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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

これは少し昔の話だ

我は魔王軍に所属していた

その魔王軍で魔王の右腕と言われるまでの実力をつけた我であったが

勇者に真剣勝負で負けてしまった

我の生きる世界では勝負に負けることは死を意味する

我もその時死を覚悟した

むしろ、戦いの中で散ることが出来るならそれは本望でもあった

しかし勇者は我にトドメを刺さなかった

理由はたった一言

もう一度戦いたい

そういい勇者は魔王様が待つ部屋にと姿を消した

我はとても悔しかった

しかしそれと同じくらい心が浮かれてるのを感じていた

我には戦しかない

戦うことが我の生きがいでありその瞬間でしか自分を表せない

勇者に負けたあと我はひとり旅を始めた

我があの時負けた時点で魔王様に勝機はなくなっていた

拾ってもらった恩を忘れた時は片時もない

この旅と称した武者修行は勇者にリベンジを果たすためのものでもある

魔王様の敵討ち とまでは行かなくても

我のプライド的に許せないのだ

そして今我は何故か人間に襲われる存在にとなってしまった

心当たりがない訳では無いが

どれもこれも人間側がやらかしてるはずなのに

変な風に人間側に伝わって我が悪になってるらしい

とりあえず思い出しながら振り返ろう

まず1人目は見た目でわかるほどの脳筋剣士だった

ゴリゴリの筋肉に身の丈に合わぬその剣

我が森を散歩してる時に絡まれた相手だが正直弱すぎて記憶にとどめてない

覚えてることは我のスキルで勝手に死んでしまったこと

我のスキル【契約書】は簡単に言ってしまえば口約束

我がYES or NOで答えられる質問にのみこのスキルを発動させることができる

当時我が強すぎたのか相手が弱すぎたのか分からないがその剣士は我との戦いに敗れた

その後我はその剣士に質問をなげかけた

この勝負は我の勝ちだ負けを認めれば命はとらぬ

この問いがどうやらスキル発動条件にあってしまったらしく

剣士は負けを認めず刃の折れた剣で我を襲おうとした時

スキルによって心臓発作を起こしてそのままお陀仏してしまう

これには我もびっくり

まさかスキルが暴発するなんて思わなかったから

その一件がキッカケになり我を狙うギルドの者が増えていき

そしてあっさりやられていく

弱き者を殺す趣味は我には無いので逃がしていたら

いつしか我には色んな2つ名がついた

【黒薔薇の騎士】 【森の番人】 【黒騎士】 【武人の霊】 【死神】

どんどん我の名が悪い方にと広がっていく

別に我は弱き者を相手してないはずなのに何故か恐怖の対象になってる

人の命を奪ったのは最初の脳筋剣士君だけであとはみんな生きて返してるんだけど

やっぱり我見た目のせいで損してるな

そんなことがあって現在

今日も変わらず森で食料集め

魔王軍を抜けてから自給自足の生活をしなくてはならなくて

今はこの森を拠点として生活してる

本当は武者修行のはずだったけれど

勇者と同等の剣士は現れることはなく修行にすらならない

一応毎日独自の修行はしているし

魔王様がいなくなり歯止めの聞かなくなった同士たちを宥めるために

森の中で暴れる奴は容赦なく斬り捨てる

とは言っても命は取らない

怪我をして正気を取り戻して欲しいからな

そんな生活をここ数年続けてる我は一体

ま、まぁ…まだ修行という風に自分を納得させる理由があるので

何とか気を保っているが…

これがいつ切れるか分かったものでは無い

この際街に出向き勇者の情報を集めるのが得策かもと考えてるほどだ

我が街に出向いたらそれはもう大騒ぎだろうな

だから控えてたけどもう無理そう

修行も何も勇者と同等の相手がいないとなると仕方ないよな

そんな風に考えていた時……

ガサガサ…

グルフ

ん?

グルフ

ウサギかなにかか?

少女

……

グルフ

この森に少女が?

少女

うぅ……

グルフ

見たところかなり疲労しているな

グルフ

そのままにして死なれるのも寝覚めが悪い

グルフ

とりあえず我の家で保護しておこうか

グルフの家

グルフ

応急処置はこのくらいで良しかな

少女

うぅ……

少女

少女

!?

グルフ

む?

グルフ

もう目が覚めたのか

少女

あ、あなたは?

グルフ

我のことか?

グルフ

我はそうだなー

グルフ

黒薔薇の騎士だ

少女

黒薔薇の騎士…

少女

あなたが……

グルフ

(あっ…つい和ませようとして要らぬことを話してしまった)

少女

騎士さん!

グルフ

な、なんだ?

少女

私を……

少女

私を殺してください!

グルフ

なるほど…

グルフ

それは普通に出来ぬが?

少女

な、なんで…

グルフ

いや、我は人を殺す趣味とかないから

グルフ

それよりもお主何故死にたいんだ?

少女

そ、それは…

グルフ

まぁ言わなくても察しがつく

少女

え?

グルフ

お主ドレイとか言うやつだろ?

グルフ

やけにみすぼらしい服装に薄汚れた肌

グルフ

顔も少し痩せこけてるな?

グルフ

あと1番はやはり身体の傷の多さ

グルフ

子供にしてはさぞ辛かったな

少女

………

グルフ

ここに来た理由は我の噂を聞いてか?

少女

うん…

グルフ

残念ながら我は先程も言った通り人は殺さぬ

グルフ

もちろん基本的にはな

グルフ

我の生活を邪魔するやつは容赦なく斬り捨てるが

グルフ

余程のことがないとそんなことはしない

少女

じゃあ私は……

グルフ

残念ながらまだ死ねないぞ?

少女

そんな……

グルフ

何を後悔してる?

少女

そうすると私はまたあそこに…

グルフ

何を勘違いしてる?

少女

グルフ

お主がドレイと分かったなら返すわけなかろう

少女

つまりここでも私を…

グルフ

お主は我が保護してやろう

少女

え?

グルフ

そうだな

グルフ

我の今の家もかなり危なくなってきてるから

グルフ

少し田舎の方に向かうか

グルフ

その方がお主的にもありがたいだろ?

少女

で、でも…

グルフ

我と暮らすの嫌か?

少女

そ、それは……

グルフ

まぁたしかにその歳でこんな鎧に身を包んだ男の元で暮らすのは怖いよな

グルフ

我もお主とおなじ立場だったら怖いもん

グルフ

でも我的にはお主を1人にさせるのは嫌だし

グルフ

だからと言って何処かの街で引き取ってもらうのも多分できないし

グルフ

そんなことしたらまたドレイになる可能性がある

グルフ

となると1番安全なのは我の元で暮らすこと

グルフ

それが我の出した最善策なんだが……

少女

………

グルフ

やはり嫌か?

少女

ふふっ

グルフ

何故に笑う?

少女

いや……

少女

みんなの話す黒騎士さんとは大きく離れてるから

グルフ

あれはそっち側が勝手に解釈しただけだからな

グルフ

我は誰も襲わんよ

少女

私決めました

少女

黒騎士さんと暮らす

グルフ

そうか

グルフ

それじゃあよろしくな

少女

うん!

少女

あっそうだ!

少女

黒騎士さん名前は?

グルフ

我はグルフだ

少女

グルフさんだね!

少女

でも呼びづらいから変わらず黒騎士さんって呼ぶね!

グルフ

まぁ勝手にしてくれ

少女を拾ったので静かに暮らします

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コメント

2

ユーザー

お疲れ様です*_ _) めっちゃ好きです! 色んな作品読んでいるのでたまにしか読めないと思いますが頑張ってください!

ユーザー

性懲りも無く新連載です

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