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白野 夕李
白野 夕李
そのくせ、午後にはもう降ってるんだぁ〜⋯
はぁ~…
白野 夕李
傘、持ってきてないよぉ~…
走って帰るかぁ~…
濡れちゃうなぁ~…
…でも、
行くしかないっ…
白野 夕李
3,2,1っ…!
ダッ
急げぇぇぇっ!
白野 夕李
…はぁぁ…
…つか、…れた、…
もぉぉ”~…雨降りすぎっ!
梅雨って嫌い‼
夏なんか来なくていい!
…あ、でも!
夏休みがあるから悪くはない!
えへへ、…そう思うと、
それでもいいかなぁ~…!
白野 夕李
疲れちゃって、足を止めて、
斜め上に広がる雨雲を仰ぎ見る
雨の香り
濡れた木の葉の香り
もう制服びっちゃびちゃだぁ~…
明日までに乾いてるかな?
バッグの中のプリント…大丈夫かなぁ?
w、まぁいいや!
ぜんぶあと!
このくらいへっちゃら!
ふふ、w家に帰って後悔するんだろうなぁ~…
あ、宿題やんなきゃ!
もう、めんどくさいよぉ~…
思い出したくなかったぁ~…
白野 夕李
電車乗れないじゃん…
いや、…まぁ…立ってれば何とか…?
うわぁ…そうじゃん~…
白野 夕李
帰らなかったら心配されるよなぁ~…とか思いながら、
俺は歩道のど真ん中でスマートフォンを取り出す
通りすがりの人たちが、こちらをおかしな目で眺めて
傘に雨が当たってはじける音が流れるように聞こえてきて
今の俺の可笑しさに気がついて、笑ってしまった
<もしもし~?どぬ、どうしたの?
白野 夕李
<え?今学校通り!
白野 夕李
白野 夕李
白野 夕李
<嘘だろ?!おい?!w
<あ、居た居た居た!
白野 夕李
白野 夕李
<は~いw
…最初からゆあんくんに頼ればよかったなぁ~…
…馬鹿だぁっ~!俺!っ
さてとっ、!
紅 優安
白野 夕李
今日は賑やかな帰り道になりそう!
俺らの声と
雨の音で。
紅 優安
白野 夕李
白野 夕李
紅 優安
紅 優安
白野 夕李
紅 優安
…よかった
友達、来てくれたね
…よかった
藤原 糸
…だよね
そうだもんね
…そうだよね
…人気者だもんなぁ~…
…いや、違うか
勇気ないもんな
俺は脇役だもんな
…後ろから、少し
いや…50メートルくらい離れた場所から
全く同じスピードで歩いていく
…いや、…ちょっと俺の方が早めかな
少しずつ…距離が近くなっていって
本当に少しずつ大きくなる2つの背中を、ぼうっと眺める
冷たい風で制服に雨が少しだけ当たっても
めずらしく、白い綺麗な髪がなびかない
…濡れちゃったね
濡れちゃってるんだね
…雨、
まだ止まないんだね
君はきらきら笑ってるのに
笑顔が、こんな雨じゃあ映えないよ
青空で笑ってほしい
俺みたいなわき役は、教室の隅でそれを眺めてるから
…君のストーリーには、
俺はどんな奴になってるんだろうな
せめて「いつも居る図書委員」くらいは
…そのくらい、書き加えられていれば
それだったら…いいな~…
…w、まぁ
藤原 糸
…「もう」じゃないか
最初から全部、どうでもよかった
白野 夕李
白野 夕李
紅 優安
白野 夕李
白野 夕李
藤原 糸
折り畳み傘をたたもうとして
面倒で、雑に丸めてしまった
気まずくて、横には並べなくて
…ななめ後ろに立って分かった
髪から、水滴がどんどん滴り落ちてきてしまっている
…ずっと見てたのに
声、…かければよかったな
こうやって、いつも後悔するのは全部終わった後
…まぁ、無理か!w
ふふ、w
…本でも読んで、時間を潰すか~
さて、今日は
どんな世界が広がってるかな
藤原 糸
ずっしりと暗くのしかかる空気のような
この世界に祝福を。
コメント
19件
もふくーーーーーん
ほんとに最高です! 毎日これを見るのが1日の楽しみです!! 続き待ってます!!
最高👍 1週間本垢は黙っとくわ