私はただ、何もない 空間に浮いていた。
痛みもない。
寒さも、暑さもない
心臓の鼓動さえ 感じられない。
それなのに、私は確かに 「ここ」にいた。
思考だけが宙に漂い 時間の概念すら曖昧になる。
永遠にも感じられるし 一瞬のことのようにも思える。
――その時 どこからか、強烈な光が 差し込んできた。
それはただ眩しく、温かく まるで私を誘うようだった。
白銀乃亜
何でかなんて理由はわからない。 けれど、このままここに 留まってはいけない気がした。
次第に、目の前に 何かが現れた。
白銀乃亜
荘厳で、神秘的で、まるで この世界の全てを分け隔てるような 存在感を持つ扉。
──その先には 何があるのだろうか。
躊躇いながらも、私はゆっくりと 手を伸ばし ──扉を開いた。
――瞬間、世界が光に 飲み込まれた。
眩しさに意識が 焼かれそうになる。
音も、空間も、私という存在すらも 光の中に溶けていくようだった。
私の人生は、確かにここで 終わったはずだった。
でも、もし まだ続きがあるというのなら――
白銀乃亜
光の中へ 私は吸い込まれていった。
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