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茈 × 飴
ふぃふてぃ~更新
ずっと変わらない雪景色
ずっと変わらない貴方達
進んでいるようで進んでいないこの世界
もしくは自分だけ時が止まったように
聞き飽きた物理授業
見飽きた資料
触り飽きた実験道具
逃げ出したい
そう思った瞬間こさめの体は動き出していた
何も考えずに走った
ただひたすらに
各教室から聞こえてくる声に耳を抑えて
気持ち悪い 全部全部
聞こえてくる全てが雑音に聞こえて
吐きたいのに何も出来ない
逃げ出したいのに出来ない
そんな今にも溢れだしそうな感情を
必死に押さえつけた
階段を三歩四歩と駆け上がる
こんなことしても変わらないってわかってる
でもこのままで居るのだけは嫌で
上に上にと足を進めた
屋上への扉を強く両手で開ける
その瞬間強い風が体を巻いた
まるで押すかのように
柵を超え 柵に腕をかける
目の前に広がる海
太陽を反射してきらっと光る
吸い込まれるような鮮明さ
このまま___。
茈
不覚にも体が反応してしまう
音もなく現れた
飴︎︎︎︎︎︎︎
視線を向けると物理教師が居た
…煙草を吸っている
今は授業中
誰にも邪魔されない , はずだったというのに
茈
茈
仮にも生徒がいるにも関わらず…
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
茈
……
そもそも
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
当たり前の様に頷く教師
本当に教師であるのか
こんな奴でも教師になれる現代に疑問を持つ
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
飴︎︎︎︎︎︎︎
どうせ自習にしてきたとか_
茈
飴︎︎︎︎︎︎︎
普通家出する時に置くもんじゃなかったけ
やっぱり屑だ。
茈
茈
腕を捕まれ体を持ち上げられ冷たい床に落とされた
必然的に目を開けると教師の顔があった
無愛想な顔をみると苛立ちさえ湧いてきた
茈
飴︎︎︎︎︎︎︎
改めて教師を見る
手には明らかに数の多い指輪
首から覗くネックレス
髪は黒スプレーを掛けているのか少し紫がかっている
強くこいつには言う価値がないと思った
茈
茈
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
飴︎︎︎︎︎︎︎
仮に言ったとて信じて貰えるのだろうか
信じて貰えたところでこいつに何ができるのだろうか
でもほんの少しでも可能性があるのなら、
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
…
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
茈
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
飴︎︎︎︎︎︎︎
ずっと繰り返してた
先生も生徒もみんなみんな毎日同じ言動をして
動物や物さえも同じように動いている
こさめだけだった。違う行動をしているのが
だからこそ怖い
教師が , こいつが なんで
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
絶対お前はなんか知っている
言うならばお前は癌だ
繰り返し生産される白血球に混じったバグ
こいつなら俺をここから救ってくれるのかもしれない
茈
返ってきた端的な言葉に困惑する
飴︎︎︎︎︎︎︎
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
茈
理由になってない
ぱっと頭にでてきたのはこの言葉
でも教師が本当のことを言っているのだとしたら
_俺は何も言えない
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
茈
飴︎︎︎︎︎︎︎
何が問題なのか
考えたこともなかった
みんなが同じ言動をしているのはつまらないから?
自分だけが違うから?
楽しく、ないから?
飴︎︎︎︎︎︎︎
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
時が止まったような気がした
体感3分 教師は何も喋らない
暫く見つめていると教師の目が少し大きくなったように見えた
茈
その言葉は俺がここに閉じ込められてからずっと探していた言葉で
見つけられなかった言葉で
どこにもなかった言葉で
いつの間にか頬に冷たい水が流れていた
飴︎︎︎︎︎︎︎
茈
茈
冷たい風が俺と教師の間を割るように吹く
膜の向こうには違う何かがあって
俺はその膜を超えて手を掴んだ
飴︎︎︎︎︎︎︎
少しばかりか雪が解けた気がした
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