九十九
観光雑誌だよ――。

九十九
誰か、あの時に彼女が雑誌の類を持っていたのを見たやついるか?

長谷川
当時は雨が降っていた。バス停の周囲はアーケードだが、当然ながら傘をさす場面が出てくれば、観光雑誌は邪魔になるな。

九十九
しかも、彼女は確か荷物が多くて、少なくとも武永のおっさんに送ってもらった時には、まだ手に持っていたはずなんだよ。

RYUSEI
確かに、そこで荷物の中にしまうか聞いたのですが、その時彼女は嫌がりました。

RYUSEI
外で旅行ケースを開けるというのは、中々に労力が必要ですし、周囲の目がありますからね。

九十九
ここで2人の足取りを確認しておくか。

九十九
駅に到着したが、バスまで時間があった2人は、彼女のいきつけだという喫茶店で休むことにした。

茜
でも、マスターが卵を切らしてしまったせいで、中々オムライスが出てこなかった。

九十九
その時間を利用して、彼女は店にリュウセイを置いて、何かしらの用事を済ませている。

九十九
そして戻って食事をした後、1本遅らせたバスに乗った。

長谷川
だが、ここで改めて美穂が何かしらの用事を思い出してバスを降りてしまう。

九十九
確か、父親から来たメールを確認して、慌ててバスを降りたんだったよな?

九十九
――どんな内容のメールを送ったのか、あんたなら覚えてるだろ?

九十九
これだけ事故に執着してるんだから。

武永
…………。

九十九
結果として、リュウセイもバスを降りて、さらに1本バスを遅らせた。

九十九
結果、のちに事故を起こすことになるバスに乗ってしまい、彼女は命を落とすことになった。

武永
そんな……まさか。

九十九
気づいたみたいだな。

九十九
駅前にあるのは喫茶店とスーパーと、後なんだっけな?

九十九
つまり、そういうことなんだよ。

九十九はそう言いながら、答えをボードに書き込んだ。
九十九
おい、これを映し出せ。

九十九
これが俺達の総意ってことで構わねぇ。

茜
ちょっと、何を勝手なことを。

九十九
まぁ、任せておけよ。

九十九
これで間違っていないはずだ。

長谷川
……これまで、こいつには何度も救われてきたからな。

眠夢
今さら、乗りかかった船から降りるわけにもいかないだろうし。

凛
うん、覚悟はできてる。

茜
――だ、だったらしっかり決めなさいよ。

みんなの言葉を受け取った九十九は、自然とRYUSEIの方へと視線をやる。
RYUSEI
それでは、解答と参りましょう!

RYUSEI
パネラーの皆さんが出した答え――例の事故で武永美穂さんが命を落とした原因を作った犯人は。

RYUSEI
この人だ!

ボードが切り替わり、そこにはおそらく、誰よりも本人が意外であろう人物名が書かれていた。
九十九
このクイズ番組の黒幕――あんたが、武永美穂を殺した犯人だ!
