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丈太郎
そう言って差し出された手を
愛紗
私はそっと握り返した
ゆっくりと歩きながら
そこでも思い出、話に花が咲き
私は思いきって片想いしていたことを打ち明けた
愛紗
愛紗
愛紗
愛紗
丈太郎
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
愛紗
丈太郎
中崎君の言葉に驚いて
心臓が止まるかと思った
片想いしていたあの頃
中崎君に話しかけることができず
いつも遠くから見ていることしかできなかった
元彼の妨害があったからでもあるけど
そんなの無視して声をかければ良かったのかもしれない
内海
内海
愛紗
同じ野球部の内海君に突然、声をかけられ
最初は凄く驚いたけど
内海
内海
愛紗
内海
愛紗
内海
内海
愛紗
内海君は私のことを心配して励ましてくれた
私がまだ元彼と付き合っていた頃には
数名の男子が元彼を注意したことがあり
内海
内海君はそう言って元彼を注意してくれた
元彼A
それでも言い訳を並べて反省の色を見せない元彼に
キレた内海君が元彼につかみかかる事件が起きたこともあった
その現場には中崎君もいて
他の男子と共に元彼に殴りかかった内海君を止めたらしい
丈太郎
丈太郎
愛紗
丈太郎
愛紗
愛紗
一緒にいるだけで幸せな気持ちになる
まだ再会したばかりで付き合ってもいないのに
こんな風に手を繋いで展望台への道を歩く
展望台では後ろから
私のことを包むようにぎゅっと抱きしめてくれた
丈太郎
愛紗
愛紗
本当に夢のような時間だった
もう帰らなきゃいけない時間になっても
愛紗
愛紗
そんな風に思ってしまった
でも中崎君は遠いからわがままも言えないし
ちょっと寂しいけど
今日はここで別れなければ
丈太郎
愛紗
丈太郎
愛紗
愛紗
丈太郎
丈太郎
丈太郎
丈太郎
愛紗
中崎君の車が見えなくなって
一人になった途端に
恭也さんとのことが頭に浮かんだ
恭也さんは免許を持っていなかったから
デートはいつもバスや電車で
帰りはいつも最寄りの駅まで送ってくれたけど
時間帯によっては満員の電車に乗ることもあって
そうなるとろくに会話もできなくなり
慌ただしく降りて改札の前で少し話すだけ
今日は二人だけの空間で直ぐ隣に中崎君がいて
話したくてもできなくて
遠くから見ていたあの頃とは違う
大好きだった中崎君とあんなにも近くで……
本当に夢のような時間だった
愛紗
ギュィィィィィィン!!
もうすっかり聞き慣れた機械音
今はもう
この音を心地よいと感じるまでになった
だってこれは
明日夢が会いに来る合図だから
明日夢
でも今日の明日夢は少し不安そうで
いつもと違う雰囲気が漂っていた