大森
ぼくはもう何分、 家の玄関と睨めっこしてるんだろう。
バイトの帰り道、若井の言葉で自覚してしまった涼ちゃんへの想い。
正直、今までは気付かないふりをしていたこの想い。 それを自覚してしまった今、どんな顔をして涼ちゃんに会えばいいか分からず、玄関のドアを開けられずに居た。
だって、冷静に考えたら好きな人と一緒に住んでる訳で… そしてその好きな人には他に好きな人が居るかもしれない訳で…
もう、色んな感情でぐちゃぐちゃになっている。
それでもずっと家に入らない訳にもいかないし、 意を決して鍵をリュックから取り出そうとした瞬間…
ガチャ…ゴンッ!
大森
藤澤
内側からドアが開き、鈍い音と共に思いっきりおでこをぶつけた。
藤澤
藤澤
大森
藤澤
藤澤
ぼくがおでこを抑えながら痛みに耐えていると、 涼ちゃんが心配そうに顔を覗き込んできた。
藤澤
涼ちゃんの顔が目と鼻の先に。
…む、無理だろ!!!
大森
ぼくはそう叫ぶと、涼ちゃんを置いて家の中に入り、自分の部屋に飛び込んだ。
今や、ぶつけたおでこの痛みより、ドキドキし過ぎてる心臓の方が痛い。
やば… 涼ちゃんの顔、めっちゃ近かった… 鼻高くて、睫毛くるんてしてて、目はくりくりで、 唇は…
僕はベットに倒れ込み、枕に顔を押し付ける。
大森
そして、枕で声が部屋の外に漏れないようにして叫びながら、行き場のない感情に手足をジタバタさせた。
コメント
7件
もどかしい可愛い😭きゅん
かわいいぃ〜スキ💓
初々しいのがとてつもなく最高❗