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たすけて／絶対に救ってみせる　〜　音奏　奇病　精神病　〜

第131話 - ＿　呪われた少年　＿　最終話　１２２ページ

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2025年09月23日

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る　ー　る

目の前には　、涙を流しながら　、それでも笑い続けるなつが居た　。

でも　、その笑顔は苦しさに満ちていて　、

見ている方まで心が重たくなるような　、

そんな乾いた笑いだった　。

紫衣　いるま

笑わねぇよ　。

暇野　なつ

ｯ

紫衣　いるま

笑えねぇよ　。

紫衣　いるま

…　なつ　、（　ぎゅ

孤独に怯え　、他人に怯え　、自分自身に怯え　、

体を震わせながらも笑みを作ろうとするなつを　、そばに引き寄せ　、抱きしめた　。

暇野　なつ

やめ　、ろ　、ｯ

暇野　なつ

ぃやだ　ｯ

笑顔をつくる余裕もなくなり　、弱々しくも必死に抵抗するなつを　、覆うようにして抱きしめる　。

紫衣　いるま

大丈夫だ　。

紫衣　いるま

俺は　、そんな簡単に傷ついたりしねぇから　、笑

紫衣　いるま

怖がらなくていい　。

紫衣　いるま

大丈夫だから　、

紫衣　いるま

そんなに怯えなくても　、いいんだぞ　。

暇野　なつ

でも　、

暇野　なつ

でも　ｯ、おれ　、

戸惑いと恐怖に染まった瞳で俺を見つめるなつ　。

紫衣　いるま

怖かったな　。

紫衣　いるま

自分の意思に関係なく　、大切な人を傷つけてたんだもんな　。

暇野　なつ

…　ぅん　、

誰かを傷つけることへの恐怖も　、自分への憎しみも　。

紫衣　いるま

わかるよ　、その気持ち　。

わかるよ　。よく　、わかる　。痛いほどに　。

紫衣　いるま

俺もそうだった　。

紫衣　いるま

ずっと　、自分のことが嫌いで仕方がなかった　。

暇野　なつ

そうなの　、？

紫衣　いるま

おう　、

なつとは　、少し違うけどな　笑

でも　、『　大切な人を傷つけた　』ってところは　、同じかもな　。

記憶にない　、大切な人の傷　。

それでも　、自分がやってしまったという事実　。

無知故の　、無意識の傷　。

愛に気づけなかったことへの　、どうしようもない後悔　。

嫌になるよな　。惨めになるよな　。

暇野　なつ

いるま　、（　ぎゅ

辛かったな　。ずっと　、罪悪感を抱えて　、生きてきたんだよな　。

でも　、もうそろそろ　、いいんじゃねぇの　。

お前はもう充分　、苦しんだよ　。

かつて傷つけてしまった分　、他の人に優しくしようと頑張ってきたんだろ　。

忘れてしまいたいぐらいに苦しい思い出に　、今　、きちんと向き合えたんだろ　？

それだけしたら　、もう充分だろ　。

紫衣　いるま

なつ　、

紫衣　いるま

お前は自分で思ってるよりもいいヤツなんだから　。

紫衣　いるま

だからさ　、もうそろそろ　、

紫衣　いるま

自分のことを許してやれよ　。

暇野　なつ

でも　、おれ　、は（　ぽろ

紫衣　いるま

なつ　、お前は頑張ったよ　。

紫衣　いるま

自分のしたことから逃げなかった　。

紫衣　いるま

きちんと向き合えた　。

紫衣　いるま

思い出したくもないような思い出を　、俺に伝えてくれた　。

紫衣　いるま

…　それだけで　、もう　、充分だろ　。

暇野　なつ

でも　、かぁさんたちは　、ｯ（　ぐす

気がかりだったんだろうな　。逃げてきてから　、何も伝えてこなかったから　。

でも　、過去のことだって　、なつだけが悪いわけじゃない　。

家族の対応にも　、落ち度があった　。なつが家族を傷つけたように　、家族もなつを傷つけた　。

だから　、お互いがきちんと過去のことに向き合うまで　、伝えなかった　。

下手に　、傷ついてほしくなかったから　。また　、傷つけてほしくなかったから　。

でも　、もういいよな　。

紫衣　いるま

なつ　、

紫衣　いるま

ずっと　、言わなかったけどな　、

紫衣　いるま

一月に一度ぐらい　、お前の家族から連絡が来るんだ　。

暇野　なつ

へ　、

紫衣　いるま

隠してたことはすまん　。

紫衣　いるま

でも　、あの時のお前には　、いい刺激になる気がしなかった　。

家族も　、おれも　、なつを不安にさせたくなかった　。

何が最善かもわからない中だったから　、正しい判断だったとは言い切れないけどな　。

暇野　なつ

…　いるま　、母さんたちは　、なんて　、？

紫衣　いるま

ずっと　、お前のことを心配してたよ　。

紫衣　いるま

それと　、『そばに入れなくても　、なつが幸せならそれでいい　。』

紫衣　いるま

ずっと　、そう言ってた　。

暇野　なつ

…　おれが　、幸せ　、なら　、

紫衣　いるま

毎月電話で連絡が来るんだけどな　、

紫衣　いるま

いつも　、同じことを言うんだ　。

紫衣　いるま

『　なつは　、楽しそうですか　？』

紫衣　いるま

『　私たちのせいで　、苦しくなっていませんか　？』

紫衣　いるま

『　私たちの　、大切な家族のこと　、どうかよろしくお願いします　。』

紫衣　いるま

なんて感じでな　。

優しい家族だよ　。ちょっとやそっとじゃ家族の絆はきれない　。そんなことも感じた　。

紫衣　いるま

どうだ　、？

紫衣　いるま

まだ　、許せないか　？

暇野　なつ

…　ｯ

暇野　なつ

許しても　、いいのか　？

紫衣　いるま

あ　？

暇野　なつ

母さんたちが　、おれを愛していたとしても　、

暇野　なつ

おれが　、傷つけた事実は　、変わらないのに　、ｯ（　ぽろ

なんだ　、そんなことかよ　笑

紫衣　いるま

いいか　、なつ　。

紫衣　いるま

自分を許すことと　、全てをなかったことにするのは　、また別モンなんだよ　。

紫衣　いるま

自分がやってしまった以上　、起きてしまった以上　、

紫衣　いるま

その事実が覆ることはない　。

紫衣　いるま

自分のやったことは　、一生事実として残り続ける　。

暇野　なつ

じゃあ　、

紫衣　いるま

だから　、それをわかった上で　、

紫衣　いるま

それ以上自分のことを責めずに　、前を向くことが　、許すってことなんだよ　。

紫衣　いるま

自分の過去に向き合い　、たくさん苦しんで　、

紫衣　いるま

どうすれば償えるのか　、考えて　、考えて　、

紫衣　いるま

時には絶望して　、挫けて　、行き詰まって　、

紫衣　いるま

それでも　、また前を向いて　、

紫衣　いるま

過去の行いすらも　、自分の糧として　、

紫衣　いるま

胸はって　、生きてこう　、

紫衣　いるま

そうやって自分を許すことで　、自分の過去に区切りをつけるんだ　。

自分を許すのは　、自分に甘えるわけじゃない　。これから自分を叩き上げるために　、これからの自分をつくるために　、自分を許すんだ　。

暇野　なつ

…　そっか　。

紫衣　いるま

なつ　、お前はいっぱい考えた　。

紫衣　いるま

すげえ苦しい思いもした　。

紫衣　いるま

だから　、そろそろ自分を許してやる時だ　。

紫衣　いるま

…　許したからって　、救われるわけじゃない　。

紫衣　いるま

また立ち上がるのに　、苦しむこともある　。

紫衣　いるま

不安になることも　、ある　。

紫衣　いるま

でもな　、お前にはおれがいる　。

紫衣　いるま

愛してくれる家族がいる　。

紫衣　いるま

一緒に苦しんできた　、仲間がいる　。

紫衣　いるま

だから　、大丈夫だ　。

おれは　、自分を許した　。前を向くことを決めた　。

自分を許すって　、簡単なことじゃね　ー　と思う　。

でも　、許してやろう　、そう思えたらきっと　、自信を持って生きていくことができる　。

暇野　なつ

ちょっとずつでも　、いいのか　？

暇野　なつ

すぐには無理でも　、少しずつ　、

暇野　なつ

前を向いていければ　、

暇野　なつ

それで　、いい　、の　、かな

紫衣　いるま

それがなつの出した答えなんだったら　、

紫衣　いるま

それでいいいんじゃねぇの　。

紫衣　いるま

区切りをつけるのも　、前を向くのも　、

紫衣　いるま

お前自身なんだから　。

暇野　なつ

…　そうだな　。

だいぶ　、マシな顔になったんじゃねぇの　？

『　呪われた子　』だ　、と言い張って何もかもに絶望して　、座り込んでいたあの頃のなつとは違う　。

やってやんぞ　、って顔をしてる　。

なつは　、呪われた少年なんかじゃない　。

自分の個性に振り回されて　、優しさ故に　、自分の呪うしかなかった

誰よりも人に愛され　、誰よりも人を愛した　、

優しくて　、眩しいぐらいに明るい普通の男の子だ　。

暇野　なつ

いるま　、

紫衣　いるま

ん　？

暇野　なつ

ありがとう　。

暇野　なつ

俺のこと　、笑わないでいてくれて　、

暇野　なつ

俺のこと　、1人にしないでくれて　、

暇野　なつ

本当に　、ありがとう　。

暇野　なつ

外に出て　、出会えたのが

暇野　なつ

いるまでよかった　。

な　ー　に言ってんだ　。

紫衣　いるま

俺もだよ　。

暇野　なつ

へへ　、（にぱ

そのとき初めて　、なつの心からの笑顔を見た気がした　。

眩しくて　、温かい　。なつにピッタリな　、輝かしい笑顔だった　。

＿　呪われた少年　＿

少年は　、先天性の悪魔病を患っており　、通常の人とは異なる見た目をしていました　。

そんな少年を守るために　、小さなセカイをつくることにした家族　。

家族は少年に隠しごとをすることにしました　。ずっとずっと　、少年を騙して生きていたのです　。

外のセカイを知らせずに　、少年が不安な思いを抱かずに済むように　＿＿

家族の思いはただ一つ　。『　少年に　、幸せでいてほしい　。』ただそれだけだったのです　。

しかしその想いからの行動が　、悲劇を生みます　。

今まで自分だけが真実を知らなかったこと　、そしてその秘密が　、最愛の家族を傷つけたこと　。

少年の心は真っ黒に染まりました　。そして　、悪魔病の症状が出てしまうのです　。

重なる悪夢　。今まで『　知らなかった　』ことが仇となり　、少年は通常よりも　、重く　、苦しいものを背負うことになりました　。

少年は　、家族を呼びました　。『　助けてほしい　』と　。少年は家族を恨みました　。『　どうして助けてくれないの　』　、と　。そして自分を憎しみました　。『　どうしてこんなことをしたのか　』と　。

気づかない愛情　。気づかせない愛情　。遠回しの愛情　。

全ては愛情から起きたことなのです　。

どれだけ厳しい行動も　、どれだけ冷たい言葉も　、全て　、愛だったのです　。

愛に気づいた少年は嘆きます　。『　どうして気づけなかったのだろう　』少年を失った家族は悔やみます　。『　どうして気づかせてしまったのだろう　』

思い合う気持ち　。しかし　、相反する想い　。

彼らは絶望しました　。

彼らは　、愛によって闇へと落ちたのです　。

しかし　、そこからまた掬い上げたのも愛でした　。

どれだけ闇に堕ちようと　、彼らの心は変わらなかったのです　。

そばにいなくても　、遠く離れていても　、どこにいるかわからなくても　、

『　ただ　、あなたを愛している　』

無償の愛情　。家族の絆　。

それが　、家族を救いました　。

自分を許せない　、そう　、思ったことはありますか　？

何かを失った時　、結果が出なかった時　、自分の行いがよくないと感じたとき　、

自分を許せない　、そう思えるのはいいことです　。

自分と向き合い　、自分の行いを反省し　、次へ活かすことができるから　。

でも　、ずっとそのままでいる必要はないんです　。

自分を許せない　、そう思ったままだと　、そのうち　、自分のことが嫌いになって　、苦しくなって　、何も　、できなくなってしまうから　。

ずっと厳しくしなくていいんです　。自分の後悔を　、どうにかしたいと思たのなら　、どうにかしようと　、動いたのなら　、きっと充分です　。大切なのは　、自分と向き合うことだから　。

自分と向き合うことは　、何よりも簡単で　、何よりも難しいことです　。

だからこそ　、それを乗り越えた時には　、確実に　、前の自分とは変わっているはずです　。

自分が許せない　、そう思えるあなたは　、きっと誰よりも真面目で　、誰よりも強くて　、誰よりも優しい人なのです　。

だから　、頑張りすぎないでください　。自分を責めすぎないでください　。

すぐには許せなくてもいい　。時間と共に　、体も　、心も　、成長しながら少しずつ　、向き合っていけばいい　。

物語のように　、全てがうまくいくとは限りません　。

でも　、これだけは伝えたい　。

『　人は変わる　。人は　、変わることができる　。』

過去の自分だけが　、『　自分　』という存在ではありません　。

過去の自分も　、現在の自分も　、未来の自分も　、全部『　自分　』で　、でも　、全部違うんです　。

だから　、昨日の自分は許せなくても　、今日の自分は許せるかもしれない　。

今日の自分はダメだったけれど　、明日の自分ならできるかもしれない　。

そうやって　、前向きに　、一歩ずつ　、変化を恐れず　、変化を味方に　、生きてください　。

私はそれが　、1番幸せだと思います　。

苦しいこともある　。辛いこともある　。苦々しい思いをすることもある　。

でも　、きっと次の自分は大丈夫　。そう信じて　＿＿

生き方って　、人それぞれ　。でも　、やっぱり　、笑っていたい　。

明日って　、意外と面白そうだよ　！

終わらせられた　！！！

１５０タップです　★

だいぶ時が経ってから書いてるので　、繋がりおかしくなってたらごめんなさい　🙏🏻

最近まじで浮上少なすぎて　… その件についてもごめんなさい　🙏🏻

とりあえず　、呪われた少年　、完結しました　！またそのうち何か付け足されるかもしれませんが　…（（

それにしても　、かなりハッピーな終わり方　。これぞハッピーエンドです　… よかった　、ドロドロで終わらなくて　…

次ぐらいからまた次の人にメインが移るので　、楽しみにしていてください　！

次は　… 賽瑞さんかな　？賽白さんかな　？

どっちかだと思います　！

どんな風にしようか　… まだほとんど決まってないです（（

もしかしたらまた１ヶ月ぐらい空くかもしれませんが　… （　できる限りないようには善処します　）ちらっとでも　、見ていただけると嬉しいです　！

それでは　、また次回お会いしましょう　！

おつる　ー　🐇

P．S 追加しました　★ （　9/27 　）

たすけて／絶対に救ってみせる　〜　音奏　奇病　精神病　〜

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本当に素晴らし過ぎて、感動です。

えぇ～はい。今回もしっかりと涙腺を崩壊しに来ましたね！！！w無事、見事に、無様に泣きました!!!!!wありがとうございます。🙇

ぉ！！！久しぶり！！！！投稿ありがとう👊💞！！！みんなやっぱ、辛い過去を持ってるんだね…！！過去を乗り越えて幸せになって欲しい🕊🍀*゜

る　ー　る

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