私の生き様

私には

性別がなかった

男にもなれるし女にもなれる

そんな意味がわからない病気だった

私の運命は生まれた瞬間から決まっていた

私は両性具有だったのだ

2000人に1人くらいの割合らしい

そして、私の親は医師に

そう言われたそうだ

しかし、私の親は生活が苦しかったため

そう簡単に手術をすることはできなかった

出生届けは女として提出された

しかし、私の中で成長するにつれて違和感が大きくなっていった

それは男性として目覚めたという訳でもない

男と女の違いを認識すればするほど

私は

そのどちらでもないということを思い知らされたから

高校生の頃

私はとあるきっかけで心理学に夢中になった

バタンッ！

父さんが勢いよく玄関の扉を閉めて

仕事に行った

母さんは私を産んでからずっと自分を責めていた

父さんも最初はそんな母さんを慰め励まし続けていたが

最近はさすがに嫌気が差したのか

家にいる時間が少なくなってきているような気がする…

……もしかして浮気…？

昨日の夜、父さんが帰ってきた時

女性ものの香水の匂いがした

……はは…そんなわけないよな……

ああ、明日も学校か…

あんな生きた心地のしない所なんて行きたくないな

私は学校でいじめを受けていた

今日も学校でいじめられた

そして今日も昨日と同じように1日が

終わろうとしていた

しかし、今日は違った

家に帰ってくると怒鳴り声が聞こえてきた

父さんと母さんだ

父さんのそばには知らない女の人がいた

どうやら父さんは浮気をしていたようだ

その瞬間私の中の何かが崩れた

気づいたら私は家を飛び出していた

もし…どちらかに生まれていたのなら

同性の友達と遊んで好きな人の話をしたり出来たかもしれない

女に生まれていたのなら母さんと仲良くショッピングができたかもしれない

男に生まれていたのなら父さんとキャッチボールなんかして遊んだりできたかも……しれない

そう……どちらかに……

ドチラカニ生マレテイタナラ…

いつの間にか屋上についていた

友達だと思っていた人達からいじめられていた私は

家族だけが心の支えだった

もはや、その家族さえに裏切られた私は

もう生きていても辛いだけだ

だったら……

私は空中に身を投げ出した

嗚呼……神様…

次生まれ変わる時は男か女、どちらかに生まれ変わらせてください

これが私の死に様