あなたの"色"が好き
休み時間にふと見せる
あなたの笑顔の色が好き
友人と話す時も
先生と話す時も
誰と話す時にも見せる
あなたの笑顔の色が好き
あなたの"色"が好き
体育の時間に見せる
あなたの真剣な色が好き
人の何倍も努力して
その実力を実らせる
それで…またあなたは笑う
そんなあなたの色が好き
あなたの"色"が好き
部活の試合で負けた時
あなたの涙の色が好き
あなたのせいじゃないのに
誰のせいでもないのに
誰よりも悔しそうに泣き続ける
…あなたの色が好き
失敗した
放課後の美術室
どうせ誰も来ないだろうと
警戒を怠ってしまった
見られた 私の絵を
…本人に
あなたはポカンと口を開ける
でもあなたは
話した事もないわたしに
あなた
わたし
わたし
わたし
あなた
あなた
わたし
あなた
わたし
あなた
あなたが立ち去ろうとする
…待って!
わたし
あなた
わたし
わたし
あなた
あなた
わたし
あなた
わたし
…嬉しい
どうしてこんなにドキドキするんだろう
…多分
わたしはきっと
あなたの"事"が好き
その後
あなたに何があったのかは知らない
あなたが何を思っていたのか
あなたが何を抱えていたのか
あなたの表面しか見ていなかった
わたしに分かる訳がない
ただ
あなたがどうして
誰もいないはずの
放課後の美術室に来たのを
わたしはもう少し
深く考える必要があったのだろう
まだ絵は完成していない
でも…もう描けない
あなたの居ない…"透明の色"じゃ
何を描いたとしても
そこに色はないんだから
コメント
14件
執筆お疲れ様です🙇♂️ 「透明な色」は幽霊になったということを指しているのでしょうか? 考察のしがいがあって、読んでいて楽しかったです!
死んじゃったってこと…?