギの片思いは、 少し違うかもしれない……。
だって……僕は……。
V
V
……ハッキリと、 ふられてしまっているから。
前回の「君だけは無理」2に にコメントしてくれた方ありがとうございます!
いつも密かに読ませてイイネを押させていただいてます!笑
これからもよろしくお願いいたします(*´︶`*)♥️
コメント
10件
小説界の神と言っても過言ではないですね、はい((
ユンギ砂糖と塩がめっちゃはっきりしてるw
やっぱり最高。