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ー14年前ー

出産したばかりの冬桜子は、無理がたたり、重い病気になってしまった。

隣人の夫人

やっぱり、無理なんじゃない?

隣人の夫人

その身体で、双子の子供を育てるなんて…

隣人の夫人が、哀しげな表情をしている。

冬桜子(とおこ)

イヤよ!

冬桜子(とおこ)

あの人の子供なのよ?

冬桜子(とおこ)

あの人が、残してくれた…

夫の和也は、冬桜子が妊娠5ヶ月目の時に、不慮の事故でこの世を去っている。

冬桜子は、双子の息子を抱き上げた。

隣人の夫人

さぁ、写真撮りましょうね~

隣人の夫人は、冬桜子と双子の息子にカメラを向けた。

ーパシャリー

隣人の夫人

隣人の夫人

さぁ、撮りましたよ…

隣人の夫人

ゆっくり休んで下さい

冬桜子(とおこ)

えぇ…

冬桜子は、深い眠りに落ちた。

それから暫くして、双子の弟の方は、隣人の夫人によって、扇海(せんかい)孤児院へ預けられた。

冬桜子(とおこ)

酷いわ!

冬桜子(とおこ)

私に内緒で、孤児院に預けるなんて!

冬桜子(とおこ)

返して!竜也を返してよぉ!

隣人の夫人

竜也って名前まで決めてたの?

冬桜子(とおこ)

そうよ!

冬桜子(とおこ)

この子が敦也で弟は竜也…

冬桜子(とおこ)

亡くなった和也の1文字を使った名前よ…

隣人の夫人

まぁ…

冬桜子(とおこ)

どこの孤児院ですか?

冬桜子(とおこ)

今すぐ迎えに行きます!

隣人の夫人

その身体で、どのように育てるの?

隣人の夫人

お乳も満足に出ないのに…

冬桜子(とおこ)

行かせて下さい!

冬桜子(とおこ)

竜也は私の子よ?

冬桜子は、ベッドから起き上がろうとするが、力が入らない。

隣人の夫人

竜也って名前にしてくれるように

隣人の夫人

孤児院に方には伝えますから

隣人の夫人

ゆっくり休んで下さい

冬桜子(とおこ)

・・・

ー現在ー

冬桜子(とおこ)

冬桜子(とおこ)

竜也はもう大きくなってるかしら…

冬桜子(とおこ)

敦也より大きく育ってるかしら…

冬桜子は、写真を見ながら呟いた。

敦也には、双子の弟がいた。

写真に写るもう一人の男の子は、敦也がよく知る竜也なのだろうか・・・。

学校の方では、下校時刻になっていた。

四 敦也(あずま あつや)

竜ちゃん!

四 竜也(あずま たつや)

なに?

四 敦也(あずま あつや)

今夜さ?家に泊まりに来ねェか?

四 竜也(あずま たつや)

敦ちゃんの家に?

四 敦也(あずま あつや)

あァ…

四 敦也(あずま あつや)

明日は土曜で休みだし

四 敦也(あずま あつや)

宿題でもしようぜ!

四 竜也(あずま たつや)

うん

四 竜也(あずま たつや)

寮長の許可が下りたら行くよ!

四 敦也(あずま あつや)

あァ…待ってるからな!

二人は、校門で別れた。

ー寮内談話室ー

寮長

四君の家に宿泊希望?

少し浮かない表情をする。

四 竜也(あずま たつや)

はい…ダメですか?

寮長

まぁいいだろう

寮長

四君のご家族のご迷惑にならんように…

寮長はそれだけ言うと、談話室を出て行った。

四 竜也(あずま たつや)

やった!

竜也は、ガッツポーズをする。

そして、竜也は自室に戻り、勉強道具と、着替えを準備した。

寮の出入口にある、宿泊届に記入をして、寮を出て敦也の家に向かった。

ー敦也の自宅前ー

ビィー

竜也は、敦也の家の呼び鈴を押した。

\はぁい、どなた?/

敦也の母親の声らしき声が、インターフォン越しに聞こえてきた。

四 竜也(あずま たつや)

四君の同級生の…

冬桜子(とおこ)

あ!敦也のお友達ね?

四 竜也(あずま たつや)

は、はい

冬桜子(とおこ)

友達が尋ねてくるって言ってたから…

冬桜子(とおこ)

今、開けますね…

ーガチャリー

冬桜子(とおこ)

いらっしゃい

敦也の母親が、出迎えてくれた。

冬桜子(とおこ)

竜君ね?どうぞお上がり下さい

四 竜也(あずま たつや)

お邪魔します

竜也は、深々とお辞儀をして、家の中に入った。

ー敦也家・リビングー

冬桜子(とおこ)

敦也はちょっと出掛けてるから

冬桜子(とおこ)

適当に座って待っててね?

四 竜也(あずま たつや)

…はい

冬桜子(とおこ)

紅茶でよかった?

四 竜也(あずま たつや)

…はい、ありがとうございます

冬桜子(とおこ)

敦也と違って、礼儀正しいのね?

敦也の母親は、ニコッと笑って、キッチンの方へ消えた。

四 竜也(あずま たつや)

(ふぅ…緊張する…)

四 敦也(あずま あつや)

ただいま!

カチコチに緊張していた時、敦也が出先から戻って来た。

四 竜也(あずま たつや)

あ、おかえり

四 敦也(あずま あつや)

よっ!来れたみてェだな?

四 竜也(あずま たつや)

うん!

四 竜也(あずま たつや)

すんなりOKもらえた!

四 敦也(あずま あつや)

あ~・・・

四 敦也(あずま あつや)

息子の輝星が引きこもりだもんなァ…

四 竜也(あずま たつや)

・・・

四 敦也(あずま あつや)

ま…いいか…

冬桜子(とおこ)

おまたせ!

冬桜子が、紅茶とクッキーを持ってきた。

冬桜子(とおこ)

あら、敦也、帰ってたのね?

四 敦也(あずま あつや)

今さっき帰ってきた!

冬桜子(とおこ)

おかえり…

四 敦也(あずま あつや)

ただいま

冬桜子(とおこ)

竜君、どうぞ…

冬桜子は、竜也に紅茶とクッキーを渡した。

四 竜也(あずま たつや)

ありがとうございます

竜也は、美味しそうに紅茶を飲んだ。

四 敦也(あずま あつや)

それ飲んで食ったらさ

四 敦也(あずま あつや)

俺の部屋に来いよ!

四 竜也(あずま たつや)

うん、分かった!

四 敦也(あずま あつや)

あ…母さん

四 敦也(あずま あつや)

今夜、こいつ泊めるから…

冬桜子(とおこ)

いいけど、竜君は大丈夫なの?

四 竜也(あずま たつや)

ぼく、寮に住んでるので

四 竜也(あずま たつや)

泊まるの、全然平気です

冬桜子(とおこ)

そうなのね?

冬桜子(とおこ)

泊まるなんて聞いてなかったから

冬桜子(とおこ)

夕飯の買い出ししなきゃ!

四 敦也(あずま あつや)

いつもの飯でいいよ!

四 敦也(あずま あつや)

お客さんだけど、友達だし

冬桜子(とおこ)

え~・・・

四 敦也(あずま あつや)

昨夜のシチュー、残ってるだろ?

冬桜子(とおこ)

残ってはいるけど…

四 敦也(あずま あつや)

じゃ、それでいいじゃん!

竜也は、二人のやりとりを黙って見ていた。

冬桜子(とおこ)

あら…竜君、ごめんなさいね…

四 竜也(あずま たつや)

いえ、大丈夫です…

四 敦也(あずま あつや)

母さん、なに謝ってんの?

四 敦也(あずま あつや)

いつもの母さんらしくない…

冬桜子(とおこ)

敦也ったら…

四 敦也(あずま あつや)

早く飯にしようぜ!

四 敦也(あずま あつや)

腹減ったよ!

冬桜子(とおこ)

はいはい

冬桜子(とおこ)

じゃ、シチュー温めるから待ってて!

四 敦也(あずま あつや)

おうっ!

冬桜子は、再びキッチンへと消えた。

冬桜子(とおこ)

おまたせぇ~!

冬桜子が、美味しいシチューを準備してくれた。

冬桜子(とおこ)

四 敦也(あずま あつや)

昨夜も食ったけど、旨そう~!

冬桜子(とおこ)

竜君もどうぞ~

四 竜也(あずま たつや)

はい!ありがとうございます

3人

いただきます!

楽しい夕食のはじまりはじまり~!

ー1時間後ー

楽しい夕食も済み、敦也の幼い頃の写真を見たりして盛り上がっていた。

冬桜子(とおこ)

ところで、竜君って、竜って名前なの?

四 竜也(あずま たつや)

いいえ、名前は竜也って言います

冬桜子(とおこ)

たつやってどんな字で書くの?

冬桜子は、竜也にメモ紙を渡した。

受け取ったメモ紙に、名前を書いた。

四 竜也(あずま たつや)

四 竜也(あずま たつや)

どうぞ

名前を書いたメモ紙を、冬桜子に渡した。

冬桜子(とおこ)

竜也…君ね?苗字はなんて言うの?

四 竜也(あずま たつや)

えっ…?

竜也は少し困った表情をして、敦也を見た。

四 敦也(あずま あつや)

母さん!いい加減にしろよ!

四 敦也(あずま あつや)

竜ちゃんが困ってるだろ?

冬桜子(とおこ)

あぁ…ごめんなさいね…

四 竜也(あずま たつや)

大丈夫ですよ!

四 竜也(あずま たつや)

苗字は、敦ちゃんと同じなんです

冬桜子(とおこ)

えっ!?

冬桜子(とおこ)

ウチと同じ苗字なの?

四 竜也(あずま たつや)

はい!

四 竜也(あずま たつや)

漢数字の四って書いて「あずま」って読みます

冬桜子(とおこ)

・・・・・・

四 敦也(あずま あつや)

竜ちゃん、新学期に転校してきたんだよな?

四 竜也(あずま たつや)

あ、うん

冬桜子(とおこ)

て、転校してきたの?

冬桜子(とおこ)

そうなの…

四 敦也(あずま あつや)

そんで、苗字が同じで驚いてさァ~

四 敦也(あずま あつや)

なぁ?竜ちゃん!

四 竜也(あずま たつや)

うん!

四 竜也(あずま たつや)

ぼくもビックリしちゃって…

四 敦也(あずま あつや)

親同士が親戚かよ!って

四 敦也(あずま あつや)

聞いちまったもんな~!

四 竜也(あずま たつや)

うんっ!

冬桜子(とおこ)

・・・・・・

四 敦也(あずま あつや)

母さん、自分から聞いておいて

四 敦也(あずま あつや)

さっきから、なんで黙ってんの?

四 竜也(あずま たつや)

??????

敦也と竜也は、黙ったまんまの冬桜子を見た。

冬桜子(とおこ)

え、ええ…

冬桜子(とおこ)

竜也君のご両親は?

冬桜子(とおこ)

いらっしゃるの?

四 敦也(あずま あつや)

あっ!母さん!

四 竜也(あずま たつや)

あ、あの~・・・

四 敦也(あずま あつや)

また変なこと聞くなよ!

冬桜子(とおこ)

で、でも・・・

四 竜也(あずま たつや)

親…いないんです

冬桜子(とおこ)

あっ…ごめんなさい!

四 敦也(あずま あつや)

母さん、どうしたんだよ!?

四 敦也(あずま あつや)

さっきから、顔色悪いよ?

冬桜子(とおこ)

え…あのね?

冬桜子(とおこ)

竜也君って…ひょっとして…

四 竜也(あずま たつや)

はい?

冬桜子(とおこ)

扇海(せんかい)孤児院って場所に居なかった?

四 竜也(あずま たつや)

えっ…?

四 敦也(あずま あつや)

母さんっ!

冬桜子(とおこ)

竜也君、答えてくれる?

四 竜也(あずま たつや)

…はい

四 竜也(あずま たつや)

小さい頃から、扇海孤児院に居ました

冬桜子(とおこ)

・・・

冬桜子は突然、両手で顔を覆った。

四 竜也(あずま たつや)

・・・・・・

四 敦也(あずま あつや)

母さん!マジどうしたんだよ!

そして冬桜子は、リビングにある引き出しから、綺麗な箱を取りだした。

冬桜子(とおこ)

四 敦也(あずま あつや)

その箱って…

冬桜子(とおこ)

敦也は一度見てるわよね?

冬桜子(とおこ)

この箱…

四 敦也(あずま あつや)

見た見た!

四 敦也(あずま あつや)

親父とのラブラブ写真が入ってるって…

冬桜子(とおこ)

そうね…

冬桜子(とおこ)

でも本当は違うの…

四 敦也(あずま あつや)

えっ?

冬桜子(とおこ)

この写真を、二人に見てほしいの…

冬桜子(とおこ)

冬桜子は、敦也と竜也に、写真を見せた。

四 敦也(あずま あつや)

赤ちゃんの写真だ…

四 竜也(あずま たつや)

うん、本当だ…可愛いね…

冬桜子(とおこ)

この写真に写る赤ちゃんは…

冬桜子(とおこ)

私の子供なの…

四 敦也(あずま あつや)

はぁぁぁぁ~?

敦也は、冬桜子と写真を交互に見た。

四 敦也(あずま あつや)

母さんの子供って…

四 敦也(あずま あつや)

ふ、二人いるじゃないかよ!

冬桜子(とおこ)

そうよ…

冬桜子(とおこ)

だって、双子だったんだもの…

四 敦也(あずま あつや)

…えっ…??

四 敦也(あずま あつや)

それ…マジで言ってんのかよ…

ーさてこのあとの展開は!?ー

ー双子の赤子が写る写真ー

ー敦也の隣にいる赤ちゃんはー

ー誰なのだろうー

ーその時ー

ー冬桜子は二人にー

ー何を語るのだろうかー

~最終話へ続く~

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