夜に咲く花

あの日

あの時君と見た花を思い出す

夜に咲く花

綺麗に咲き誇る

たくさんの花を…

数年前

僕達は家が隣同士で仲が良かった

俺は服を脱ごうとした

だけどその手を1度止めた

俺は葵を部屋からおいだし

着替え始めた

この時俺は何も知らなかった

君に異変が起こるまでは…

数ヶ月後

いつもとかわらない生活

だけど今日君は迎えにはこなかった

すこし不安を抱きながらも

おれは学校へ行った

教室

みんなが席に着くと先生が出席確認をし始める

放課後

ピーンポーン(チャイムを鳴らす)

葵のお母さんの声だ

葵のお母さんはそう言うと

玄関を開けてくれた

家にあがると俺は部屋を見渡した

突然葵のお母さんは泣き出した

突然のことで焦る自分

俺はとりあえずハンカチを渡した

頭が真っ白になりそうになる

言葉がつまる

なんて返答すればいいのか分からない

心のなかはいっぱいいっぱいなのに

葵の家をでた

そして自分の家に帰り

部屋に閉じこもった

頭の中が葵のことでいっぱいいっぱいで

どうしたらいいのか分からない

分からない

…明日葵の所にいってみよう

次の日

病院

コンコン(ノック音)

病室をでる

夜に咲く花…

家に帰って調べた

俺は毎日のように調べて

花屋とかにも聞きに行った

だけど置いてるわけでもなく

いい情報も聞けなかった

葵の命がどんどん短くなる

俺は焦りだした

そんなある日

家の近くで大きな祭りがあることを知った俺は葵を誘うことにした

病室

コンコン(ノック音)

そして病室をでた

翌日

神社前

葵の手を握り歩く

かおがあつくなる

葵にこの胸の音が聞こえてたらどうしよう

俺は葵を河川敷に連れてきた

喜んでくれるかな…

夜に咲く花

ヒュ〜

ドンッ

(花火が打ち上がる音)

君は涙を流していた

その一週間後

君は…いなくなってしまった

一通の手紙を残して

かなでへ

夜に咲く花綺麗だったね

私のためにありがとう

すごく嬉しかった…

ねぇ奏…？もし私がいなくなっても

泣かないでね？

奏…今までありがとう

大好きだったよ…

手紙には葵が泣いた痕跡がのこっていた

涙が零れた

あの日

君がいなくなった日

君を失った日

俺は君を思い泣いた…

そしてまたいつか

君と見たあの綺麗な花を

君とみたい…

夜に咲く花を