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主
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第67話『影のささやき』
いるま家。
午前中から、居間の空気はどこか浮き立っていた。
窓の外に初夏の光が差し込むなか、テーブルの上にはメモやペンが散らばっている。
テーマはひとつ――「こさめの誕生日会の準備」。
すち
すち
ペンをくるくる回しながら、すちが自信ありげに言う。
こさめ
こさめがぱっと拍手する。
だが、当の本人が話題に加わっていることに、いるまが眉をひそめた。
いるま
いるま
こさめ
こさめ
いるま
いるま
いるまが短く切り捨てると、こさめは唇を尖らせてソファに沈み込んだ。
その様子を見て、なつがふっと立ち上がる。
なつ
こさめ
なつ
唐突な言葉に、こさめは目を丸くした。
こさめ
こさめ
なつ
なつは頭をかきながら、視線を逸らす。
なつ
なつ
こさめ
こさめ
なつ
なつ
ぶっきらぼうな言葉に、こさめは少し黙り込み、それから吹き出した。
こさめ
こさめ
立ち上がって靴を履きに行く背中は、どこか弾んでいた。
こさめが出て行ったあと、部屋にはすぐに静けさが戻る。
テーブルを囲んだ五人で、細かな打ち合わせが始まった。
みこと
みこと
みことがメモを取りながら提案する。
すち
すち
すちも真剣にペンを走らせる。
そんな会話の中で、らんは曖昧に相槌を打っていた。
だが次第に、こめかみの奥にずきりとした痛みが広がっていく。
らん
らん
声を出そうとした瞬間、痛みが一気に鋭く跳ねた。
思わず手を額に当て、肩を震わせる。
らん
いるま
最初に気づいたのはいるまだった。
いるま
らん
らん
無理に笑おうとしたが、額を伝う汗でごまかせなかった。
いるまは立ち上がり、短く息を吐いた。
いるま
いるま
らん
いるま
いるま
その声音は、昨日よりもずっと柔らかかった。
らんは抵抗できず、頷いて席を立つ。
自室に戻ると、扉を閉めた途端に足が止まった。
部屋の空気が妙に冷たい。
背筋を撫でるような感覚に、らんは思わず息を呑む。
もう一人のらん
低い声が、部屋の奥から響いた。
振り向いた先に、暗がりからもう一人の“らん”が姿を現す。
影のように滲んだ輪郭。
だが確かに、自分と同じ顔をしていた。
らん
もう一人のらん
もう一人のらん
影のらんは、静かに笑った。
もう一人のらん
もう一人のらん
淡々と告げるその姿に、らんは額を押さえたまま、深くため息をついた。
らん
らん
吐き捨てるような言葉とは裏腹に、胸の奥ではわずかな安心が芽生えていた。
自分の中にもうひとりがいる――それを認めざるを得ない現実に、心は静かに揺れていた。
もう一人のらん
らん
第67話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡300
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