『 君は敵で 、恋人 。』1話
初めてprmz以外の𝖼𝗉書きます
𝖼𝗉 … akso ビジネス不仲組 なので ビジネス不仲 書きます
※異世界パロ ※ご本人様とは一切ご関係ございません ※下手 ※R無 ※2話完結
start
炎の民の領域に、夕暮れの赤が落ちていた。
熱を孕んだ風が砂を巻き上げ、戦士たちの影を荒々しく揺らす。
その中心に立つakは、いつものように胸を張り、鋭い目つきで対岸を見つめていた。
対するその先、澄んだ青の衣をまとった水の民の小隊が現れる。
先頭に立つのはso。
柔らかな髪が風に揺れ、静かな湖面のような光を宿した瞳が 、
akを見つけた瞬間、ほんの一瞬だけ揺れた。
akはわざと地面を踏み鳴らし 、声を張り上げた 。
ak.
ak.
soも負けずに睨み返す
so.
so.
互いの小隊が緊張で武器に手をかける 。
だが 、akとsoの視線だけは 、どこか 別の意味を帯びて絡まりあっていた 。
会いたかった
無事でよかった
その思いは胸の奥に沈められ 、代わりに火花の散るような言葉が表向きに放たれる 。
so.
so.
so.
so.
so.
so.
形ばかりの言い争いをしながら 、2人は歩幅を合わせて境界地帯へ向かった 。
種族の争いが続いてきた数百年の歴史 。
その中で敵対種族の者と密かに心を通わせているという事実は 、どちらにとっても命取りになり得る 。
だからこそ 、誰の前でも芝居をやめることは出来なかった 。
境界地帯に足を踏み入れると 、乾いた土に深い爪痕が刻まれているのが見えた 。
熱気と冷気が混ざる空気の中 、akは低い声で呟く 。
ak.
その瞬間、耳を劈く咆哮が響き、地面が揺れた。
黒い影が森の奥から飛び出し、巨大な牙と異形の翅を持つ魔獣が襲いかかってくる。
ak.
akが炎をまとわせた刃を握り、魔獣へと疾走した。
soは背後から水の光を指先に集め、akの動きを追うように走る。
炎と水。本来なら相容れない力が、まるで約束されたように噛み合っていく。
akが魔獣の腕を焼き払うと同時に、soが光のように細い水流を放ち、弱点へと打ち込む。
息を合わせた連撃が決まり、魔獣が苦悶の叫びを上げた。
だが次の瞬間、魔獣の尾が地面を薙ぎ払い、soの足元が崩れた。
身体が宙に投げ出される __ 。
ak.
akは反射的に飛び込んだ。
周囲の視線など気にする余裕もなく、落ちていくsoを腕の中に抱き寄せる。
その顔には、敵を救う者の表情ではなく、ただ1人を失いたくない恋人の表情が浮かんでいた。
soが息を呑む。
akの胸の鼓動が、激しく震えて伝わってきた。
so.
ak.
小声で、誰にも届かないように。
その一瞬だけ、2人は本当の顔を取り戻した。
だが仲間の視線に気づいたakは、慌ててsoを離し、表情を険しく戻した 。
ak.
ak.
so.
ぎこちない演技。
しかし魔獣はまだ息絶えていない。
akは剣を構え直し、soは再び治癒の水を指先に灯す。
互いを守り合うように背中を預け、最後の一撃を放った。
炎と水が交わる刹那、魔獣は耳を裂く叫びとともに倒れ込んだ。
戦いが終わると、仲間たちは次々と引き上げていった。
境界地帯に残ったのは、沈む光と、2人だけ。
soは胸に手を当て、深く息をついた。
ak.
ak.
so.
so.
その言葉の続きを、soは飲み込んだ。
soはそっとakの手を取り、指を絡める。
敵対する種族。誰にも知られてはならない関係 。
それでも、離れることはできなかった。
so.
ak.
2人は影を寄せ合うように歩き出した。
その背に 、夕暮れの光が静かに落ちていた 。
結構頑張りました 🫶 いっぱいコメントくれると嬉しいです
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コメント
4件
え、尊い。 こんなん神作すぎますって! フォロー失礼します
ビジネス不仲をこんなエモい感動する話に持っていけるなんてスゲェ尊敬✨