枢軸昔話

連戦連勝のこの頃

酒が進む席で

ほろりと

日帝は零した

この日

本当に仲良くなれたなあと

実感した

天国なんて

いけやしない

そんな事は言わずとも

分かっていた

国民の誰かが、どこかで死んでいる

そんな状況でも

飲んだ酒はうまかった

戦況が不穏になったのは

ナチがソ連に侵攻し

初めての冬が来た時だった

不穏だった

どこか

どこか不穏で

酒が苦く思えた

酔っても酔っても

現実は重くのしかかってきて

酒の席が

なんだか楽しくなくなってきた

2人とも

狂ってきた

戦争が

2人を壊していた

負けても負けても

諦めずに挑戦し続けて

嫌な環に入っている気がしていた

敗戦

そんな言葉が

脳を巡る

軍部の人間は

目線をそらす

イオの国は強くない

弱い国が降伏するのは当然

そんなことを考える自分が

どうしようもなく

嫌いだ