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東方紅魔郷

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東方紅魔郷

1 - 東方紅魔郷

♥

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2020年08月23日

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誰か

吸血鬼なんてこの世に存在しているはずがない。

誰か

きっと頭のおかしい人間が自分を吸血鬼だと思い込んでいるだけだ。

誰か

もし自分を吸血鬼などと名乗るやつがいたらここに連れてこい!

誰か

思いっきり日光を浴びせてやる

誰か

公開処刑にしてやる

誰か

俺が憎かったら今晩襲って来ればいい

大口を叩く割にはあっけなく殺られた誰か。 私にはこの紅魔館が全てだから久しぶりに外へ出たわ。 だけど誰かの話が噂として広がり、所詮おとぎ話の怪物扱いされるようになった。 人間に恐れられなくなるどころか存在すら否定された私達吸血鬼に居場所などなかった。

レミリア・スカーレット

皆に忘れ去られたもの、概念すら無くなったもの、そんな哀れな奴らが住んでいる郷なんてつまらなさそうね。

レミリア・スカーレット

まぁ、ここでひっそりと生きていくよりマシか…

狭い世界。 私たちが新たにやってきた幻想郷。 ここを私の世界に変えてやりましょう。 同じ日常を繰り返すのは退屈なのだから。

レミリア・スカーレット

随分平和ボケしてるのね。

突然現れた赤い館の正体とは? 霧のかかる湖に不気味な雰囲気を漂わせた館がある。 噂は一瞬で広まった。

レミリア・スカーレット

ここは今日から私のものよ…

レミリア・スカーレット

これも全て私達の為だからね。

今夜。 幻想の郷を一瞬で赤い霧が覆う。 日光も月も星屑も。 どんな光だって差さない。 真っ赤な紅い月がひとつあるだけ。

そう。 幻想郷から光が無くなった。 霧に覆われた僅かな月の光では妖怪達も動けない。

レミリア・スカーレット

全てが暗闇に沈んでいくなんて、

レミリア・スカーレット

なんて素敵なの…!

レミリア・スカーレット

これが私の理想世界…

レミリア・スカーレット

こんなに楽しい時間はないわ♥

レミリア・スカーレット

ふふっ。これが永遠に続くなんて…

十六夜咲夜

お嬢様。

十六夜咲夜

館へ向かって来ています。

十六夜咲夜

この霧の異変に気づいたものが

レミリア・スカーレット

門番が追っ払ってくれるでしょ?

レミリア・スカーレット

もしアイツが逃したら

レミリア・スカーレット

お前なら大丈夫だろう?

十六夜咲夜

えぇ、まぁ、

十六夜咲夜

この館に踏み込ませません。

異変に気づいた誰かがこの館へやって来たと告げる声 聞き流して、窓の外を眺める 門番がいない。

十六夜咲夜

必ずお嬢様をお守りします。

レミリア・スカーレット

喜びが隠しきれない…

レミリア・スカーレット

やはりこの景色を見ると笑みがこぼれてしまうわ

迫る足音。 照らす紅い月 高鳴る胸を抑えながら 待ち望んでいた夜が更けゆく こんなにも月が紅い夜だから。

博麗霊夢

姿を見せてもいいんじゃない?お嬢さん?

レミリア・スカーレット

貴方が博麗の巫女?

レミリア・スカーレット

噂には聞いていたけど…

レミリア・スカーレット

やっぱり人間は使えないわね。

博麗霊夢

あのメイド人間だったのか…

博麗霊夢

…早くこの霧消してもらえる?

博麗霊夢

迷惑なのよ。

レミリア・スカーレット

私達吸血鬼の弱点が日光なのは知っているでしょう?

レミリア・スカーレット

これは日光を遮るためのものよ。

レミリア・スカーレット

幻想郷に光は差さない。

レミリア・スカーレット

博麗の巫女。お前さえ倒せばね!

レミリア・スカーレット

同じ朝が来ると思っていたの?

レミリア・スカーレット

繰り返されるつまらない日常は壊されるのが運命なのよ。

博麗霊夢

っていうか出ていきなさいよ!

レミリア・スカーレット

ここは私の城よ?

レミリア・スカーレット

出ていくのはあなただわ。

レミリア・スカーレット

こんなに月も紅いから本気で殺すわよ?

博麗霊夢

こんなに月も紅いのに

博麗霊夢

永い夜になりそうね

レミリア・スカーレット

楽しい夜になりそうね

博麗霊夢

…はぁ…

博麗霊夢

こんなめんどくさい異変久しぶりね

レミリア・スカーレット

紅い霧は消しといたわよ…

それは一瞬の儚い夢だった。 でも、私は楽しかった

数日後…

霧雨魔理沙

よく館を空けているが、大丈夫なのか?

レミリア・スカーレット

えぇ。全て咲夜に任せてるもの。

博麗霊夢

早く帰りなさいよ!

博麗霊夢

ん?

霧雨魔理沙

雷なった??

レミリア・スカーレット

あら。私帰れないじゃない

レミリア・スカーレット

よく見たら私の館の周りに雨が降ってるわ

博麗霊夢

呪われてるのよ。

霧雨魔理沙

もとから呪われてたぜ

博麗霊夢

追い出されたんじゃない?

博麗霊夢

アンタが帰って来れないようにね。

霧雨魔理沙

残念だったな。

レミリア・スカーレット

あぁ。食事はどうしようかしら?

霧雨魔理沙

……

博麗霊夢

……

博麗霊夢

わかったよちょっと行ってきてあげるわよ。

霧雨魔理沙

楽しそうだぜ

博麗霊夢

留守番。よろしく

レミリア・スカーレット

えぇ。……

レミリア・スカーレット

そういえばあの子のこと忘れてたわ

レミリア・スカーレット

あの子も吸血鬼だから雨だと出てこれないのよね。

レミリア・スカーレット

パチェがあの子が出てこれないように雨を降らせたのね。

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