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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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"ザッザッザッザ"

最初と同じような断崖絶壁の道を 早足で進んでいく

歩幅はかなり狭く 下手をしたら柚華が落ちてしまい そうで怖い

リンドウ

大丈夫か

柚華

少し怖い…

リンドウ

じゃあ、よく掴まって

柚華

うん

そう頷くと さっきよりもぐっと距離が近づいて

リンドウ

…っ

それだけなのに 心臓の動機が激しくて、身がもたなくなりそうになる

禁奈の山を降り、どれほど歩いただろう

向こうを見ると夜が明け 周りが既に明るくなっていた

柚華

わあ…きれい…

柚華

朝の空はこんなに美しいのね

リンドウ

白いの頬、ほんのりピンク色の唇… 全てが朝日に照らされて とても美しかった まるで絵画のように…

リンドウ

俺は…

リンドウ

柚華の方が美しく見える

柚華

///

柚華

ドウは、さらりと言うのね…

その真っ赤な顔も愛おしい…

リンドウ

柚華…

彼女の顔に、ゆっくり顔を近づける。

柚華

…あ…

目には、その柔らかな唇しか見えない…

レン(付き人)

あそこに家がありました!

レン(付き人)

明らかに住人がいますね。畑もありますし、

レン(付き人)

あそこに行きましょう…ってドウ様?

リンドウ

……

リンドウ

のわああ///

気がつくと あと少しで触れそうな距離で 思わず飛び跳ねる

俺……口づけしようとしてたんだ

レン(付き人)

レン(付き人)

何か邪魔をしてしまったようですね…

リンドウ

な///

リンドウ

そっそうだ!!

レン(付き人)

…否定をなさらない(笑)

レンは笑ってるし、柚華は真っ赤な顔のままうつ向いちゃったし

リンドウ

…柚華?

柚華

柚華

さっきのは…何?

リンドウ

へっ

リンドウ

あれは無意識だったというか…

柚華

続き…したいって言ったら

柚華

してくれる…?

リンドウ

…!

リンドウ

分かった…

柔らかな唇に目をやると、顔を近づけ そのまま唇に触れる

柚華

ん…

信じられないくらい柔らかくて 今にも壊れてしまいそうだ…

リンドウ

はっ…

柚華

……

リンドウ

……///

離れると、どこか気まずい空気が 俺たちを包む

こういう時って 何を話せばいいんだろうか…

レン(付き人)

…行きますよ

リンドウ

…わあ!!

リンドウ

どこから見てたんだ

レン(付き人)

口づけされる過程、全部です

リンドウ

な"…

レン(付き人)

今までドウ様のお心を奪う女性はいなかったのに…

レン(付き人)

非常に憎たらしい…名は何というのだ

柚華

柚華と申します…

レン(付き人)

柚華殿…口づけ以上に淫らな行為をされるなら私が成敗する!!

リンドウ

待てよ

リンドウ

そういうことするのは男の方だ//

リンドウ

柚華ではなく言うなら俺だろう

レン(付き人)

ほーん、しかし分かりませんよ

レン(付き人)

まだ本性を明かしてないかもしれませんし…

リンドウ

レン

柚華

ふふふ

リンドウ

??

柚華

レンさんは、ドウのこと大好きなのね

リンドウ

///なっ

レン(付き人)

はい、私の全てはドウ様に捧げていますのでお心を乱す奴は許しません。

レン(付き人)

ですが、

レン(付き人)

ドウ様の愛するお方とのことなので…

リンドウ

そうだ

リンドウ

俺も

リンドウ

柚華に何かするなら容赦はしないからな

レン(付き人)

レン(付き人)

ドウ様に免じて、お前を許そう

柚華

はい…

許すと言ったものの、見る目が殺気に溢れているレン

リンドウ

コラッ

柚華

ん…

よほど怖かったのか 彼女は俺にぎゅうっとしがみつく

リンドウ

…///

可愛い… むしろレン、ナイスだよ…

"ゴンゴン"

"ガラガラ"

おばちゃん

…こんな朝っぱらから何の用だい

レン(付き人)

本当に申し訳ない、ここら辺で休める所を探していてな

レン(付き人)

どうかこちらに居させてもらえないか

おばちゃん

…よく見たら、あんた達ひどい傷じゃないの

おばちゃん

特にそこのお嬢ちゃん

おばちゃん

美人なのにひどい身なりだ…

おばちゃん

あと目の前のあんたも腕、怪我してるじゃないか!

レン(付き人)

…そうだったな、これくらいは日常茶飯事だ

おばちゃん

…あんた達の事情は知らないけど、うちは薬屋だ

おばちゃん

入りな

少し怖そうなおばさんは扉をがっと 開けると 薬屋の店内へ案内する

中は、天井から無数の袋と 壁一面に薬箱があり まさしく想像どうりの薬屋だった

リンドウ

椅子に座らせるからな…

そっと彼女を椅子に座らせる

柚華

うん、ありがとう

おばちゃん

んーー

おばちゃん

まず、そこのあんたからだ

おばちゃん

こっち来な

レン(付き人)

…はい

おばさんは、板の上に何かの草を出すと荒々しく棒で叩き出す

叩くとその草から緑色の汁が出てくる

おばちゃん

これくらいでいいな

おばちゃん

腕だしな

レンは防具を取り、腕を出す。

おばちゃん

こりゃあひどい…

おばさんは苦虫を潰したような 顔をすると また荒々しく草をつける

レン(付き人)

これは何の草で?

おばちゃん

"チドメクサ"よ。小っちゃくて光沢のある草でそこら辺に生えてる

おばちゃん

何かあったら、こうして潰して塗るのよ

おばちゃん

これでよし

完成後、レンの腕は包帯でぐるぐるになっていた。

レン(付き人)

…言いづらいが、これはやりすぎでは…

おばちゃん

普通だよ! うるさい男だね~

おばちゃん

次はそこのお嬢ちゃん、そこに寝な

柚華

はい

俺は、ひょいっと彼女を持ち上げると 畳の部屋に連れていく

柚華

ドウ、何度もごめんね

リンドウ

大丈夫

リンドウ

柚華のためだったら平気だよ

ゆっくり降ろすと彼女を寝かせる

おばちゃん

あんた達…出来てるのかい?

リンドウ

ええっ

リンドウ

まっまだです///

柚華

ドウ//

レン(付き人)

いえ、出来てますよ。先ほどもそこで口づけをしておりました

おばちゃん

まあ!

リンドウ

レン、要らぬ情報を…!

おばちゃん

今の若者は早いねえ~

おばちゃん

わしらの時代なんか口づけなど…

リンドウ

おっおばさん

リンドウ

早く柚華に治療を…!

おばちゃん

ケチだねえ、少しぐらい語ってもいいだろう!

リンドウ

おばさんは柚華の足にチドメクサを たっぷりのせる

おばちゃん

こりゃまたひどい…

おばちゃん

あんた、しばらくここで寝てなよ

柚華

はい

おばちゃん

最後にそこのあんた

リンドウ

!?

リンドウ

…どこか悪いんですか

おばちゃん

見たところ、ずっと寒いところに居ただろ

おばちゃん

冷えで顔色が悪くなってる

リンドウ

はあ…

おばちゃん

少し待ってな

台所へ行くと、何やらお茶を淹れている

おばちゃん

はい、ヨモギの煎茶よ

おばちゃん

チドメクサと同じような草なんだけどね、冷えにいいの

おばちゃん

そこの二人も飲みな

レン(付き人)

では…

レン(付き人)

柚華殿、起き上がれるか

柚華

はい、なんとか…

レン(付き人)

お茶、置いとくぞ

柚華

レンさんって優しいですね

レン(付き人)

レン(付き人)

ドウ様のお方だからしているだけのことだ

一口、お茶を啜る ヨモギ茶はクセもなく香ばしくて とても飲みやすい

リンドウ

美味しい…

おばちゃん

今から飯を用意するから、そこら辺でゆっくりなさって

気が向いたら再開します

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