空
空
あれから数分が経過した
それでも、口からは絶え間なく血液が溢れ出ている
私はそれを抑えるかのように口元に手を置いている
空
もう息すらまともにできなくなってきた
空
気が付いたらそんなことを考えていた
でも、どう考えてもこのままではただ死を待つのみ
生きられる可能性はもうゼロに等しい
空
そんなことを思っていると…
瑠衣
瑠衣
空
遠くの方から瑠衣さんの声が聞こえて来た
空
でも、私にはもう声を出すほど力は残っていなかった
それでも、死んでもいいから…
空
私は残り少ない力を使って、居場所を伝えようとした
空
空
でも…
空
空
空
無理をしたせいで、私の限界はもうすぐそこだった
でも、そんなときに
瑠衣
瑠衣
空
私の声を聴いて、瑠衣さんが来てくれた
でも、もう私には
声を出す力も、意識を保っている力もなくなっていた
空
空
瑠衣
そこで私の意識は、糸が切れたように闇に落ちて行った__
瑠衣
空
いくら体を揺すっても、空は起きない
瑠衣
空が倒れたところの近くを見ると、大量の血に
直ぐ近くには男の死体も転がっていた
瑠衣
空がそんなことをするなんて思えなかったけど
普段勝手な行動をしない空が急に路地に向って走り出したこと
それを合わせれば辻褄が合う
空
隣で空は必死に息をする
杖道
瑠衣
仁
瑠衣
仁
仁
仁
瑠衣
空
空
空
仁
仁