陸
覚えた魔法の全てを使いたい。
そんな思いから彼女はある日、ついに禁忌の呪文を使ってしまいます。
その結果……。
※
「どうですか、この完璧な作戦! きっとみんな大喜びですよ!!」
「いや、喜ばねーよ!! なんなんだよこれ!?」
「私もう我慢できない! 今日こそ本気で怒ってやるんだから!!」
そう決意した次の日……
「うぅ〜ん、よく寝たぁ〜」
朝、目を覚ました姫様。
するとそこには、なんと魔獣が!! 慌てて飛び起きて剣を取ろうとしましたが……手に触れたのは枕元に置いてあった魔法のステッキでした。
「あれれ?」と思いながら手に取ってみると、なぜか勝手に呪文を唱え始めちゃいまして―――
「いーよいしょっと!!」
掛け声とともに、私はベッドから飛び降りました。
そうです! 今日こそはお姉ちゃんを起こしに行くんです!! 私が早寝をした分だけ、お姉ちゃんを起こす時間は遅くなります。
でも大丈夫。今日からはそんな心配もしなくていいのです。
なぜなら今日からは、私とお姉ちゃんは同じ部屋になったんだもん♪ もちろん、「どうして急に一緒になったのか」なんてことは言いません。
だってそれは、昨日まで別々に住んでいた私たちが、初めて一緒のお布団に入った理由と同じだから。
『家族なんだし、もういっそのことずっと一緒に住んじゃえば?』
これはつい先日、お母さんが言った言葉。
今まで私たちは別々の家で暮らしていましたが、これからはず~っと一緒に暮らせることになりました。
それを聞いた時、私は嬉しくて泣き
