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black Alice

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3

The second Alice

♥

1,359

2022年08月02日

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やっ、やめろっ、?!

やめてくれ!!ポロポロ

最後に1つ、聞いてやろうか、

「言い残した事、は?」

…は、?

ないんか

っ、

………

……

ザクッ

カハッ…っ、

はぁ、

ヒトは最後になると 急に価値観が薄れて見える

言いたいことなんて、普段なら 山ほどあっただろう

…check Mate、

これで何人目かも分からない相手に

これで何回目かも分からない作業をする

血を拭い、切られた皮膚に小さなサイコロ

サイコロには、番号が付いていない

ただの白い正方形、と言ったところか

グッ

それを埋め込んで、縫い付けたら終わり

「人生は運やから」

「来世はもっと
正しい道を歩け」

そう言い放って

【規則正しいダイスの様に】

神がダイスを振るときは

次は奇数か偶数か

自分の数字をもって逝けよ

きゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁ

……?

夜中に響いた悲鳴

ドンッ ガラガラ、バリンッ

それに続いた音

(気にしんでいいか、)

この街ではこんな事日常茶飯事

殺人、強盗、通り魔、空き巣

物騒な世界に生まれたのが 間違えだったな

(さっさと帰__)

_「だすげて、っ"」_

バンッ パリン

気がついたら足は動いていて

はぁ…

…関係ない事に
首突っ込みたくないねんけどな、

さてどうしようか、と考えていると

「殺してやる!!」

ピキッ

あれから何が起こったのか

何も分からなかった

何も覚えていない

はぁっ、はぁっ、

ただどうしようもなく腹が立って

気づけば体は動いていたんだ

この役立たず!

失敗作!

出来損ない!

お前なんか、

生まれて来なければ
良かったんだ!!!

投げられた皿は額に当たって 音を立て割れる

ごめんなさッ、

謝ればいいとでも
思ってんのか!

何も悪い事なんか、してないのに

しね、しね!

罵倒されながら殴られて、蹴られて

痛い、痛い、痛い

死ねばいいんだ!お前なんか!

髪の毛を強引に掴まれて。

何も抵抗は出来なかった

パシッ

ッ、ゴホッ

こぼれ落ちる涙に理由なんてない

死ねるもんなら死んでやると

考えなかった日なんてない

お前なんか、

殺してやる

殺す、殺す、か

……っ、だ

ったら、

あ"ぁ?

だったら、!

殺せよ!

死んで欲しいなら、
さっさと殺せよ!

俺を嫌いなら
殺せばいい

俺は自分が大嫌いなんだ!

なぁほら、立てよ!

さっさと、

さっさと

殺せよ!

引き攣った顔が凄く惨めで

殺す事も出来ねぇのかよ、

こんなもんなのか、人間は

呆れて部屋を出ようとしたその時

バンッ

っ、ゴホッ、?!

?!?!

静かな銃声が目の前で鳴った

はぁっ、はぁっ

整った顔は返り血で濡れていて

その目は充血していた

な"、んだ、お前、っ

はぁっ、ふぅ、

銃弾はアイツの腹に直撃している

出血部分を抑えて 黒髪の人を睨みつけた

…っお前さっきなんつった、?

銃を握られた手は震えていて

なぁ…なんて言ったんや?

酷い怒りに燃えている様だった

なっ、なんの事だ、!

__ピキッ

その時の光景は 今でもしっかり覚えている

キラッ

腰に着いたボディーバックから ナイフを取って

二度と喋んな

ザグッ

っあっ"…

だらだらと首から血が流れる

痛い痛い痛い痛いッッ

やだ、やめてくれ!!

泣いて縋るアイツと

冷ややかな目を向ける黒髪の人

その素早い手つきは

美しくて、恐ろしくて

心臓を抉られたような、 衝撃を受けた

…クルッ

お前はどうしたい?

っえ、?

殺すか、生かすか

濁りのない、真っ直ぐな目

しばらく、見蕩れたように見つめた

なっ、なぁ、ほら

お前は、優しい子だもんな、

殺す、なんて、
しない、よ、な、?

っ、

なんや、まだ喋れたん

次は口か?

ギラリと光るナイフは、俺には怖くなかった

…して、

ん?

「 」してほしい、

…おう

グシャッ

ま、待って、!

後ろからパタパタと焦った声が飛んでくる

今日の事、内緒な

いや、まぁ、言ってもええけど

振り向かずにそう言うと

グイッ

っ?!

あのっ、!

強く手首を引っ張られた

抵抗出来ずに、青髪の彼を見つめる

あの、

美しい顔は、痣や切り傷だらけで

体は酷く痩せていた

俺、を、

連れてって下さい

っは、?

直ぐに断ろうと思った

足でまといになるだけ、だと

それでも

俺に、世界を
教えてください。

お願いします、

俺を、

「俺を連れてって、ください」

過去の自分と合わさって、

っお願いします、

傷だらけなのも、親がいないのも

全部全部、一緒に見えて、

俺、人殺してるんよ?

御前もいつか人を殺す事に
なんで?ええの?

構いません、

俺に、俺にその
技を

教えてください

濁りのない瞳に、何も言えなくなった

なら、質問をしよう

なぁ、

っはい

「人は好きか?」

唐突な質問に、少し キョトンとした顔

いいえ、

申し訳なさそうに彼は答える

「守りたい人はいるか」

その振る舞いが過去の自分に痛いほど 似ていて

自然と口元が緩む

…!

その変化に気がついたのか、 彼は驚いた顔をして。

俺より背の高い彼は 掴んだ腕に少し力を加えた

今出来ました。

「悠佑」は少し満足そうに笑った

名前は?

…ないです、

なら、

「if」

もしも、〜なら

お前には、
未来を見ていてほしいから

もしも明るい世界なら

もしも愛する人が出来たなら

(沢山、沢山
考えてほしいから)

…っ、ポロポロ

え、?

ありがとうっ、
ございます、ギュゥ

?!

初めての温もりに、同様してしまって

でも凄く、暖かくて。

if、ずっと、一緒な

もちろんです、
悠佑さん、っ

_The second Alice_

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1,359

コメント

8

ユーザー

過去の自分といふまろがリンクしている…そんないふまろだからあにきは認めたのかな……考察が捗りそうなお話だな……よしっ!考察頑張ってみよっかな!最高のお話ありがとうございました!

ユーザー

遅れた、 セリフが、良い、好き 最高でした!(遺言)

ユーザー

好きだわ…まさかの2人目アリス… 謎も出てきてるし物騒だし それでも、黒くんがなんだか、 見捨てれない感じだしてたり、 怒りを露わにしていたりしてて、 やっぱり、黒くんは黒くんなんだな って思えたよ

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