月
っ……
月は、大きく跳ね、 プールに浮かぶ水星に飛び掛かった
月
手には、どこから取り出したのか ナイフが握られている
地球
! あれは、
プールに沈んでいた
プールに沈んでいた
水星
回収しっぱなしに
してたんだね
してたんだね
ナイフは、寸分狂わず 水星の胸を穿つ
しかし
月
! なっ!?
ナイフの刃先は、服を切り裂いた所で ピタリ、止まっていた
水星
私の体は、70%近くが金属で構成されている
水星
だからこそ、
太陽の熱を強く受けるんだ
太陽の熱を強く受けるんだ
くるりと、水上の月と水星の位置が 入れ替わる
月
!? っ……
水星
普段は常に呼吸を巡らして、水に浮かべてるんだけどね
水星
こうして君を下にしたまま、息を吐いていこうか
地球
や、やめっ
水星
手出し無用だよ
掌を向ける それだけの行動で、地球の行動を 水星は完全に止めてみせた
水星
君は関係ないんだ
君は何も言わなかったんだ
君は無関係だ
君は何も言わなかったんだ
君は無関係だ
月
……っ
月が沈んでいく 月が落ちていく
水星
私は殺されそうになったから
殺しているだけだ
殺しているだけだ
水星
君が証人になるんだ
地球
ぁ
月は完全に動かなくなった
地球
あぁぁあ
こうして、今度こそ事件は終結した 最悪の結果を見せつけながら







