TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
シェアするシェアする
報告する

「六月の君の嘘 第二話」

あ。梅雨入りか…。 五月後半。 ついに、アナウンサーが梅雨入りを告げた。

秋原 蓮

まじか…。

窓の外は、どんよりと灰色の雲が空を覆いつくしていて、 それはまるで、自分の心を表しているようで。

鈴木 涼

ピンポーン、蓮ー!学校行くぞー!

鈴木 涼

起きてんのかー?

秋原 蓮

おい…お前、人ん家の前で朝から叫ぶなって…。

鈴木 涼

いいだろ~、昔からの付き合いじゃんか~。元気なのはいい事だし。

秋原 蓮

いや、お前の場合は元気すぎんだよ。

蓮の母親

あら、涼くん、おはよう!

鈴木 涼

あー、蓮ママじゃん、おはよー!やっぱ、ママさん、いつまでもお若いですわね~

蓮の母親

あらやだ~、涼くんったら、昔からお世辞言うのが上手ね~。

鈴木 涼

お世辞なんかじゃないっすよ~。流石、美容師さんだから、髪の毛とかも
綺麗だし!そうだよな、蓮!

秋原 蓮

…涼、なんでそんなに俺の両親と仲いいんだよ…。

蓮の母親

あ、そういえば梅雨入りしたそうだけど、二人とも、サッカーの練習頑張ってね?
パパと一緒に全力で応援しに行くから!

秋原 蓮

いや、いいって…。大丈夫だから。

鈴木 涼

わーやったぜー!蓮ママが試合のときに持ってきてくれる弁当、俺めっちゃ
好きなんすよね~。特にあの大きめのから揚げとか!

蓮の母親

あら~、ほんと?じゃあ、今年もたくさん作っちゃおーかな!

秋原 蓮

あ、そろそろ学校だから行くわ。

蓮の母親

行ってらっしゃい!あ、涼くん、今日の夜も家でご飯食べてく?

鈴木 涼

いいんすか?でも流石に三日連続は…。

蓮の母親

だって、涼くんのお母さん、病院の夜勤あるから、せっかくだし、食べてって
ちょうだい?涼くんのお母さん、いつも涼くんが適当にご飯食べてるから
心配してたわよ~?

秋原 蓮

ああ。せっかくだし、食べてきなよ。今日の夜、鍋だし。

鈴木 涼

んー、じゃあ、お願いします!

蓮の母親

了解!じゃあ、いってらっしゃい!気を付けて~!

鈴木 涼

はーい

秋原 蓮

うーい

鈴木 涼

お前ん家の母さん、いいよな~!

秋原 蓮

そうか?

鈴木 涼

ああ。なんか、凄くフレンドリーっていうか、明るいし、楽しいし。
お前のお父さんも、遊び心あって、面白いし。

秋原 蓮

あー、でも母さんは一日中元気すぎるから、たまにめんどいけどな?
後、父さんは、普通に子供…っていうか。

秋原 蓮

前も、父さんが急に「明日、アメリカ行くか?」って予定してなかったのに、
急に準備しだしたし。おやじギャグとかもとばすし…。はぁ。

鈴木 涼

いいなー。俺の父さんは真面目タイプだから、羨ましいなー。

鈴木 涼

母さんも、看護師で夜勤が忙しいみたいで、あんま会えないし。

鈴木 涼

お前ん家は年中にぎやかだから、羨ましい。

秋原 蓮

そうか…。

鈴木 涼

隣の家が、お前ん家でよかった~!

涼とは家が隣同士で、幼稚園、小学校、中学校と ずっと一緒の幼馴染だ。 俺たちの母親どうし、父親どうしがすごく仲が良く、 家族ぐるみの付き合いをしている。 涼のお母さんは、看護師で、よく夜勤がある。 そして、涼のお父さんは会社の社長で、全国の支店を 見回っている為、一定期間、家にいないそう。 だからか、よく涼は、俺のうるさすぎる家族を 「羨ましい」という。 涼のお母さんが夜勤で忙しいときには、 涼は自分のご飯をコンビニやカップラーメンなどの 適当なもので終わらせてしまうため、 俺のうちで、ご飯を食べている。

秋原 蓮

あ、そういや、今日昼頃から雨降りそうだって。

鈴木 涼

あ、まじかー。天気予報見たけど、明日もめちゃめちゃ雨降りそうだし。

秋原 蓮

だよなー。はー、憂鬱ー。

学校にて。

鈴木 涼

なぁなぁ、蓮ー?

秋原 蓮

どうした?

鈴木 涼

いや、さっきちょっと聞こえてきたんだけど…。

秋原 蓮

ああ。

鈴木 涼

なんか、転校生来るらしいよ?

秋原 蓮

転校生?

鈴木 涼

うん、なんか、転校生。

鈴木 涼

可愛い子かな~?あ、でもサッカー上手い男子でもいいや。

鈴木 涼

でも、希望を言うと、女子!

鈴木 涼

可愛くて、可愛くて、可愛い女子で!!

秋原 蓮

…なんだそれ?人の事、顔で判断すんなって…

鈴木 涼

なんだよ、学校一のイケメン君がそんなこというなよ~

秋原 蓮

イケメンは関係ないだろ…。

鈴木 涼

万年モテ期のあなたにはわからないんですーっ。
俺がどんな思いでお前の親友やってきたか…ううっ…
可愛いな…って思った子、みんなお前に告白するんだもん。
このポジションが俺じゃなかったら、きっと今頃、みんなメンタルやられてるし。

秋原 蓮

ああ?

秋原 蓮

そんな事俺に言われてもしらねーって。

鈴木 涼

あー、またたくさんお前めあての女子来たぞー。

鈴木 涼

つーか、二組の野田の彼女ちゃんが、お前に告白したらしいけど、ホント?

秋原 蓮

はぁ?

鈴木 涼

なんか、野田が彼女にフラれたらしくて、その理由が、なんか蓮の事が好きに
なったかららしくて、野田がお前に激怒して、お前と殴り合いの喧嘩した
って噂だけど。

秋原 蓮

あ、ああ、あのこと?

鈴木 涼

え、事実なわけ!?

秋原 蓮

殴り合いの喧嘩…ってわけじゃないけど、向こうが殴りかかってきたから、
よけといた。

鈴木 涼

お前、柔道してたけど、技とかかけてないよな…?

秋原 蓮

え、いや、腕をねじっただけだけど、なんか逃げてったから一件落着。

鈴木 涼

……まじか。え、で、野田の彼女ちゃんに告白されたってホントかよ?

秋原 蓮

あー、まぁ。一応。

鈴木 涼

あの子、ポニーテール可愛いよな~。で?どう?オッケーしたの?

秋原 蓮

断った。

鈴木 涼

…そうだよな!そうだよな!ああ…やっぱりそうだと思ったよ!

秋原 蓮

…何キレてんだ…?

鈴木 涼

キレてねーし!

先生

おはようございます。

秋原 蓮

あ、先生来たけど。

鈴木 涼

あ、ほんとだ。

学級委員長

起立、気を付け、おはようございます。着席!

朝の会が始まった。 それなのに、クラスはいつもより落ち着きがないように見える。 教室のあちこちで「転校生」というワードが聞こえる。

先生

おーい、静かにー。

先生

転校生がいる。

先ほどまで、あれ程騒がしかった教室が一気に静寂につつまれる。

先生

入れー。

次の瞬間ー。 心臓が止まった。

loading

この作品はいかがでしたか?

11

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚