_或る朝。
小柄な中学生、中原中也は登校途中であった。
川を覗き込んで顔を顰める。
中原 中也
…なんだ、あれ…
否、何かは分かりきって居るのだが、反射的に声が出たのだ。
中原 中也
また太宰教諭かよ…
彼の学校の養護教諭、太宰治が川を流れて居た。
白衣姿で。
中原 中也
(…拾ってくか…)
拾った。
太宰 治
御免ねー、また迷惑かけたみたいだねぇ
中原 中也
反省して無いですよね絶対
太宰 治
うん
即答だった。
げんなりする中也の横で太宰は わー、びしょびしょだー、などと騒ぐ。
中原 中也
取り敢えず保健室で乾かしましょう…
中原 中也
寒いし…
太宰 治
そうだねぇ
太宰 治
じゃ行こっか!
中原 中也
本当良い加減にして下さいよ…
平和な日常、であった。